あまてらスカッと！

俺は優希

いたって平凡な中学2年生だ。 ただ…

実は俺は同性愛者なんだ。

分かりやすく言うと 男だけど男に恋をするってこと。

菜月は俺の幼なじみで

この学校で唯一

俺が同性愛者だということを知っている。

菜月が背中を押してくれたおかげで

俺は両親に同性愛者であることを話すことができた。

今では両親も理解してくれている。

菜月は俺のかけがえのない親友だ。

俺の担任の田沼先生は、 保健の授業を担当している。

何より担任だし

保健ならLGBTとかのことも理解してるだろう、と思って

ずっと相談してみようかなぁ と思っていた。

放課後✩

この時、俺はまだよく知らなかった。

田沼という教師の本性を…

先生は黒板に文字を書き始めた。

俺はただ、俯くことしかできなかった。

泣いたらバレてしまうから

泣きたくても泣けなかった。

でも、これだけでは終わらなかった。

ある日のSHR

そういうと先生は 左手の薬指にはめられてある

銀色の指輪を みんなに見せた。

場が一気に凍りつく。

菜月がキッと先生を睨みつけた。

みんなも、この事態に 困惑しているのか

あれだけ騒いでいたのに 今は黙り込んでしまった。

確かに、世の中では 先生のような人が普通なのかもしれないけど

なんでこんな仕打ちを受けなきゃいけないんだろう…

俺だって好きで同性愛者になったわけじゃないのに…

田沼先生は少し黙り込んだ後、

校長先生は左手の手の甲を 田沼先生に見せた。

薬指には指輪がはめられている。

先生はいきなり俺の胸ぐらを掴んできた。

校長先生が田沼の肩に手を置く。

先生は小声で話してたつもりだったのだろうけど

全部丸聞こえだったようだ。

その一言に、 なんだか救われたような気持ちになって

気付いたら俺は号泣していた。

大勢のクラスメイトが 心配そうに駆け寄ってきた。

結局その日の田沼の授業は 自習になった。

今、俺は平和な学校生活を送っている。

世の中にはいろんな人がいる。

同性愛を受け入れられない人と この先何度も出会うかもしれない。

でもその人たちが全員 悪い人という訳では無いのだろう。

田沼先生のように、 人を傷つける気持ちがなければ。

俺は校長先生の言葉を 一生忘れないだろう。

自分の心に正直に生きていきたい。

そのままの自分を認めてくれる 人たちがいるから。