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#オリジナル
田中静人
223
イキリ火の玉
12
大学の帰り道、いつものようにイヤホンをして信号待ちをしていたら、小さな声が背後から聞こえたような気がした
?
彩花
振り返ると、そこにいたのは見覚えのある女の子だった
彩花
昔、近所でよく遊んでいた子
まだ幼稚園児だった頃、毎日のようにうちの庭に来ては「お姉ちゃん、おままごとしよう!」とせがんでいた
家族で遠くに引っ越したと聞いて、それからもう6年近く会っていなかったはずなのに
彩花
あかり
彩花
昔と変わらない、透き通った大きな瞳。少し伸びた前髪が風に揺れて、あの頃と変わらない幼い輪郭がそこにあった
あかり
彩花
彩花
あかり
あかり
小さな手が私の指をぎゅっと握る
その手は冷たくて、少し湿っていた
あかりちゃんの家はそこから歩いて5分もかからなかった
そこは高級住宅街の奥だったけれど
…………以前から「なんか変な家がある」と噂されていた一軒だった
彩花
あかり
門扉は錆びて重く、でもあかりちゃんが軽く押すと音もなく開いた
あかり
あかり
なぜか玄関を使わず、横の細い通路を抜けて裏へまわった
そこは予想以上に異様な空間だった
四方を3メートル以上あるコンクリートの壁で囲まれ、上部にはさらに鉄の網が張られている
網の隙間から空は見えるのに、まるで底の見えない井戸の底にいるような圧迫感
風も音も、すべてが遮断されている
彩花
あかり
あかり
彩花
違和感はあった
でも、あかりちゃんの無邪気な笑顔を見ていると、深く考えるのをやめてしまった
きっと、お父さんが過保護なんだろう
あかり
彩花
彩花
あかり
彩花
あかり
あかり
ペットちゃんだよ
彩花
あかり
少しだけ、背筋がぞくりとした
でも、子どもの遊びだものね、と無理やり笑顔を作った
彩花
彩花
そのとき
あかりちゃんが突然、甲高い声で叫んだ
あかり
あかり
庭の奥の、物置のような建物の扉が軋みながら開いた
出てきたのは――数人の中年男性たち
全員、40代後半から60代のホームレス風
汚れた作業着のような服、伸び放題の髭、そして異臭
体は完全に大人なのに、口を開いた瞬間、全員が同じ幼い声で笑った
童子たち
童子たち
彩花の全身が凍りついた
彩花
彩花
彩花
彩花
でもあかりは、にこにこしながら、全然別人の、中年女性のような声で
?
?
?
彩花
続く
コメント
3件
うわ……これ、やばいやつだ……(震え) 最初の懐かしい再会シーン、すごく優しい雰囲気だったのに、あかりちゃんの「ペットちゃんだよ」で一気に空気が変わったの、ゾッとした。それで終盤のあの光景——中年男性たちが全員幼い声で笑うって、想像しただけで鳥肌立つよ……。 彩花の「逃げて!」って叫びが切なくて、次が気になりすぎる。この不気味さの積み上げ方、めっちゃ好き🌙