sha
今日も目覚めてしまった。
心の片隅で望んでいたのに。
眠ったまま2度と目覚めないことを。
ここに来てから何年が経ったのかな。
隣で眠る彼に出会う前に戻れたならどれほど良かったことか。
zm
それなら苦しまずに済んだのに。
zmを愛さずに済んだのに。
もう、穏やかに眠るzmの姿を見るだけで
胸が痛んで耐えられなかった。
好きになってしまってごめんなさい。
彼と出会った日のことが
幻のように飽和する。
10歳になって間もない頃 ,
いつからか父が消えた。
俺だけを残して。
sha
父が消えてからずっと独り。
父はどうしてるんだろう。
決して優しくはなかった。
父との生活は苦しかったし、辛かった。
だけど、俺にはお父さんしかいない。
お父さんしか頼れないのに。
ちゃんと愛していたのに。
頭痛も吐き気も止まない。
sha
どこにいますか。
探せば会えるかな。
ろくにベッドから動けなかったけど
父に会うためなら、頑張ろうと思えた。
sha
父の部屋へ行けば何か見つかるかな。
入ったことがなかった。
この部屋に入ろうとしたとき、 初めてぶたれたから。
優しい父が人が変わったみたいだった。
未だに言い付けを守っていたなんて
馬鹿みたいだな。
sha
煙草の匂いがむせ返りそうなほど 立ち込めていた。
父は、煙草を吸うような人だったっけ。
分厚い本が散らかっていている。
難しい言葉だらけで内容もわからない。
こんな専門的な本があるなんて、
父はなんの仕事をしていたのだろうか。
sha
思い浮かばない。
父の職業でさえ知らないのだ。
そういえば父のことは何も知らない。
よく出かけていた理由も、
母がいない理由も。
自分は何で生まれて、
何で部屋に入ってはいけなかったのか。
純粋に知りたかった。
淡い期待を抱きながら
時間も忘れて父の部屋を散策した。
ふと、雑に丸められた紙が目に映る。
普段だったら気にもしないはずなのに,
何故か手に取りたくなった。
父が破るように捨てたこの紙には
何が書いてあるんだろうか。
荒々しくてまともに読み取れない。
だけど、最後の一文だけは
そこだけは読めてしまった。
「 殺してやる 」
父は、俺を殺すつもりだった。
たった一文で分かってしまった。
ただの一度も、愛してなどいなかった。
それなら
無視してくれたら良かったのに
父にどんなに殴られても、
きっと愛してくれてるって信じてた。
sha
どこにも居場所がない。
このまま闇に溶けれたなら。
崩れ落ちるように
そのまま座り込んだ。
こんなところで座り込むなんて,
自分が惨めで仕方がない。
zm
zm
誰、だろう。
手を差し伸ばす君は幻覚なのかな。
この小さな手に縋ってしまうほど ,
生きる気力は残ってなかった。
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