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虹色の病床

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虹色の病床

2 - 【第1話】さよならの朝、はじまりの朝 #1

♥

782

2025年02月28日

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おもち

みなさまどうも

おもち

おもちです。

おもち

いよいよ第1章スタートです!

おもち

今回は🎲の様子をご覧いただきましょう。

おもち

それではどうぞ

【第1話】 さよならの朝、はじまりの朝 #1

Date:3/25(月) Time:5:12 Place:イレギュラーダイス クリニック 病室

- バサッ - (起き上がる音)

liura

……っ、ひっ……!

何かが崩れる音と、小さな息遣い。

liura

……ぅ……ひぐっ……

月明かりに照らされたベッドの端で、りうらが震えていた。 額には汗が滲み、肩が小刻みに揺れる。

liura

(こわい…こわいよ…)

liura

(くるしい…)

小さな体がベッドを抜け出し、廊下へと向かう。 足音は軽い、けれど不安げに揺れる影が夜の空気を漂わせる。 ドア越しに、苦しげな声が聞こえる。

liura

(ないちゃっ…たすけ…てっ…)

その小さな異変は、静寂に沈む夜の病室に、微かな波紋をもたらした。 それは誰の耳にも届かぬほどかすかな音だったが、ひとつの心を締めつけるには十分だった。

- バサーーッ - (布団をかぶる音)

sho

またや…

布団の中で、寝ぼけたまま呟く。

sho

(また、守れへんかった…)

sho

(りうちゃん、大丈夫かな……)

そう思っても、しょうの体は動かない。 自分が動いたところで、今はもうどうにもならないことを知っている。 しょうは目を閉じたまま、静かに耳を澄ませた。

Time:05:16 Place:ないこの部屋 Side:ないこ

- ヒック… ウグッ -

いつもの___

いつもの、しゃくりあげるような小さな泣き声。

liura

……っ!ぅ……ひぐっ……

夜の静寂を切り裂くかのように、か細い声が響く。

liura

……っ、ないっ……ないちゃぁんっ……!

NAIKO

……りうらっ?!

- バタンッ - (ドアが開く)

小さな影が、震える体を引きずるようにして部屋に飛び込んできた。

liura

……こわ、い……こわいの……っ

ガタガタと震える肩。ぎゅっと握りしめた小さな拳。

りうらが悪夢で目覚め、俺の部屋に逃げ込んでくる。 この光景は、もう何度目だろう。 最初の頃は、俺もどうしてあげるのが一番いいのかわからなかった。 でも、こうして何度も繰り返すうちに、りうらが何を求めているのか、少しずつわかるようになった。

NAIKO

こわいの、みたの?

liura

んっ…んんっ…

りうらはこくんと頷くけど、しゃくりあげて言葉にならない。 ヒック… ヒック…と断続的に漏れる嗚咽。 俺はそっと手を伸ばし、りうらの小さな手を包み込んだ。

NAIKO

大丈夫。ここにいるよ。

- サーッ - (りうらの頭を撫でる)

トクントクンと暴れるりうらの心音が、少しずつ落ち着いていく。

NAIKO

ほら、涙拭こっか

liura

んん…

NAIKO

まだ5時だからもうちょっと寝ようか

NAIKO

眠れそう?

liura

……

liura

…ここにいても…いい?

NAIKO

いいよ

ホッ…と微かに息を吐き、りうらの緊張が少し緩んだ気がした。

NAIKO

一緒に寝よっか

NAIKO

ほらおいで?

liura

んふふっ

ご機嫌だな〜笑 嗚咽もなくなってきたし寝れそうだな

liura

ねーないちゃん?

NAIKO

ん?

liura

りうら…こわいから……

liura

ぎゅーして?

一瞬、胸がぎゅっとなる。 こんなふうに頼られるのは、正直に言うと、嬉しい。 俺じゃないとダメって言われているみたいで、少し誇らしくなる。 でも、それ以上に—— りうらはどれだけ怖かったんだろう。 さっきまで震えていた肩、掠れた声、涙で濡れた頬。 どれをとっても、りうらがどれだけ心細かったのかが伝わってくる。 「ぎゅーして?」 その一言に詰まっていたのは、甘えでも、わがままでもなく、切実な安心の要求だったんだと思う。

NAIKO

笑いいよ

ぎゅーーーっ!

NAIKO

だいじょうぶ だいじょうぶ

少し落ち着いたとはいえ、まだ不安が残っているのか、りうらは俺の服の裾をぎゅっと掴んでいる。 俺はそっと腕を回し、りうらを抱き寄せた。 その瞬間、さっきまで強張っていた身体の力がふっと抜けたのがわかる。 りうらの小さな指が、ぎゅっと俺のシャツを掴む。 安心したのか、かすかに鼻をすする音が聞こえた。 りうらは、顔をぐっと埋め、ぎゅっと力を込めて抱きしめ返す。 その小さな手に込められた安心と信頼が、無言で伝わってきた。

NAIKO

もう怖くないよ。

俺の言葉に、りうらの目がゆっくりと閉じられ、穏やかな表情が浮かぶ。 りうらは今、大丈夫だと、心から感じられている。

NAIKO

りうらがいるとあったかいな〜

liura

ふふふっ笑

Time:06:25 Place:事務室

今日は移動の日。 新しい病院__『ひかりの森 総合医療センター』へと移る日である。 運びきれないほどの荷物があったため、事前にある程度は運び出していた。 そのため、部屋の中はがらんとしている。 そんな空間に、大人の姿が三人あった。

NAIKO

……さて、と。今日の流れの最終確認しとくか!

