恋をすると世界が変わる
そんな言葉を聞いたことがある
確かに恋愛がうまくいっていると
それだけで幸せな気持ちになったり
世界がキラキラして見えたりもする
逆に恋愛がうまくいかないと
どん底に落ちて無気力になり
時には周りを巻き込んでしまうこともあるのだ
後輩の真山ミカもその一人
ミカ
アラ子
ミカ
ミカは自分の話をするのが好きだった
ミカに限らず自分のことを話したがる人は結構いるが
ミカはとにかく自分の話ばかりで
他人の話には全く興味のない女だった
アラ子
ミカ
アラ子
アラ子
ミカ
アラ子
ミカ
ミカ
私の悩みはスルーされ
私の心にはモヤモヤした気持ちが残る
アラ子
ミカ
アラ子
ミカ
はじめから私の話なんてなかったみたいだ
モヤモヤした気持ちを抱えたまま
何日か経って再びミカと会った時
ミカはまた自分の話を始めた
ミカ
アラ子
ミカ
更にミカは恋愛に左右されやすく
彼氏とケンカすると途端に機嫌が悪くなった
アラ子
アラ子
ミカ
アラ子
アラ子
アラ子
アラ子
その日は虫の居所が悪かったのか
ミカ
ミカ
ミカ
アラ子
言葉を失った……
そこからのミカの話はほとんど入ってこなくて
私はまるで話を聞くだけの人形のような気分だった
それからかなりの年月が経ち
忙しさもありミカと会う機会は減っていったが
メッセージのやり取りは続けていた
丁度その頃
後輩のリコちゃんの紹介で知り合ったショウ君と仲良くなり
リコちゃんとショウ君と三人で遊びに行ったりするようになった
ショウ君
ショウ君
アラ子
リコちゃん
ショウ君
アラ子
ショウ君はとても優しくてかわいらしい男の子だった
ある日
久しぶりにミカからメッセージが届いた
真山ミカ
ミカ
アラ子
ミカ
アラ子
ミカ
アラ子
アラ子
アラ子
ミカ
ミカ
その後の話し合いで
飲み会のメンバーは
幹事のミカとミカと同期のアツシ君
リコちゃんとショウ君
リコちゃんとショウ君の同期のトモ君
そして私の六人に決まった
飲み会、当日
アラ子
私は電車に乗ってリコちゃんの家まで向かった
リコちゃん
アラ子
リコちゃん
リコちゃん
アラ子
リコちゃんは四歳下の後輩だけど
今では一番仲の良い友達だった
アラ子
高校が大好きだった私は
卒業してからもよく放課後に遊びに行き
ミカが三年生の時に一年生だったリコちゃんと知り合った
私もリコちゃんもミカの性格はよく知っていて
若干警戒しながらも
リコちゃん
と、あまり深く考えてはいなかった
まさかこのあと
ミカが暴走するなんて夢にも思っていなかったのだ
その後
私達は会話に夢中になり過ぎてしまい
気がつくともう18時を過ぎていた
リコちゃん
リコちゃん
待ち合わせは18時40分
アラ子
慌ててリコちゃんの家を飛び出し駅に向かった
来た電車に飛び乗りミカにメッセージを送信
真山ミカ
アラ子
アラ子
ミカ
ミカ
アラ子
ミカ
ミカ
アラ子
アラ子
ミカ
アラ子
リコちゃん
約15分遅れで待ち合わせの駅に到着した私達は
直ぐにショウ君に連絡
私とリコちゃんが遅刻してしまったせいで
ミカ達と面識のなかったショウ君は合流することができず
結果的に三人揃って遅刻したことになってしまった
リコちゃん
アラ子
リコちゃん
そんな会話の最中
もう一人の参加メンバーであるトモ君からメッセージが届いた
アラ子
トモ君は元々、仕事で途中参加になると言う話になっていたが
運良く仕事が早く終わったのか
あと少しで合流できると言うことになった
真山ミカ
アラ子
ミカ
アラ子
ミカ
アラ子
ミカ
ミカから送られてきた簡易的な地図を見ながら
トモ君を待っていると
真山ミカ
ミカ
アラ子
ミカ
リコちゃん
リコちゃん
ショウ君
リコちゃん
リコちゃん
ショウ君
アラ子
ミカの対応にモヤモヤしつつトモ君を待ち
しばらくして到着したトモ君と四人でミカ達の待つお店へ
ミカ
アラ子
アラ子
村井
お店に着くと
そこには既にできあがっているミカとアツシ君
そして二人の同期の村井がいた
どうやら急遽参加することになったらしいが
村井とショウ君は以前、会って連絡先を交換していたため
アラ子
心の中はモヤモヤしていく
遅刻した私が言えることではないかもしれないが
どうもミカの対応は幹事としてなっていない気がした
その後ドリンクを頼んで乾杯をしたが
既にできあがっているミカは
初参加のショウ君のことなどお構いなしに
上機嫌で絡みたい人に絡みまくり
ミカの隣にいたアツシ君も
村井と楽しそうに話していて
こっちのことなどお構い無しのように見えた
ミカ達のそんな態度にショウ君は困惑気味
アラ子
