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ブクマとフォロー失礼致します!神すぎませんか(ーωー)
いつも楽しく見てます!りょうさんのスピードで大丈夫ですよ!! もしかして三角関係になるのか.......??
主
主
ごめんね。 手紙渡すタイミングなくて。
昨日家に帰ってから、なんと返事を書けばいいのか必死に考えた。
莉犬だったらどんなことを書くだろう。
きっと聞かれたことははぐらかすことなく答えるだろう。
それくらいしかわからなくて、結果素っ気ないものになってしまった。
そもそも、今までのやり取りが莉犬らしくなかったと思うけど。
さとみ君が気付いていない様子なのが幸いだ。
朝早く学校に来て、ノートをさとみ君の靴箱に入れるのも前ほど緊張しなくなった。
それが慣れただけなのか、本当の相手が自分じゃないからなのかは、自分でもよくわからない。
ころん
パタンと彼の靴箱を閉じて、ひとり呟く。
そう、続くわけがない。
いつかはバレてしまうはずだ。
もはや、わかって嘘をついてしまった手前、後には引けない。
でも、嘘をつくことを決めたからには、できるだけのことはしなくちゃ、という結論に至った。
自業自得なんだから、いつまでもウジウジしているわけにはいかない。
交換日記の中の莉犬にがっかりして好きじゃなくなった、なんてことにはならないようにしなくちゃ。
莉犬の真似をしているのが本当は僕でも、彼にとっては莉犬なんだ。
そして、できれば莉犬がさとみ君のこと好きになればいいな、と思う。
そうなれば、僕は本当のことを言える。
本当にずるい考えだ。
さとみ君は嘘をつかれてたことに傷つくかもしれない。怒るかもしれない。
僕が怒られるのは当然だし、嫌われたって仕方がない。
それくらいのことをしているのはわかってる。
でも、莉犬とうまくいけば.......今、本当のことを告げるよりも彼を傷つけないで済むはず。
ただ。
“莉犬がさとみ君を好きになる”
って、どうしたらいいんだろう。
僕が突然さとみ君を莉犬に勧めるっていうのはおかしいし、
彼のことよく知らないから、何を言えばいいのかわからない。
おまけに莉犬は、僕がさとみ君のことを好きだと思ってる。
どうしたらいいかなあ。かなり難易度が高い。
うーん。と頭をひねりながら、とりあえず、今できることをしようと決めた。
まず、莉犬としてさとみ君と手紙のやり取り、いや、交換日記を続けること。
あとは、莉犬の誤解を、早急に解かなくてはいけない。
その間にどうか莉犬に彼氏ができませんように!
あーよかった! そういやこのノートどうやって受け取ってんの?
放送委員の友達がとってきてくれるの 生徒会の俺がリクエストボックス覗いてると怪しまれちゃうからw その子以外リクエストボックス見ないんだって。
昨日ノートを返すと、その日のうちにさとみ君から返事をもらった。
今朝、また交換日記を返したから、きっとさとみ君はもう返事を書いてリクエストボックスに入れてるだろう。
お昼ご飯を食べ終わったら、ちょっと放送室のリクエストボックスを見に行こうかな。
遠井さんや莉犬、ほかの友達と机を合わせてお弁当を食べてる間、ぼんやりと考える。
もしも、交換日記を受け取る姿をさとみ君に見られても、莉犬の友達ということでいいわけができる。
次はどんな返事を書いてくれたのだろう。
“僕”とやり取りしてるわけじゃないのに僕の返事に彼はどんな顔をして、どんなことを感じて文字を綴っているのだろうと考えると落ち着かなくなってしまう。
遠井さん
ころん
突然名前を呼ばれてはっとすると、遠井さんが「もー」と顔を膨らませた。
ころん
遠井さん
ころん
僕と遠井さんだけだったら、2対2で緊張しちゃうな、思って側にいる友達に聞いてみると“行くよー”と2人の友達が返事をした。
莉犬も後日遠井さんに誘われたらしいけど、さくっと断ったと言っていた。
遠井さんを含めた3人がどこに行くのかとか服装どうしようとか楽しそうに話している。
男の子たちは誰が来るのかと何度も遠井さんに聞いていたけど、遠井さんは“来てからのお楽しみ”ともったいぶった。
誰が来るのか気にならないといえば嘘になるけど、とりあえず楽しく一日を過ごせたらいいな。
ころん
莉犬
ウキウキしてるみんなの前ではっきりそういう莉犬に思わず僕が反応に困ってしまった。
みんなは気にしてない様子だったからよかったけど。
でも、莉犬に“なんでそんなこと言うんだろう?”なんて思わない。
やっぱりすごいなあって思うだけだ。
