テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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YOLO!!

第14話 - 真情

248

2025年03月05日

#冬彰

#司類

#田舎

#都会

あかまる🍓🐾໊

冬弥の家

彰人

……どうすりゃいいと思う？

冬弥

…先輩達のことか。

彰人

そう。もう3日も経つじゃん。

彰人

オレは司センパイの気持ちも聞いてたから…類センパイの上京にはビックリした。

彰人

てっきり、2人はここから離れないんだって思ってたからな。

冬弥

俺も…驚いた。

冬弥

でも、思えば類先輩は…ずっと、上京するつもりだったんだと思う。

彰人

そんな節あったか？

冬弥

都会に対する興味関心…とか。

彰人

あぁ、それは…たしかに。

冬弥

きっと、司先輩も気付いていたはずだ。俺が気付いて、あの人が気付かないはずない。

彰人

まぁなぁ…

彰人

類センパイがどうするかは本人次第なんだけど…それでも、ちょっと司センパイが可哀想…というか、

冬弥

…難しいな。

冬弥

どちらの気持ちも分かるからこそ…なんとも言えない。

彰人

だよなぁ…

彰人

……類センパイが上京するまで、ずっとあんな感じになんのかな、

冬弥

それは…

冬弥

……分からない。先輩方次第だからな。

彰人

…オレらに出来ることって、なんか無いかな。

彰人

下手に関わって悪化すんのも嫌だし…かと言って、放っておくのも違うだろ。

冬弥

そうだな…

冬弥

俺は……信じていいと思う。

彰人

信じる？

冬弥

あぁ。あの2人ならきっと大丈夫…そう信じて待つだけで、いいと思うんだ。

冬弥

この件は先輩方の問題であって、俺たちがどうこうできる事じゃない。

冬弥

だから…俺は、2人のことを信じようと思う。

彰人

…

彰人

たしかに…そうだな。流石は幼なじみ。

彰人

「信じる」って発想、オレには無かったわ。

彰人

どうすればいいかとか、何とかしなきゃとか…そんなんしか頭になかったからさ。

冬弥

彰人は優しいな。

彰人

ただのお節介だろ。

冬弥

そんな事ない。人のために、そんな風に考えられるのは優しいと思う。

彰人

オレはお前の「信じる」って方が優しいと思うけどな。

彰人

人の事を信じるのって、結構難しいし勇気いるじゃん。

冬弥

…そうだな。

冬弥

それが優しいかどうかは分からないが…

彰人

まぁ、オレはお前に賛成だよ。

彰人

オレも、信じて待とうと思う。

冬弥

…あぁ、そうしよう。

司の部屋

司

(学校…そろそろ行かんばなぁ…3日も休んどるけん、)

司

(ばってん…行きとう無いなぁ…)

司

(今…類と顔合わせられん…)

「…ねぇ、僕ら2人なら何でん出来るって、思う？」

司

オレたちが…

司

1人じゃ無理でん、2人なら…

司

(いかん…もう、オレは…1人や…)

司

(2人じゃなか…これから、1人になる…)

司

嫌やなあ……

「お兄ちゃん、」

司

…咲希か。

「あんね…まだ、具合悪か？」

司

…

「今ね、類さんが…」

司

？！

司

すまんが、まだ具合が悪か！移すといかんけん、帰らせてくれ！

「でも…」

「じゃあ、ここからでよかばい。」

司

！！

司

(類…)

「司くん…隠しとったわけやなかと。」

「いいや、これも言い訳か…」

「とにかく…君に黙って上京しようとは思うとらんかったばい。」

司

(分かっとる…)

「君も分かっとるやろう言うのは、知っとる。」

「君が僕と顔ば合わせたくなか事も分かる。」

「ばってん僕、こんままは嫌やなぁ…」

司

(そんなん、オレだって嫌や…)

「やけん、入るね。」

司

はっ？

類

…君に会えんのは、思いん外寂しかったったい。

司

なっ、普通入るか？！

類

どうせ開けてくれんやろう？

司

それにしたっちゃやろう！！

司

類はいつもそうや、自分勝手や…

類

酷かねぇ

司

お前に振り回さるるんは、もうごめんばい…

類

…

類

僕んこと嫌い？

司

そぎゃんわけなかろう！！好きに決まっとる！

類

知っとるよ。僕も君んこと好きやけん。

司

…

司

……行って欲しゅうなか…

類

…

司

類に会えんくなるんは嫌や…行かんで欲しい…

類

…うん、

司

勝手に見てしもうてほんなこつすまん…

類

そら僕も悪かばい。

司

話してくれんかったんが…嫌やった…

類

…うん、

司

ばってんな…類が優しかけん、言えんかったんも分かっとるったい。

類

…うん。

司

関係なかって言われて…腹が立ったんや、

類

そら…ごめんね、

司

でもやっぱり…類ん夢ば素直に応援してあげられん自分が、1番嫌やったんや。

類

…君は優しかもんね。

司

優しゅうなんかなか。最低ばい。

司

……やっぱり、行って欲しゅうなか…

類

…

類

僕ね…ずっと考えとったんや。自分の夢も叶えられて、司くんとも一緒におれる方法。

類

ばってん…中々思い付かんでねぇ…

司

…

類

やけん、一緒に考えよう。

司

！

類

僕、まだどっちも諦めたくなか。

司

(オレは、初めから諦めてしもうたんに…類は、諦めんでいてくれたんか、)

