あ
蒼君
あの女の子
誰?
芽瑠
蒼
芽瑠
芽瑠
蒼
蒼
蒼
そう言って、 蒼君は
私の頭をわしゃわしゃと撫でる
くしゃっと破顔した柔らかい表情に 思わず俯いてしまう
芽瑠
芽瑠
蒼
蒼
蒼
芽瑠
私がそう声を出したら
蒼君は、またふわっと笑った
芽瑠
芽瑠
蒼
次はちょっと呆れたように笑った
芽瑠
大袈裟に怒るふりをすると
ぷに、と
私のほっぺをつついた
蒼
蒼
蒼
そう言って
スマホのアルバムを開く
手、大きいな
蒼
蒼
蒼
…!?
芽瑠
芽瑠
小さくて白い肌
ぱっちり二重の大きい目
桜色の頬
綺麗な唇
こんな人、現実にいるんだ
そう思ってしまうくらい、 綺麗で可愛い人だった
蒼
蒼君はまた、ニカっと笑った。
芽瑠
蒼
芽瑠
芽瑠
蒼
蒼君にしては珍しい
満更でもなさそうな顔を見せた
蒼
蒼
蒼
あ…
そっ…か
…なんか
嫌だ
蒼
芽瑠
芽瑠
私は何かが書いてあるカードを指さした
蒼
蒼
芽瑠
…こういう漢字書くんだ
芽瑠
芽瑠
蒼
芽瑠
蒼
蒼
蒼
それは、まるで
無意識ともいえるような表情で
発された
蒼
そして我に返り
思っていたことが思わず口に出てしまったかのような表情になった
蒼
…違うんでしょ、私と愛瑠さんとのは
どうせ言うなら
恋愛感情の方で言ってよ…
思わせぶりなこと言わないで…
芽瑠
芽瑠
そうして私は彼の返事も待たず
自室へ駆け込んでしまった
ごめんね、逃げちゃって
でも 今はどうしても
一緒にはいられない
そういうことだったんだ
蒼君は
私と愛瑠さんの名前が同じだから
特別に仲良くてしてくれてた
そもそも私たちは
5歳も歳が離れてて
小さい頃から お母さん同士の仲が良かったから
私たちも自然と仲が良くなっていった
それから 蒼君には
お兄ちゃんみたいに
たくさんお世話してもらった
優しくて かっこいい蒼君を
好きになっていった
今まで ずっと一緒だったから
勝手に私は
蒼君と想いが通じる、通じていると思っていた
だけどそれは表だけだった
私と蒼君の気持ちは ほんの少し
すれ違いが生じていた
結ばれる、なんて 甘えた考えは
今考えればもちろん、的外れで
私は蒼君に好きな子ができることを望んでいた…けど
いざ向こうの気持ちが分かると
それはそれでしょげるとか
…ほんと、私って我儘
こんな私には
一筋でも涙を流す価値は無いな
本当は
泣き叫びたい程辛いけど
芽瑠
過去形にするのは
まだ早いかな
コメント
2件
おお!凄い!