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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ロボロ

おい待てや!

テニス部なだけあって足が早かったが

すぐに追いつくことができた

杏奈

離して!!

腕を掴んで、逃がさない

だけどこいつは抵抗した

何かに怯え、焦っているようだった

チーノ

お前なんやろ

チーノ

あれやったのは!

杏奈

知らない!ホントに知らないの!!

ロボロ

知らんわけないやろアホ

ロボロ

逃げんな!

杏奈

知らない!

杏奈

私はなんにも言ってない!

杏奈

違うの、ホントに……

杏奈

私じゃないの!!

チーノ

しらばっくれんなや

チーノ

言え、早く

先輩が圧をかけて、杏奈に近寄った

その圧に少し涙目になっていた

杏奈

分からない、私も…何が何だか……

チーノ

言えや!!

杏奈

分からないの!!

ロボロ

…?

様子がおかしかった

嘘をついているとは思わなかった

だから俺は

杏奈の腕を離した

チーノ

何してんねん、杏奈逃げるぞ!

ロボロ

いや…逃げませんよ

ロボロ

あんた…

杏奈

なに、その目

杏奈

どうせ私がやったって言うんでしょ

杏奈

私じゃないって言っても私がやったって決めつけるんでしょ?!

ロボロ

俺は…

杏奈

うるさい!

杏奈

私がしたのは相手選手のドーピングだけ

杏奈

木を倒したのは…絶対

杏奈

私がしたんじゃない!

チーノ

嘘つけ

チーノ

じゃあなんで近くにおったんや

杏奈

大きな音がしたからよ

杏奈

あんな地響きみたいな音鳴ったら誰だって来るでしょ?

チーノ

もういいて…まじで

チーノ

そんな演技、もうしないでいいからさ

チーノ

ホントのこと話してくれや…杏奈

呆れるように、先輩がため息をつくと…

杏奈は涙を流し、泣き始めた

ロボロ

ロボロ

な、なん…

ロボロ

なんで泣くんや!

杏奈

違う…っ

杏奈

私じゃない……

ロボロ

お前、なんか知っとるんちゃうんか?

ロボロ

さっき「私がしたんじゃない」って言うとったな

ロボロ

「私が」ってことは

ロボロ

誰かまだおるんちゃうの?

杏奈

……

チーノ

まだ、誰かおるて言いたいんかロボロ

ロボロ

…分からんけど

ロボロ

こんだけ杏奈が否定すんのはなんか理由があるはずや

チーノ

おい嘘に騙されんなロボロ

チーノ

あいつは前も、今と同じように否定した

チーノ

演技やねん全部!

ロボロ

目に見えるもんが全部真実とは限らん

ロボロ

あんたが1番よく知っとるやろ先輩!

チーノ

…それは、

杏奈

もう、わたし、疲れた…

ロボロ

え?

杏奈

わたしは、確かに茜が嫌いだけど…

杏奈

ここまでしたかった訳じゃない…

ロボロ

ど…ん?どういうことや…

ロボロ

さっき木のところをよく見て見たら

ロボロ

根元のところに人工的につけられた切り込みがあった

ロボロ

やっぱりお前…何か知ってて…

杏奈

人工的な、切り込み…?

杏奈

…まさか

花岡先輩

いっ…たぁ

ロボロくんとチーノが行って、少しの時間が経ったころ

やっと木をどかすことに成功した

だけど思った以上に先輩の足の状態が悪く、骨に異常があるのは見て取れた

紗結

まだかしら…そろそろ救急車が来てもおかしくないんだけど

もしかしたら渋滞に捕まっているかもしれません…

紗結

そうみたいね…今日は休日だし、車の混み具合も予想できるわ

「まもなく準決勝が始まります」

アナウンスが会場中に広がる

そろそろ準決勝が始まる…

花岡先輩

……

花岡先輩

桐山、私出れるよ

え?

花岡先輩

足を固定したら、なんとかやれる

花岡先輩

出させて、お願い

花岡先輩

今ここで私が出なくちゃ意味が無いの

でも先輩…そんな足の状態じゃ…っ

紗結

ダメよ

紗結

医師として、それは絶対にダメ

花岡先輩

でも…!

花岡先輩

これが最後の大会なんです!

花岡先輩

こんな事になっちゃったけど…本当に最後なんです!

花岡先輩

ここで勝たなきゃ意味が無いんです!

紗結

ダメよ、ここは言うことを聞いてほしい

紗結

もしこのまま無理をすれば最悪、もうテニスはできないわ

せんぱ…

花岡先輩

お願いします!!

花岡先輩

どうか、お願い…します

花岡先輩

足が壊れてもいいから、テニスが出来なくなってもいいから…

花岡先輩

約束、したんです

……

花岡先輩

副キャプテン!お願い、私は出たいの

……

紗結

桐山さん…

ピーポーピーポー

遠くから耳に馴染みがない、緊張感を張り巡らせる音が鳴り響いた

紗結

紗結

救急車、やっと来た…!

