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小噺

1 - 0、役者の本質

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2023年05月21日

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■■■

薄浅葱色の部屋にはヒトが立っていた。

それは確かにヒトで、 性別の垣根を越えた存在。 薄茶の髪に青い瞳。

それ以外は靄がかかったように 見ようとしても、認識できない。

そんなヒトは待ちくたびれたかのように名を呼ぶ。

■■■

管理人。

■■■

居るんでしょう?

■■■

…返事なさい。

■■■

…これ以上僕を待たせるつもり?

管理人

はいは~い
あたしだよ~

明らかに不機嫌そうな声を聞きつけ、どこからか黒髪の人物が現れる。

へらり、と笑いながら現れたのは女のヒト。

■■■

さ、自己紹介しなさい。

いまだに不機嫌そうな声で手短に命令する。

管理人

観客はいない中で?

■■■

観測者様がいらっしゃいます。

彼女はあぁ、と納得したような声を溢す。

スイッチを切り替えたように口調がガラリと変わる彼女を見て、少し呆れた風のヒトは困ったような顔をする。

管理人

承知致しました、■■■様。

管理人

観測者様がいらっしゃる限り、あたしも舞台に立つ役者の1人。
決して粗相は無いようにせねばならない。

管理人

管理人

…そうでしょう?

■■■

分かったならいい。

ぶっきらぼうに言ったヒトは思い出したように付け加える。

■■■

…そういえば、管理人以外にももう1人居るんでしょう?

管理人

管理人は少し、迷ったような素振りを見せた後、ゆっくりと首を縦に動かす。

管理人

…ええ、居ます。
ただ、貴方様の瞳に映らないだけでございます。

■■■

…そう。

■■■

なら、そのもう1人にも自己紹介するように伝言を。

管理人

…承知致しました。

管理人の返答を聞ききった後、■は霧に書き消されるようにして袖へと下がった。

管理人

…行かなくては。

彼女はそう呟いた。

所有者

■に似た外見のヒトはソレを視認し、眉を潜めた。

へらり、と笑い、■に視認されている存在。

どちらの性ともつかないヒトの目は鋭く、細められた。

所有者

…僕に何の用があるんだい?
君は、僕に近づこうとはしないでしょうに。

管理人

あぁ、それが■■■様からのご命令よ。

所有者

でしょうね。

そう言いきったヒトの目は既に管理人は映っておらず、観測者を見据えていた。

所有者

観測者様へご挨拶しろ、とでも言われたのでしょうか?

管理人

…まぁ、あながち間違ってないわ。

管理人

自己紹介をしろ、と仰せでした。

所有者

…わかりました。
舞台に立つからには僕も役者。
精一杯、演じきって見せましょう。

管理人

それはこちらの台詞でもありますよ、所有者。
…あの舞台は、台本があるけれど、この舞台には台本がありません。

少し、口ごもる風に彼女は言う。

所有者

ええ、故に僕らは…
自分を演じれるので御座いましょう?

続きの言葉は茶髪のヒトが引き取った。

管理人

彼女は眼を伏せ、静かに肯定した。

管理人

…えぇ。

所有者

ならば!

役者としてのスイッチが入ったであろう所有者、と呼ばれるヒトは声を張り上げる。

所有者

僕らは演じきるのみで御座いましょう!

恍惚とした表情から、鋭い目付きに一転してヒトは言う。

所有者

…観測者様方、どうぞお席を立たず、我々の舞台を見きってくださいませ。

所有者

それが我々の願いであります故。

管理人

語るヒトを見て彼女は口を三日月型に歪める。

さも愉快そうに。

ただし、目元には憂いをのせて。

管理人

所有者。

彼女は名前を呼びつつ、人差し指をくるくると回す。

ーすると、霧を纏う羊皮紙が現れた。

名前を呼ばれ、彼女の存在を忘れていたかのような顔でヒトは振り返る。

管理人

ほら、これあげますよ。

所有者

…気が利きますね。

彼女がぽい、と羊皮紙を投げる。

そうでしょう?と綺麗な笑顔を浮かべる彼女。

所有者

…いい加減、その棘のある笑みを辞めなさい。

ヒトは呆れたようにため息をつきながら言う。

管理人

では、あたしはここで失礼しますね。

そんな話は耳に入らないかのような顔で彼女は別れを告げる。

所有者

…あぁ、次は舞台で会えるようにしてくださいませ。

もう諦めたのか、所有者は挨拶を返す。

名前 管理人 役職 ■■ 性別 女 容姿 黒髪、黒目。身長は高めの模様。 職業 恐らく役者 備考 旧■■■。 正体 元現実世界の住人。    ■■とは違うから認識されている。    ゲキジョウを管理するのは彼女。

名前 所有者 役職 案内人 性別 ? 容姿 薄茶の髪、青目。体型も中性的。 職業 恐らく役者 備考 旧■■■。 正体 現実世界での■■の■■■だった。    ■■はこれを認識できていない。    ゲキジョウの持ち主はこれ。

名前 ■■■ 役職 ■■■ 性別 ? 容姿 薄茶の髪、青目。それ以外は認識できない。 職業 おそらく■■■■ 備考 ■■。 正体 現実世界では■■だった。    所有者は■■の■■■。■■。故に認識できない。    全てを、思いのままに。

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