ショウ君
ショウ君
ミカ
ミカ
ショウ君
突然ミカが絡んできてショウ君は更に困惑
ミカ
ミカ
ショウ君
アラ子
ミカ
隣のテーブルでトモ君と話をしていたリコちゃんが
ミカの態度に気づいてやってきた
リコちゃん
アラ子
リコちゃん
私もリコちゃんも呆れ気味でミカを見ていた
私達が合流してから約二時間程が経過し
アラ子
そんなことを考えていると
村井
村井がカラオケに行きたいと言い出した
村井の提案にミカはノリノリで応じようとしたが
ショウ君
ショウ君がお財布を見つめる
ミカ
ミカ
楽しそうなミカを背に
お財布を見つめて寂しそうにしているショウ君の姿に
アラ子
私は手を上げた
ミカ
ショウ君
アラ子
アラ子
アラ子
ショウ君
ミカ
近くのカラオケ店へ行くことになり
ミカが飲み代と食事代を計算して徴収していく
わりとスムーズに会計は終了し
ミカ達を先頭にカラオケ店を目指した
もうすぐ22時
リコちゃん
アラ子
終電のこともあるし
私は一時間が妥当だろうと思っていた
ミカはお店を出てからスタスタと歩き出し
カラオケ店で受付を済ませると
そそくさとエレベーターに乗ってしまった
リコちゃん
アラ子
直ぐにミカに連絡をして部屋まで向かう
このミカの対応に更にモヤモヤしつつも
カラオケはそれなりに盛り上がった
ミカ
村井
しかし
ミカは村井にリクエストをして歌わせた曲を
ミカ
そう言って勝手に演奏を停止
場の空気が少しだけピリついた
その後もミカは高いテンションで騒ぎ
カラオケの合いの手機能を使ってふざけまくり
これにはリコちゃんも呆れ顔
リコちゃん
アラ子
ミカ
アラ子
ミカ
アラ子
ミカ
ミカはぶっきらぼうに部屋を出ていった
その間に私はリコちゃんやショウ君と話をしていて
アラ子
アラ子
アラ子
リコちゃん
ショウ君
三人でスイーツを頼むことに
ミカが戻ってきておおよその料金を確認した後
運ばれてきたスイーツを堪能
そんな私達をミカは冷ややかな目で見つめていた
カラオケ終了まであと20分と言う時に
ショウ君を誘い部屋から出ていくミカの姿が
アラ子
それが妙に気になった私は
直ぐに後を追いかけて部屋のドアを開けた
直後に聞こえたのはミカの怒号
ミカ
ショウ君
ミカ
ミカ
ショウ君
突然のミカの怒号に
ショウ君は完全に萎縮してしまっていた
アラ子
アラ子
そこにトモ君がやってきて
トモ君
アラ子
トモ君から代金を受け取り
アラ子
トモ君
トモ君
トモ君とのやり取りの最中もずっと怒り続けるミカ
トモ君の姿が見えなくなると
ミカは怒りをそのままに部屋に戻り
リモコンの演奏停止ボタンを押した
リコちゃん
歌っている途中だったリコちゃんは唖然
ミカ
そして私を睨み
ミカ
アラ子
ミカ
怒り心頭で全く話にならないミカ
仕方なく私が代金を徴収して支払い
ショウ君からもきちんとカラオケ代をもらったが
アラ子
私が奢ると言ったスイーツ代は請求しなかった
カラオケ店を出て駅に向かう道中
ショウ君はかなり怯えた表情で歩いていた
リコちゃん
リコちゃんも怒っていて
私は怯えるショウ君の背中をさすりながら
アラ子
励ましつつ駅に向かい
改札の前で解散した
私だけ別ルートだったため改札前で別れ
ミカと行き先の一緒だったリコちゃんに
ミカはずっと怒りをぶつけていた
ミカ
ミカ
その後
帰宅した私の元に村井から連絡が入った
村井
急遽参加することになった村井は
詳しいメンバーを聞かされぬまま集合場所にやってきた
私が遅れるとメッセージを送った後
村井
とミカに提案をしたが
ミカ
ミカ
ミカはそう言ってお店に向かった
アツシ君も村井の提案を支持していたが
強引なミカを説得しきれなかったようだ
ショウ君が来ることも知らされていなかったため
ショウ君は時間通りに待ち合わせ場所に到着していたのだが
私達と共に遅刻になってしまった
この一件でショウ君はミカのことがトラウマになってしまい
"真山ミカ"と言うワードを聞いただけで震えるようになってしまった
それから私達はミカとの連絡を断ち
私もリコちゃんもミカの話をすることはなくなった
その頃ミカはかなり年上の男性と付き合っていたが
その人と連絡つかなくなり
それが原因で当たりが強かったのではないか?と言われている
飲み会の前に会った時は凄く機嫌がよかったミカ
その時はまだうまくいっていたのだろう
恋愛をするのは個人の自由だが
自分の個人的な感情で周りを巻き込むのはやめてほしい
そう思った出来事だった
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