この作品はいかがでしたか?
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美菜さんがニノって叫んだ瞬間
ニノはいつもと違う感じで、よぉって言った。
…なんかクール(笑)
智
智くんは私にそう言って、おそらくニノのための飲み物をオーダーした。
和也
智
和也
そう言えば…ニノの制服姿、初めて見た。
緩く付けられたネクタイに、腕捲りから見える色白だけど男らしい腕。
髪…フサフサしてる。
あ…ピアスもしてる…
和也
優
和也
智
和也
智くんは思い切りニノのフサフサの頭をバシッて叩いた。
…痛そう(笑)
智
優
美菜
美菜さんは、私たちがオーダーした飲み物を持ってきた。
智
和也
美菜
智
和也
智
和也
美菜
優
その瞬間
ニノは飲み物を飲まないで、勢いよくドアを開けて
出ていった。
美菜
智
美菜さんは、智くんの頭を思い切り叩いたあと
お店から出ていった。
優
智
智
優
智くんの大きな手に私の手を包みこんでくれて。
そしたら智くんは
智
って言った。
お店の中
暖かいけど
お店を出ると、ピューピュー吹いた風が一気に襲いかかってきて。
髪がぐしゃぐしゃになった。
美菜
お店の横で、美菜さんの涙声が聴こえた。
誰かと言い合いをしている感じのような。
和也
ニノ…?
バレないように覗いてみたら、ニノが美菜さんの腕を掴んでいて。
ニノの目は、今まで見たことない真剣な目をしていた。
美菜
和也
美菜
和也
美菜
そう言った瞬間、美菜さんが私たちの存在に気づいた。
美菜さんは罰が悪そうな、困った笑顔を見せた。
智
和也
そう言うとニノは、近くにあったバイクにエンジンをかけて
走っていった。
美菜さんは泣き崩れて、智くんはそれを見ていた。
優
智
優
智
智くんは私の手を強く引いて、真っ直ぐ歩き始めた。
泣き崩れた美菜さんが気になって後ろを向こうとするけど
智くんは見るなとでも言うかのように、はや歩きだった。
智
優
智
優
智
智
優
智
優
智
智くんは、さっきの美菜さんみたいに
困った笑顔を見せた。
智
智くんと繋いでる手がさっきよりも
強く握られた気がした。
優
智
優
智
…そっか
そうだよね。
ニノならなんとかできるもんね。
私が口だしできる立場じゃないもんね。
智
とびきり優しい笑顔で、智くんに優しいキスをされると
智
って
智くんは気まずそうに言った。
優
大丈夫…だよね。
ニノと美菜さんが
幸せな道を選びますように。
そう願いをこめて
智くんの手を力いっぱい握った。
智
優
自分でこういうこと言っといて、ものすごい恥ずかしい…///
思わず、顔を智くんと繋いでないほうの手で顔を隠す。
智
優
智
智
優
片手で隠してる手を少しずらして智くんを見る。
わわっ
お顔がリンゴさんみたい//
そんなのんきに智くんを見てると、私の視線に気づいたのか
智くんと目があった。
智
優
智くんに顔を隠してた手をあっけなく取られた。
…強い(涙)
智
優
智くんに後頭部に手を添えられた瞬間
一瞬のうちに視界が真っ暗になった。
…あれ?
智
智くんにキスされるかと思ったのに
私は智くんの胸板に顔がくっついている。
智くんの言うことが図星で思わずまた顔を両手で隠した。
智
優
…図星なんだもん//
智くんにキス…されると思って、ちょっと期待してたんだもん//
智
優
虫が大嫌いな私は、智くんがそれを言った瞬間
反射てきに上を向いた。
優
上を向いた瞬間、智くんの甘いキスがふってきた。
智くんは私の腰をギュッと抱きしめて
私もそれに応えるように、智くんの広い背中に両腕を回した。
優
智くんのキスは…
一度したら止まらない。
止まるのを待つまで、私はその大人なキスに頑張って応える。
智
どうやら、狼になっちゃったみたいです...
次の日の朝
いつも通りに学校に行ったら、校門に人がたくさん群がっていた。
何の騒ぎだと思い、恐る恐る近づいて行くと。
見覚えのある大きなバイクが目にはいった。
和也
たくさんの女の子の群れの間から、掻き分けて出てきたニノ。
優
和也
優
和也
なんてニノは言うけど
目は笑っていない。
哀しい色…
和也
優
和也
優
和也
優
ニノは私に謝り、大きなバイクに乗って。
走り去った。
あんなこと言われたら、何もできないなんて。
私は、納得できない。
周りの人の目なんて
気にしないで。
優
ってバイクの走るあとを追いかけた。
優
頑張って追いかけるけど、バイクはどんどん加速していくばかり。
絶対に声は
聞こえてたはずなのに…
そんなことを考えて走ってたら、バランスが崩れて派手に転んだ。
優
膝から血が出ていて
なんか情けなくなってきて、泣けてきた。
…私が泣くことじゃ
ないのに。
だけど
一度溢れた涙はなかなか止まらなくて。
溢れるばかりだった。
智
優
智
私の目の前に現れた
王子様。
…っ。
派手に転んだところ、見られちゃった。
本当に、情けない。
優
智
智くんは、小さい子どもを相手にしているみたいに。
私の頭をポンポンした。
優しくされると余計に涙がブワーって溢れてきた。
智
智くんは
今度は、私をギュッて優しく抱きしめてくれた。
あったかい…
優しいこの温もり。
優
智
優
智くんは
私を軽々に
お姫様抱っこをした。
優
智
優
智
優
智くんと付き合って
わかったことがある。
智くんって…
時々、Sになる。
今の黒髪の智くんに言われると、不思議な感じがするけど(笑)
智
優
智
優
智
ただみんなの前で
学園の王子様にお姫様抱っこされてるだけで、緊張でいっぱいなのに。
チューなんてしたら…
優
智
優
いつの間にか智くんに唇を奪われていて。
やっぱりSじゃなくて。
ドSだって
思った。
結局
じたばたしてもまた智くんはみんなの前でチューするって思ったから
何も抵抗しない。
智
優
智
優
智
智くんは私をお姫様抱っこしたまま、どんどん歩きだす。
そしたら目の前には
見たことのない、大きなバイクがあった。
…まさか。
優
智
優
なんかこのふにゃりした笑顔から想像つかない
大きくて真っ黒なバイク。
智
優
バイクって
怖い印象しかないよ…
落ちたら…
智
優
智
優
智くんに優しく、バイクに乗せてくれた。
そして可愛いピンクのヘルメットを被せてくれた。
智
優
智
智くんは真っ黒なヘルメットを被り、カッコいいサングラスをかけた。
…カッコいい//
別人みたい…
智
優
私は智くんのお腹を
ギュッとした。
恥ずかしいけど、強く抱きついた。
バイクに乗って、校門を出るときに。
たくさんの女の子の黄色い歓声がした。
智
優
智くんの腰に抱きつく手は、智くんがしっかりと握ってくれている。
時折、私の手をスリスリさせるから。
私は心臓がバクバクしていて、捕まる腕の力が緩みそうになる。
その度に、智くんはギュッて私の手をちゃんと捕まえていてくれている。
智
信号待ちのときに、聴こえてくる鼻歌。
それを聴く度に
顔がにやける。
透き通る歌声も時折聴こえてきて
なんだか…
幸せなキモチになれる。
コメント
1件
大野くんがかっこいい&かわいい ニノが……