憧れるのは、僕が心の中で莉犬と同じように思う部分があるからかもしれない。
莉犬
はっとして顔をあげた莉犬が、時計を確認して慌てて席を立った。
遠井さん
莉犬
莉犬
遠井さん
遠井さんたちはもごもごとと断る。
確かに、今から職員室に行って生徒会室に荷物を運んだら、昼休みはもう終わってる。
みんなゆっくり休み時間を過ごしたいんだろう。
ころん
声をかけると
莉犬
と、莉犬はホッとしたように笑った。
交換日記を取りに行こうと思ってたけど、それは放課後でいいか。
莉犬
ころん
莉犬
口をとがらせる莉犬を明るくなだめつつ、職員室に向かった。
中に入って先生に声をかけると、
先生
と言って足元にあった段ボールを2ケース指さした。
先生はそれを軽々しくひょいと持ち上げたけど、受け取ると前のめりに倒れそうになるほど重い。
ころん
莉犬
莉犬は慣れているのかすたすたと歩いていく。
重い荷物を運ばされるのは日常茶飯事らしい。
重いことに変わりはないけど、支えるコツがあるのだと笑った。
色々話しながら歩いていく莉犬の後ろを必死についていくけど、重すぎて話す余裕もなくなって、息も切れてきた。
結構な重労働だ。
生徒会室ってどこにあるんだろう、早く荷物を下ろしたい。
そう思っていると、莉犬は渡り廊下の方に向かっていく。
その先には理系コースしかない。
ころん
莉犬
3階という言葉に眩暈がした。
この荷物を持って3階まで上がれと?
何で職員室は一階なの?
何でエレベーターがないの?
フラフラになりながら、理系コースの校舎に入り階段を上っていく。
まだ2階にも到達してないのに、息が上がって足元がおぼつかなくなる。
それでも、何とか足を進めて生徒会室に向かう。
会談を必死で上っていると、頭上から声が聞こえた。
ころん
頭が回らない状態で顔をあげると、ちょうど2階と3階の間からさとみ君がひょっこり顔を出している。
何でこんな時にさとみ君が現れるのだろう。
タイミングが悪すぎて泣けてくる。荷物も重いし。
もちろん彼は僕ではなく莉犬に話しかけたのだ。
様子を窺うような、さとみ君らしくない態度は、僕が“今は手紙だけのやり取りで”と書いたせいだと思う。
どうしよう、どうしよう。
ああ、あの手紙をもらった日から“どうしよう”って毎日何かしら悩んでる気がする。
ああ、どうしよう。
さとみ君がぽろっとうっかり手紙のことを口にしてしまったらと考えると血の気が引いた。
とりあえずこの場をおさめないと、とちらっと莉犬の方に視線を向ける。
莉犬はさとみ君の方を見上げながら意味が分からなかったのか首を傾げていた。
さとみ
莉犬
さらりと返す受け答えに、胃がキリキリと痛み出す。
莉犬はそのまま階段を上り、彼の横を気にする様子もなく通り過ぎた。
さとみ君君はというと、唖然として突っ立ってる。
莉犬
ころん
ちらちらとさとみ君の視線を動かしつつも、莉犬の後を追いかける。
全くの他人のような莉犬の態度に、おそらく彼はすごくショックを受けている。
何とかして、彼が元気になってくれる返事を書かなくちゃ。と心にメモをする。
そして、もう一度“ごめんなさい”と心で土下座する。
莉犬は悪くないんです。
莉犬
ころん
生徒会室に行くまで何も言わなかった莉犬が、中に入り段ボールを机に置くと、ぼそりと呟いた。
疲れた手を閉じたり開いたりしながら振り返ると、
莉犬
と言った。
ころん
意味が分からなくて聞き返すと、気まずそうな顔で僕を見る。
莉犬がこんな顔するなんて珍しい。
莉犬
ころん
さとみ君の名前に思わず大きめの声で反応してしまったけど、すぐに意味を理解して、小さな声で「ああ」と返した。
ころん
あはは、と明るく言ったけど、莉犬は笑わない。
僕がさとみ君を好きだと思ってるから、さっきのさとみ君の態度を見て僕がどう思っただろうかと心配してくれたのだろう。
さとみ君の話をする機会がなくて何も言ってなかったけど、ここでちゃんと誤解を解いておかないと。
莉犬
ころん
笑いながら口にしたけど、どこか気持ち悪さを感じる。
ころん
それを悟られることがないように、明るく笑って見せた。
いつも、こういう風に、みんなの話に合わせて適当に笑ってる自分。
いま、言ってることは嘘じゃないのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう。
ころん
ころん
莉犬
ころん
チクチクチクチクと胸に小さな針が刺さる。
本当の事なのに、口にするたび胸がひりひりと痛む。
おかしいな。そんなはずないのに。
主
主
主
主
主
主