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女性の中には
恋をすると周りが見えなくなって
時には周囲の人を呆れさせてしまうこともある
困惑させるとこも……
ゾッとさせることもある……
後輩の市村ミサキは
常に笑顔を絶やさず
いつもニコニコしている印象の強い子だった
私は特別、仲が良かったわけではなかったが
久しぶりに訪れた大好きな高校の文化祭で再会し
ミサキと連絡を取るようになった
当時、ミサキにはアツシ君と言う気になる男子がいて
ミサキ
ミサキ
アラ子
何度かそんな話をしていた
ミサキ
ミサキ
ある日
久々に会ったミサキからメールの画面を見せられた
from:大田アツシ Sub:ミサキへ ーーーーーーーーーーーーーーー 俺はお前のことが好きだ
from:大田アツシ Sub:ミサキへ ーーーーーーーーーーーーーーー 俺にはお前しかいない
from:大田アツシ Sub:ミサキへ ーーーーーーーーーーーーーーー 今度二人で会って欲しい
アツシ君からのメールを嬉しそうに見せてくるミサキ
最初は何も疑うことなく
アラ子
アラ子
ミサキ
ミサキ
アツシ君からの告白メールだと普通に思っていた
それから何年か経過し
私にも大好きな人ができて幸せな気分で日々を過ごしていた
ミサキとはたまに連絡を取ったりしていたが
あまり会う機会もなくなり
ミサキとアツシ君のその後が気にはなっていたが
きっと幸せなのだろうと思っていた
そんな時
某アイドルの熱烈的なファンの知り合いから
別のアイドルのコンサートチケットを手に入れたと連絡が入った
運良く二枚ゲットしたと言う知らせを受けて
アラ子
アラ子
ミサキ
私はミサキに連絡をした
コンサート当日
ミサキと電車の中で待ち合わせをした
ミサキの乗った電車が私の最寄りの駅に到着
うまく合流することができて
現地へは何の問題もなく到着することができた
アラ子
アラ子
ミサキ
二人で会場近くのファミレスへ行き
ごはんを食べながら恋の話で盛り上がる
ミサキ
アラ子
アラ子
アラ子
ミサキ
私の言葉に笑顔を見せるミサキ
そこから少し私の話を続けたいたが
私はずっとミサキとアツシ君のことが気になっていた
あの後、付き合うことになったのかどうかもわからず
会った時に絶対に聞こうと思っていたのだ
アラ子
アラ子
アラ子
私の問いに
ミサキは笑顔で答える
ミサキ
アラ子
ミサキ
アラ子
ミサキ
アラ子
ミサキ
アラ子
ミサキ
アラ子
ミサキの言葉に一瞬、固まる
ミサキ
アラ子
アラ子
ミサキ
ミサキ
アラ子
ミサキ
ミサキの話す内容にも驚かされたが
それよりも驚いたのはミサキの表情
常に笑顔でニコニコ
でも内容はとても笑顔で話すようなことではなかった
ミサキの話をまとめると
ミサキはアツシ君に連れられてカラオケに行き
帰り際にキスされて強引に押し倒された
しかも場所はカラオケ店の部屋ではなく店の外の階段で
アラ子
ミサキ
ミサキ
常に笑顔のミサキに
若干困惑しつつも
食事を済ませてコンサート会場へと向かった
コンサート終了後
出口に向かう人の群れを進みながら
ミサキは終始笑顔でアツシ君にされたことを話していた
その後もアツシ君のことでミサキにメールを送ったが
To:市村ミサキ Sub:notitle ーーーーーーーーーーーーーーー この前の話、かなり酷いと思う! 押し倒すなんておかしいよ!
from:市村ミサキ Sub:Re: ーーーーーーーーーーーーーーー うん、そうだよね♥️♥️♥️ アツシ酷いよね♥️♥️♥️
ミサキからの返信にはハートマークが付いていた
それからも何度かやり取りをしたが
どのメールにもミサキは必ずハートマークを付けて送ってくる
そのメールを見ると
一緒にコンサートに行った時の笑顔が浮かんできた
それから更に数年が経過
アツシ君とのあの話、以降
ミサキと連絡を取る回数は徐々に減り
会って話す機会もなくなり
遂にはメールも来なくなった
アラ子
そんな風に考えたりもしたが
連絡がなくなってからはそのこともすっかり忘れ
平穏な日々を過ごしていた
そんなある日
たまたまアツシ君を含めた何人かで会う機会があり
私はアツシ君にミサキのことを話した
アラ子
アツシ君
アツシ君
アツシ君
アラ子
アラ子
私はアツシ君から衝撃的な真実を聞かされる
何とアツシ君はミサキに告白などしていないと言うのだ
アツシ君
アツシ君
アツシ君
アラ子
私がミサキから見せられたあのメール画面は
全てミサキの自作自演だった
もちろん二人でカラオケにも行ったと言う話も嘘で
押し倒されたと言う話も全てがミサキの作り話
ミサキは自分のメールアドレスをアツシ君の名前で登録し
自分宛にアツシ君を装いメールを送信
そして自分で自分に送ったメールを
アツシ君からのメールだと偽り私に見せていたのだ
全部が嘘だったことに驚いている私の目の前で
アツシ君は私、以上に困惑しゾッとした顔をしていた
ミサキが自分のことを好きなことに気づいていたアツシ君は
なるべく気を持たせないように振る舞い
ミサキと会う時には必ず他の誰かも誘うようにしていたが
ミサキはアツシ君への想いを抑えることができなかったようだ
アツシ君
アツシ君
メールを偽装してしまうほど
アツシ君のことが好きだったのかもしれないが
下手をすればストーカー化していたかもしれない
行き過ぎた想いはとても危険で恐ろしい
そう思った出来事だった