海瀬の葬式前夜。
明日から、警護のため、姐さんのいる隠れ家へと発つ私にとっては、この日が、海瀬との最後の別れだった。
上杉 玲
海瀬…よくやった。
上杉 玲
心配するな。我妻の首は、京極がとる。
上杉 玲
では兄貴たち、あとはよろしくお願います。
上杉 玲
私、上杉玲、姐さんをお守りする役目、しかとお受けいたしました!
高砂明夫
上杉ちゃん、頼んだわよ。
高砂明夫
姐さんに対して、あんな襲撃があったんだもの。女だからって、狙われないと思っちゃダメ。
六車謙信
海瀬には、明日、お前の分までしっかり別れを告げておく。
上杉 玲
ありがとうございます。兄貴たちも、くれぐれもお気をつけください。
次の日
上杉 玲
姐さん、こんな所に閉じ込めてしまって申し訳ありません。
上杉 玲
戦争が終わるまでの辛抱ですから…
五十嵐 梢
何言ってるの、玲ちゃん。
五十嵐 梢
あなたがいれば心強いわ。ありがとう。
五十嵐 梢
海瀬くんのお葬式、無事に終わったかしら…
その時だった
まだ葬式は続いている筈なのに、謙信と親っさんが、勢いよく隠れ家に飛び込んできた。
上杉 玲
謙信...いえ、兄貴!! 何でここに!?
上杉 玲
それに親っさん!!??
六車謙信
戒炎が葬式を襲撃した。
六車謙信
お前はとにかく、親っさんをかくまえ!!
上杉 玲
まて、ならば…
六車謙信
詳しい話は後だ。俺はすぐにでも行かなきゃならねぇ!!
上杉 玲
なっ…
花沢伊織
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通話
05:22
花沢伊織
上杉の姉貴!! 上杉の姉貴!!
上杉 玲
なにっ、どうした!
上杉 玲
葬式で何があったのだ!?
花沢伊織
か、戒炎が、葬式会場に乱入して!!
花沢伊織
守若の兄貴と、久我の兄貴がァッ!!!!
上杉 玲
まて、私も行く!
花沢伊織
ダメです!!!
花沢伊織
これは兄貴達の命令です!!!
花沢伊織
今、姉貴が持ち場を離れたら、親っさんたちの身が危険です!
花沢伊織
それに、一条の兄貴が戦えず、守若の兄貴と久我の兄貴もやられた今、
花沢伊織
これ以上負傷者を出してはいけません!!
花沢伊織
お願いします、どうかご理解ください。
上杉 玲
うむ…。
上杉 玲
力になれないのは歯がゆいことだが、お前たちの話にも一理あろう。
上杉 玲
わかった。皆に頼んだと伝えてくれ。
上杉 玲
親っさんと姐さんのことは任せておけ。
花沢伊織
よろしくお願いします!
葬式会場での惨劇からしばらくたったある日。
佐古大和
なんと、榊原は…末期ガンだそうです。
高砂明夫
なるほど、捨て身の攻撃ってわけね。
上杉 玲
ふぅむ…。だとすれば、奴の狙いは…
私は、舎弟たちに連絡をとる
上杉 玲
花沢、いいか。
上杉 玲
今日の通院だが、私の言う通りの道を通ってくれ
花沢伊織
ヘ? あっ、はい…。
上杉 玲
ありがとう。
上杉 玲
位置情報を送って。
花沢伊織
はい…。
花沢伊織
(なんでだろう…。まあ、いいか。)
花沢伊織
📍【位置情報を送信しました】
上杉 玲
いつもはそこから2つ目の信号を右に曲がるよね?
上杉 玲
きょうは次で曲がって、そのあとまっすぐ行って。
花沢伊織
はい、わかりました…。
上杉 玲
もう少しゆっくり歩いて。
花沢伊織
は、はい…。
上杉 玲
絶対に振り返るな!
花沢伊織
は、はいっ!
花沢伊織
(どういうことだ??)
上杉 玲
(よし、ちゃんと榊原もついて来てる。)
花沢伊織
着きました!
上杉 玲
お疲れ様。あとは終わったら、普通に帰っていいわよ。
上杉 玲
ただ昼のうちに、なるべく早くね。
花沢伊織
はい…。
花沢伊織
(何だったんだ!?)
上杉 玲
一条、佐古から話は聞いているな?
一条康明
はい。
上杉 玲
今夜だ。
上杉 玲
いつでも対処できるように、準備しておけ。
一条康明
姉貴、かしこまりました。
上杉 玲
これでおそらく、榊原は片付く。
上杉 玲
一条なら、あの容態でも失敗することはないだろう…。
上杉 玲
佐古、花沢、ありがとう。
佐古大和
姉貴、恐ろしい策略です!
花沢伊織
僕に送った指示…そういうことだったんッスね!
上杉 玲
浪岡、海瀬、大園のカシラ…。
上杉 玲
奴らの命を、無駄にはさせない…。
つづく