七瀬さんは待ちわびていたと言わんばかりの顔をして、救急車の音の方へ走って行った

花岡先輩

嫌だ、病院に行ってる暇なんてないの

花岡先輩

救急車に乗ったら、試合が出来ないんだよ…

花岡先輩

桐山…桐山、お願い

…諦めましょう

花岡先輩

桐山ぁ!!

先輩は憎悪の目で私を見た

そんな目をされても…私は引かない

ダメです、先輩

花岡先輩

お願いだから、私の最後のわがままだから

花岡先輩

こんな形で…退場したくないよぉ!

先輩は私の手を掴んで、離さない

すると、七瀬さんが救急隊員の人たちを連れて戻ってきてくれた

紗結

花岡さん!

花岡先輩

嫌だ、私はまだやれる!

お願いします、七瀬さん

花岡先輩

!!

花岡先輩

……カ

花岡先輩

バカッ!!桐山のバカ!!

花岡先輩

あんたなんか嫌いぃっ…!!

そう叫びながら担架に運ばれていく先輩

そうですか

花岡先輩が一生テニスが出来ない体になるくらいなら

嫌われた方が、マシです

花岡先輩

…っ!

紗結

…行きましょう

紗結

本部に話は通しています

紗結

桐山さん、後のことはお願いしてもよろしいですか…?

…はい

その言葉を最後に、花岡先輩と七瀬さんは救急車と共に行ってしまった

ロボロ

……なん、やて

ロボロ

それ…は

ロボロ

ホンマに…?

杏奈

もう嘘つく理由なんてない

チーノ

……

チーノ

もしかして、今、ここに…?

杏奈

…いるよ

チーノ

だとしたらやべぇぞ…!

ロボロ

急いで先輩のとこに行こう!!

杏奈

待って!

杏奈

今行っても何も解決しないでしょ

杏奈

もう大人しくした方が……

ロボロ

アホか!!

杏奈

ロボロ

このまま指くわえて見てろってか?!

ロボロ

先輩が傷つく姿を、この目で!!

杏奈

………

杏奈

今行っても、どっちにしろ遅いよ

杏奈

どっちにしろ、茜は傷つく

……ふう

今すぐ戻っても、試合に間に合うかどうか…

それに私のペアがいなくなったから代わりも見つけなきゃ

このダブルスで勝たなきゃ決勝にはいけない

だけど私も…体は万全じゃない

どうしたら……

だから言っただろう

……

え…?

なん、で…ここに…

杏奈

あの人から、茜は一生逃げられない

ロボロ

……!

杏奈

茜はね

杏奈

生まれた時から決められた道が出来ているの

杏奈

その道から逃げようとしたら

杏奈

どんな手を使っても

杏奈

迷わず正す

杏奈

その道から逃げることは絶対に許されない

ぁ、あ…ぁ

もう遊びは充分だろう

…っ

中学の時は恋愛の方ばかり気にして

私は心配していたんだ茜

……

高校生になってやっと戻ってくれたと思ったら

部活を始めるだと?

…大概にしろ

!!

杏奈

事の発端は、チーノ

杏奈

あんたよ

チーノ

…え?!

ロボロ

…!

杏奈

茜とチーノが付き合い始めて

杏奈

成績は徐々に落ちていく一方

杏奈

そこで、私はとある提案をされた

茜を正してくれ

そのためには君の協力が必要だ

杏奈

…当時、性格がひん曲がってた私にとって

杏奈

その提案をすぐに同意した

杏奈

…いや

杏奈

''同意せざるを得なかった''の方が合ってるかも

ロボロ

…脅迫されたんか

杏奈

今思えば、そうかもね

チーノ

そうか、そうやったんか…

杏奈

…ほーんと、同情しちゃう

ロボロ

先輩は…どうなるん?

杏奈

分かんない

杏奈

もしかしたらテニスも学校も辞めさせられて…

その瞬間

チーノ先輩が俺たちの横を通り過ぎて走って行った

杏奈

ロボロ

えっ?

ロボロ

先輩?!

チーノ

茜を…

チーノ

茜を助けねーと!!

チーノ

あいつが学校辞めちまったら

チーノ

俺なんのためにこの学校来たんだよ!!

ロボロ

ちょっと待ってください!!

杏奈

っもう…!

杏奈

私らも行くよ!

……

もうきっと、逃げられない

私はもう…

疲れて…しまった

さぁ、もういいだろう

お前たちの高校は負けた

向こうの高校の不戦勝だ

……

…この大会のスポンサーは七瀬総合病院だけじゃない

もう1つ、忘れてないか?

父さん

桐山医院もスポンサーであるということを

……父さん

父さん

もう終わりにしよう茜

父さん

明日、学校が終わったら私の病院に見学に来なさい

父さん

将来私の跡を継ぐんだろう?

父さんの、跡を継ぐ…?

それが私の将来?

いやだ…

やっと見つけたの

テニスを続けたい

…でも、父さんに逆らえるの?

……

私は…!

A その場から逃げる

B 父の跡を継ぐつもりはないと言う

{wrwrd}ばいばい恋心

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