一富士二鷹三茄子、とはよく言ったもので
俺は割とそういう類のものを信じるタイプ
だからなのかなんなのかは分からんが
初夢にあの彼女が出てくるのは複雑でしかない
12月30日昼休み
俺はある女から告白を受けた
水帆
蒼介
告白そのものに驚いたと言うよりは
クラスでもモッテモテの美少女が
同じ委員ということ以外に接点もない俺のことを好きだと言うのに驚いた
水帆
水帆
蒼介
なんて言えばいいのか分からないこの絶妙な気まずい空間を今でも俺は忘れない
12月30日放課後
思い出したように清掃中の彼女が言った
水帆
水帆
蒼介
フツーに周りの生徒がいる中気にもせず声にした彼女に皆が振り返る
ザワザワと騒ぎ出すクラスメイトたちを見たあと俺はチラリと彼女を見た
目が合うと彼女はニコリと微笑んだ
水帆
蒼介
蒼介
そう考えながら眠りについた俺は
翌日熱を出した
蒼介
そして連絡先も知らない俺はそのまま年を越してしまった
翌日、彼女はそこにはいなかった
友達に尋ねると、やつはこう言った
『知らなかったのか?』
『雨原水帆は転校した』
俺は初めドッキリだと思った
だってフツー年明け引っ越しましたとかあり得るか?
だけどよくよく聞いてみると本当は決まってた引っ越しに反対して
年末まで近くのおばあちゃん家からここに通っていたらしい
蒼介
約束破ってその理由も返事も言えないままだったからか
それとも理屈では形容し難い感情のせいか
俺は駆け出した
そして俺はベストタイミングだったのか、正門前を通る彼女を見つけた
目が合った気がした彼女はそのまま歩いていく
蒼介
俺は思わず叫んだ
そして走った
水帆
平静を装った私の声が震える
彼が門に手を置きガシャンと音がする
水帆
蒼介くんは私に好かれようとするためじゃなく
純粋な優しさを皆にくれた
私はそんな蒼介くんが━━━
水帆
蒼介
蒼介くんは私をまっすぐ見つめていた
蒼介
水帆
精いっぱい強がった私に蒼介くんは叫ぶ
蒼介
水帆
呆気に取られた私は彼をじっと見つめる
蒼介
蒼介
蒼介
水帆
一瞬なんの話か分からなくなった私は聞き返す
蒼介
蒼介
蒼介
蒼介
蒼介
蒼介
水帆
水帆
やっと理解した私は彼にいつものように微笑んだ
水帆
蒼介
蒼介
水帆
水帆
ちゃんと目を合わせた私は彼に言った
水帆
水帆
蒼介
水帆
水帆
蒼介
その瞬間彼は門を飛び越えて私に抱きついた
蒼介
水帆
そう言いながらも私の心臓はドクドクとテンポアップする
蒼介
彼なりのジョークだろうけど、とっても嬉しかった
水帆
水帆
教師のような口調を真似て言った私を見て蒼介くんは同じようにまた門を越えた
水帆
あははと笑った私は彼を見てあるものを取り出した
水帆
蒼介
水帆
蒼介
水帆
水帆
水帆
水帆
そうして私は彼に手を振ったのだった
コメント
8件
きゃーーー青春だーー好きだーーーー!!!! 転校前に好きって言いたかったんだね…切ない…ままじゃないのが推せる!!!! 初夢が二人の思いを繋いでくれたんだね、なんて素敵な話だ…✨ 遠距離ではあるけど…二人が幸せでありますように!!
まず初めに……。私のストーリー読んで!?ほんと!?まじ!?((深呼吸中〜 今年中に、って言ってたから何かあるんだな〜って思ってはいたけど、まさか転校しちゃうからだったなんて……😭 でも、最終的には両想いになれて良かった……!!遠距離恋愛は大変で辛いかもしれないけど2人なら乗り越えられそうな気がする😇😇
わぁぁぁぁ!!やっぱりしふぉん。様のストーリーは素敵です!お友達の葵さんのストーリーもきっと面白いと思うので読んできます!