及川side (夏祭り当日)
今から約1週間前の話
◯◯が久しぶりに話しかけてきて、一緒にお祭りに行こうと誘ってきた
毎日毎日部活漬けだし、気分転換にも良いかなって思って俺は◯◯の誘いをOKした
でも、このことは他の女の子たちには見つかったら絶対ダメ
毎年誘われてるのに、断ってたから
女の子って、ちょっとめんどくさいところあるし
もちろん、◯◯に飛び火が行っても嫌だから
母親に祭りに行ってくるって伝えたら、無理矢理気味に浴衣を着せられた
浴衣って動きにくいし、あんまり着たくなかったんだけど
せっかく買ったのに一回も着ないのはちょっと良くないと思ったから着てきた
及川 徹
待ち合わせの時間まで後2分くらい
目の前を通り過ぎて行く人をぼんやりと眺めてた
☆☆ ◯◯
目の前に来た人が、そう問いかけてきた
及川 徹
セミロングの髪の毛が一本に結ばれていて、自然なウェーブがかかってる
薄いオレンジ色の唇に、ほんのりピンク色の頬
とても綺麗な瞳
結び目にはピンクと白の綺麗な花たちがいくつか飾られてる
俺よりも"年上"にみえる綺麗な容姿と顔立ち
なぜか懐かしい感覚
心臓がうるさく脈打つ
沢山の情報が脳を駆け巡って、俺の動きが停止した
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
その声に、気がついた
何度も聞いてる、聞き馴染んだ声だ
及川 徹
俺の前に立つ女性の声は、◯◯と全く同じ、柔らかい声だった
間違えるわけない
5年間も一緒にいるんだから
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
思わず本音が飛び出してしまった
でも、信じ難い現実が目の前にあるから
及川 徹
俺は再確認するように、目の前の彼女に問いかける
☆☆ ◯◯
この口調も、声も、全部◯◯だ
それを理解した途端、いつもとは全く違う◯◯がとても可愛く思えて反射的に目を背けてしまった
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
先ほどから心の声が決壊したダムのように躊躇なく溢れ出す
普段から、女の子はみんな可愛いと思う
でも、今◯◯に感じている可愛いはなんでかいつものとは違った
なんだろう、この気持ち
手放したくない
☆☆ ◯◯
そう言った◯◯の声が少し裏返った
それに対して顔を真っ赤に染める◯◯
不覚にも、可愛いと思ってしまう
なんだか、調子が狂う
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
及川 徹
5年間一緒にいて、初めて聞いた俺に向けられた"かっこいい"の言葉
この言葉に、また、心臓がドクドクとうるさく鳴る
及川 徹
そんな心臓の音を紛らわせるように、俺は◯◯に話しかかる
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
その後は2人ではしゃいで笑ってお祭りを楽しんだ
まるで、中学の時に戻ったように、その時間は心が底から温まるような気持ちになった
それは、あまりにも懐かしく、俺の心の癒しとなった
一緒に来てよかったなって、そう思えた
1時間くらい屋台を回っていると、夏祭り定番のあのお店が目に入った
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
そう言いながら目を輝かせる彼女に自然と笑いが溢れる
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
そのまま俺はかき氷屋さんの方へ少し駆け足で行った
かき氷を買ってから◯◯が言っていた公園まで来た
そこにはベンチに腰掛けて、なんだか寂しそうな顔をする◯◯がいた
及川 徹
及川 徹
声をかけると、◯◯は顔を上げて笑顔を作った
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
それから俺たちはいつも通りの会話をしていた
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
そう言って俺はかき氷をすくって◯◯に向ける
☆☆ ◯◯
◯◯はすっとんきょうのような声を上げて動かなくなった
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
なるべく平常心を保って◯◯に問いかける
☆☆ ◯◯
◯◯は俺が差し出したかき氷をパクリと食べた
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
焦ってることがバレたくなくて、ヘラリと笑って誤魔化した
及川 徹
気づいたら、そう口にしていた
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
先ほどからやらかす自分に心の中で半分キレる
及川 徹
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
そう言って◯◯は俺にかき氷の容器ごと差し出してきた
及川 徹
そのままかき氷をすくって食べた
及川 徹
及川 徹
及川 徹
あの時に感じた感覚と少し似ている
甘酸っぱい気持ち
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
