TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

桑島慈悟郎

桃子!集中せんか!

染井桃子

は、はい!

師範達に内緒で昼夜問わず 稽古を続けていると、

昼間の稽古に 支障が出始めた。

目が霞んだり目眩がしたり。

食欲も少しづつ 減ってしまっていた。

我妻善逸

桃ちゃん…顔色が悪いよ

我妻善逸

何かあったの?

染井桃子

何もないよ、大丈夫

とうとう善逸に 心配までされてしまって。

私はその日の夜の鍛練は、

少し早めに 切り上げようと考えていた。

そして夜、事件は起こった。

染井桃子

シィィィィ

染井桃子

( 雷ノ呼吸、弐ノ型… )

普段なら気付くはずの 背後からの気配に、

私は気付かなかった。

「グォォッ!」

染井桃子

!?

鳴き声でやっと 気付いた頃にはもう遅く

振り向いた時には大きな熊が

鋭い爪を 振り上げていたところだった。

死ぬ─── そう思ったその時。

我妻善逸

雷の呼吸、壱ノ型

「霹靂一閃!」

霹靂の如く現れた誰かが、

私を抱いて一瞬で 走り抜いたのだ。

固く閉じていた目を開けると、 闇に輝く黄金色。

染井桃子

善逸っ…!

我妻善逸

ななな何なのこの熊なんなのよぉぉぉ!!

善逸は私を抱えたまま、

熊も追い付かないほどの速さで その場を走り去った。

そして、気付けば 屋敷の前に着いていた。

染井桃子

あ、ありがとうぜんい…

我妻善逸

何であんな山の近くにいたの!?しかもこんな夜に!危ないに決まってるでしょうが!!

染井桃子

ご、ごめん…鍛練したくて…

我妻善逸

鍛練んんん!?!?

我妻善逸

あーヤダヤダ!真面目過ぎるのもどうかと思うよ俺は!

我妻善逸

大体昼の稽古だけでもキツイのに夜までやったら体が壊れちゃうよ!夜は休むものなの!!!

お得意の早口で捲し立てる 善逸に呆気にとられる。

まったくその通りだ。

まさか善逸に説教される日が 来るなんて…。

叫び倒す善逸に 私は正座して聞くしかない。

染井桃子

ご、ごめん…善逸まで危ない目に合わせちゃって…

本当にごめんね、 と精一杯の謝罪をすると

説教の声がぴたりと止む。

顔を上げると、善逸は私と 目線を合わせるように座り込み、

私の手を取った。

骨張った手に包まれ、 緊張がほぐれる。

我妻善逸

桃ちゃんはいつも他人のことばっかり

我妻善逸

少しは自分を大切にしてよ…

自分の事のように悲しそうに、 目を潤ませる善逸。

染井桃子

…うん、ごめんね

私は謝ることしか 出来なくて、

今にも泣き出しそうな 善逸を抱き寄せた。

その後何事かと駆けつけた 師範に私はこっぴどく怒られ、

しばらくの間私が寝るまで 監視がつくのだった。

雷 撃 受 ケ つ 桃 ノ 花

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,053

コメント

5

ユーザー

ほんとうにてまり様が書くキャラってみんな口調とか似てて見てて楽しいです🥹💖 桃ちゃん体調大丈夫かな、、!!?

ユーザー

善 逸 の こ う い う偶 に 出 る 男 ら し さ 本 当 好 き 😖‪‪ 🫶🏻 💕︎ こ の 2 人 を 想 像 す る と 心 臓 止 ま ち ゃ う ((

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