司

…すまんかった、類。

司

オレは…初めから諦めてしもうとった。

類

僕も何度か諦めたばい。

類

ばってん君が、1人じゃ無理でん2人なら大丈夫やって言うたけん。

類

なら大丈夫ばい。諦める理由はなか。

司

類…

司

…あぁ、大丈夫や！絶対に、2人なら大丈夫ばい！

司

…色々言うてしもうて、すまんかった。

類

僕ん方こそ、ごめん。もっとちゃんと話すべきやった。

司

そうやな。これからはちゃんと話してくれ。

司

どぎゃん内容でん、必ず受け止めるけん。

類

ふふっ、うん。そうやね。

翌日

彰人

眠ぃ〜

冬弥

あ、そういえば彰人…英語の課題はやったか？

彰人

は、英語の課題…？

冬弥

昨日言うのを忘れていた。

彰人

え、あったっけ……？

冬弥

恐らく。

彰人

うわっ、マジかよ！やってねぇ…！

彰人

いや、5限目だし全然間に合うな。冬弥、昼休み…

冬弥

写させはしないが、教えることなら出来るぞ。

彰人

げ……

冬弥

頑張ろう、彰人。

彰人

分かったよ……頼む、教えてくれ。

冬弥

ああ。

司

2人ともおはよう！

彰人

！？

類

おはよう。なんか久しぶりやなあ

冬弥

せ、先輩…？！お、おはようございます！

司

…2人とも、心配かけてすまんかったな。

彰人

い、いえ…！もう、大丈夫なんですか？

類

まだ色々あるけど…もう喧嘩はしとらんばい。

司

あんな喧嘩はもう二度とごめんやな。

類

そうやなあ。

冬弥

…仲直り出来たなら、良かったです。

類

うん。心配かけてごめんね。

彰人

あの……結局、上京は…？

類

する予定ばい。

彰人

(という事は…2人は、)

司

ばってん、オレも上京しようかて思うてな。

彰人

？！

冬弥

つ、司先輩が？！

司

まだ本格的には考えれて無かがな。

司

類と一緒におるためにも、咲希が上京しやすくなるためにも…オレが腹括らんばな。

彰人

…そうですか、

彰人

(一緒にいるために、か…)

彰人

(冬弥は…この先、どうするんだろ。)

昼休み

彰人

比較級ってなんだっけ？

冬弥

それは中学生の範囲だぞ…

彰人

2年も前のことなんか覚えてねーよ

彰人

えーっと？more…interesting…

冬弥

そこには接続詞が入る。

彰人

…ofとか？

冬弥

thanだ…

彰人

マジかよ。全くもって記憶にない

冬弥

ちなみにofは前置詞だぞ。

彰人

え、何一つ合ってねぇじゃん

冬弥

少し危機感を持って欲しい、

彰人

英語とか知らねぇよ…オレは純日本人だっての、

冬弥

昼休みが終わってしまうぞ。

彰人

分かってるって。えっと、ここにthanだよな。

彰人

野球は…サッカーより面白い、で合ってる？

冬弥

あぁ、訳は完璧だな。

彰人

オレ野球よりサッカー派だわ。冬弥は？

冬弥

どちらも不得意だな…

彰人

マジ？球技苦手？

冬弥

ああ。恐らくボールに嫌われている。

彰人

ボールに自我あんのかよw

彰人

……冬弥は、もう将来の事とか決めてんの？

冬弥

！

彰人

まだ2年になったばっかだけどさ、1年なんかすぐじゃん。

彰人

センパイ達の件もあったし、オレも考えなきゃな〜って。

冬弥

将来、か…

冬弥

すごいな、彰人も…もう、未来を見据えようとしているのか。

彰人

見据えるって程じゃねぇよ。ぼんやりとだし。

彰人

冬弥はやりたいこととかあんの？

冬弥

俺は…

冬弥

先のことを考えられる程の…余裕が、まだ無い、

彰人

…ふぅん？

冬弥

彰人は…あるのか？やりたいこと。

彰人

いいや、オレもまだ。せめて進学か就職くらいは決めたいけど、多分進学だな。

冬弥

そうか…

冬弥

(類先輩はずっと…方言のことと、司先輩のことで…悩んでいた、)

冬弥

(司先輩は、咲希さんの上京と…類先輩の上京に、悩んでいた、)

冬弥

(だけどそれも…もう、ほとんど解決したと言っていいだろう…)

冬弥

(先輩達はもう、前を見て…先へ進むためのことを考えている。そしてそれは、彰人も…)

冬弥

(なのに…俺はどうだ？あの頃から…全く、進めないまま、)

冬弥

(一瞬…あの時彰人に救われた気がしたが、それでも…まだ、本当の事は話せていない。)

冬弥

(いや…やっぱり、話す必要なんて無いのかもしれない、)

冬弥

(話さなければきっと、変わらない。……でも、)

彰人

んー…これがhighest？綴り合ってる？

冬弥

あぁ…合ってると思う。

冬弥

(今はもう少し…このままで、)

YOLO!!

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ここでも2つの想いを共存できる方法を考える神代類好きすぎた🤦🤦

あかまる🍓🐾໊

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