そう言って優しく笑う◯◯が、いつもと全く違くて
儚くて、切ないように見える横顔が俺の心臓をうるさくさせていく
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
ちょっと気になってたんだけど、今はすごく気になってしまう
成長するにつれて、関わりが少しずつ減ったのにも関わらず
わざわざ祭りという一大イベントに、俺を誘った意味
聞いたからどうなるってことはないけど
気になってしまったから
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
俺の目に映る◯◯はなんだか緊張しているような表情を浮かべていて
両手を胸辺りまで持ってきていてキュッと握っている
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
よく聞く、こう言う言葉
色んな女の子から何度も何度も聞いてきた、お決まり言葉みたいな
慣れているはずなのに、なんだか、異常なほどに鼓動が速くなる
今、◯◯に"告白"されるんじゃないかって、勝手にそう思った
その時だった
モブ女
少し離れたところから、女の子の高い声が聞こえてきた
及川 徹
☆☆ ◯◯
モブ女
そう言いながら駆け足で近寄ってきた女の子達に俺は一瞬で囲まれてしまった
モブ女
及川 徹
モブ女
モブ女
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
及川 徹
モブ女
モブ女
モブ女
及川 徹
モブ女
及川 徹
モブ女
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
できるだけ女の子達が傷つかない言葉を選んで言ったんだけど
女の子達の勢いは止むどころか増すばかり
モブ女
モブ女
☆☆ ◯◯
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
少しだけ自分の語尾が強くなる
だって、なんだか◯◯が非難されてる感じがして、すごく嫌だから
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
ずっと黙ってた◯◯が俺に話しかけてきた
でも、◯◯は下を向いてて表情は見えない
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
そう言って◯◯はベンチの上に置いていた薄ピンクの巾着を手に取った
及川 徹
及川 徹
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
☆☆ ◯◯
及川 徹
モブ女
モブ女
☆☆ ◯◯
及川 徹
☆☆ ◯◯
そう言って◯◯はダッシュして行ってしまった
及川 徹
◯◯を大きな声で呼んだけど、止まってはくれなかった
及川 徹
及川 徹
及川 徹
彼女が嘘をつく時
必ずと言って良いほど、両手を自分の後ろに隠す癖がある
その癖を俺は中学の時から知ってる
知っていたのに
及川 徹
俺、めちゃくちゃダサいし最低だ
◯◯にわざわざ気を使わせて
話してる途中だったのに
せっかくの楽しかった気分が夜の暗闇に呑まれて消えていく
しかも、◯◯のこと悪く言うこの子達となんて、いたくない
モブ女
モブ女
及川 徹
及川 徹
モブ女
モブ女
及川 徹
モブ女
及川 徹
モブ女
モブ女
及川 徹
全ての音が遠く聞こえる
今、どうすれば良いか必死なんだ
頼むから、キャーキャー騒がないで
これ以上、当たりたくないから…、やめてくれ
花巻 貴大
松川 一静
岩泉 一
花巻 貴大
松川 一静
花巻 貴大
花巻 貴大
松川 一静
花巻 貴大
松川 一静
岩泉 一
花巻 貴大
花巻 貴大
及川 徹
花巻 貴大
松川 一静
岩泉 一
ガシッ
及川 徹
急に誰かに腕を掴まれて、心臓が飛び跳ねた
及川 徹
岩泉 一
及川 徹
及川 徹
予想外の相棒の登場にさらに驚いた
見れば、マッキーやまっつんもいる
なんでこんなところに…
モブ女
モブ女
花巻 貴大
松川 一静
及川 徹
岩泉 一
モブ女
岩泉 一
モブ女
岩泉 一
岩泉 一
岩泉 一
モブ女
モブ女
モブ女
そう言って女の子たちはどこかへ行った
及川 徹
岩泉 一
松川 一静
花巻 貴大
及川 徹
及川 徹
岩泉 一
岩泉 一
岩泉 一
及川 徹
岩泉 一
及川 徹
岩泉 一
及川 徹
岩泉 一
岩泉 一
及川 徹
及川 徹
花巻 貴大
花巻 貴大
松川 一静
及川 徹
明日、どんな顔して◯◯に会えば良いんだろ
怒ってるかもしれない、悲しんでるかもしれない
合わせる顔なんて、あるのだろうか
せっかくのお祭りが台無しだ
及川side (現在・学校)
◯◯が泣いてたって九条さんが言ってた
俺は今まで◯◯の泣いたところを見たことがない
愛情深い子だから、中学の卒業式にもしかしたら泣いてたかもしれないけど、知らない
滅多に涙を見せないんだ
その◯◯が、もしかしたら俺が原因で泣いてるかもしれない
ちゃんと、ごめんって言わなきゃ
それで、もし許してくれたら
今日、もう一度◯◯を祭りに誘おう
そして、気づいたこの気持ちを、◯◯にちゃんと伝えよう
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
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