IF

昨日もしたやんw

YUSUKE

荷物は昨日のうちに全部運んだから、もうほとんど残ってへんな

NAIKO

えーと、まず9時にいむしょー学校。
修了式だから10時過ぎに帰ってくる。

NAIKO

それまでに業者来るから要らない荷物運んでもらって…

NAIKO

新しい病院行きのトラックが来たらここのダンボール運んでもらう…。

NAIKO

それまでに俺たちで最終荷詰めをする。

NAIKO

10時過ぎにここ出て、1時くらいに病院到着。

NAIKO

向こう着いてからの予定は車ん中で話すわ。

NAIKO

以上。質問ある?

IF

なあ、朝飯ないんやばくね?

NAIKO

そう、だから今から近くのコンビニ行こうと思ってる。

YUSUKE

あー、俺行くで

YUSUKE

ないこ、部屋にりうらおるやろ?

NAIKO

うん

IF

あ、りうら今日も発作?

NAIKO

そそ、起きちゃって

YUSUKE

ここで作業するんやったら連れてきといた方がええんちゃう?

YUSUKE

起きて一人やったらまた発作起こすかもやし

NAIKO

そうだね

しばらくすると、りうらを抱えてないこが戻ってきた。

NAIKO

あ、ソファももう持っていっちゃったか

IF

毛布敷こか?

YUSUKE

せやな

分厚い毛布の上にりうらが寝かされた。

NAIKO

じゃあコンビニお願いしていい?

YUSUKE

ええよ。じゃあ行ってくるわ。

NAIKO

いってらっしゃい

IF

ここに残ってる物、ないことダンボールに詰めとくわ

YUSUKE

うんそうして笑
多すぎて10時までに終わるかどうかわからへんわw

NAIKO

まじで大変w

IF

気ぃつけてな

ないこは小さく笑いながら、カーテンを開けた。忙しい1日が始まる。

Time:07:02 Place:病室 Side:ほとけ

IF

ほとけー、しょー、朝やで

hotoke

…んん……

sho

まだ眠い……

IF

今日移動の日やで、覚えてる?

IF

はよ朝ごはん食べて、準備すんで

sho

……朝ごはん何〜?

IF

えー、さっきアニキがコンビニ行ったけどまだ戻ってきてないから分からへんわ

sho

んー(伸びする)

IF

寝れた?気分どう?

sho

んー、多分大丈夫…

sho

あ…一回起きたかもしれへん

sho

夢かなぁ…

sho

あんま覚えてへんわ

IF

そうか

IF

(アニキに言っといた方がええな)

IF

顔洗ってきー

sho

うん

IF

ほら、ほとけも起きーや

IF

しんどいん?

hotoke

……んぅ

hotoke

あと5分…
(頭まで布団かぶる)

……あれっ? なんでさっきからりうちゃんの名前呼ばないんだろう……

- バサッ - (布団から頭出す)

hotoke

ねぇ…りうちゃんはー?

sho

あ、思い出した!

sho

りうちゃんの発作で目覚めたんや!

えっ!?

IF

(しょう、それで起きたんか…)

hotoke

えっ…、りうちゃん大丈夫なの…?

IF

ああ、今はないこが側におるから大丈夫やで。

hotoke

そっか…

sho

よかった…

IF

(やっぱり二人ともりうらのこと心配なんやな…)

hotoke

ちょっと…

hotoke

りうちゃん見に行く…

sho

俺も

IF

りうら今寝とるけどな

hotoke

あ…そうなんだ

IF

それよりほとけは?

IF

気分どうなん?

hotoke

だいじょう…ぶ…だよ
(ベッドから降りる)

あれ… なんか、ふわふわする… 足がおもたい…

IF

(大丈夫ちゃうやん笑)

IF

(やっぱしんどいんかなぁ)

IF

学校行ける?

hotoke

うん行く。最後だし

IF

しょーは?

sho

いむくんが行くんやったら俺も行く

IF

そうか。じゃあご飯食べよかー

Time:07:10 Place:廊下

ほとけがスリッパを履く音。 廊下に目を向ける。 りうらが寝ている部屋のドアを、少しだけ気にしながら歩き出す。

hotoke

……今日で、ここも最後か

sho

せやね

sho

もう戻ってこられへん…

IF

心配いらんで

IF

次の病院でも、みんな一緒やし。

hotoke & sho

……うん

ほんの少しの寂しさと、新しい場所への期待。 それぞれの気持ちを抱えながら、3人は朝食へ向かった。

おもち

いかがでしたか?

おもち

感想などコメント欄にくれると飛んで喜びます!

おもち

さて

おもち

次回は🌟の様子を覗いてみましょう👀

次回 【第1話】 さよならの朝、はじまりの朝 #2

おもち

乞うご期待!

この作品はいかがでしたか?

782

コメント

12

ユーザー

赤さんと桃さんの ぎゅーってするシーンが かわいかったです!! 続き楽しみです☺️

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