この作品はいかがでしたか?
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コメント
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あーもう、私のおばあちゃんにそっくりですごい←え? 青春もの好きだからまじ最高… そしてこのストーリーをスイカを食べながら見ている私である←←
なんか...うちの連載と違って気を張り詰めなきゃ見れない...( ˙▽˙ )ワァ……←褒め言葉です
古びた改札を抜け目の前にはひらけた景色が広がっていた。 あたり一面の様々な緑、山以外に遮るものの無い広くどもまでも続く空。
幼い頃に見た事があるからもあるが何処か懐かしく心がスッと晴れる様な景色だった。
祖母の家までの道のりが描かれた地図を見ながら歩き出す。 うっすらと自分の中に残る記憶と照らし合わせながら街中ではテレビの中でしか見ることのできない景色を楽しむように進んでいく。
途中、人と出会うことは殆どなく車とすれ違うこともあったがそのほとんどが軽トラで5分に1度見る程度だった。
祖母の家であろう場所に着いた俺はその外観と表札そして記憶の中にあった庭の木を見て目的地だと確信する。
玄関の周りにチャイムを探したがそれらしい物は見当たらず玄関のドアをノックする。
文月
その時ノックした衝撃で少しドアが開くのを感じ鍵がかかってないのに気付いてガラガラと音を立ててドアを開ける。
文月
文月
できるだけ家の奥まで聞こえるように声を張る。 自分でも少し驚くぐらいの声量だったがたぶん家にいるなら聞こえただろう。
如月
そして奥から祖母がやってくる。 数年ぶりに会う祖母は少し痩せていたが覚えている通りの姿だった。
如月
文月
文月
如月
祖母との再会の挨拶を軽く済ませ中へ入る様に促され久しぶりの祖母の家に足を踏み入れる。 廊下の木材は年季が入っており一歩踏み出すたびにギッギと軋む音が聞こえた。
居間に通された俺は荷物を部屋の隅に置いて敷かれた座布団の上に座ってお茶の用意をしてくれている祖母を待つ。
如月
文月
如月
汗をかいたガラスの瓶とスイカを2切れ乗せた小さなお盆を持って祖母がやってくる。
ガラス瓶の中身は氷がぎっしりと入れられ麦茶であろう琥珀色の液体がキラキラと輝いて見えた。
如月
文月
景色を楽しみながらとはいえ炎天下の中を歩いてとても疲れていたから冷たい麦茶にスイカとを考えただけで心がワクワクしていた。
如月
文月
如月
文月
俺の返答に少し笑みを見せて安心したおばあちゃんは再び台所へと戻っていった。
その姿を見送った後、小さくいただきますと手を合わせコップに注いだ麦茶を一気に飲み干して喉の渇きを癒しスイカを頬張った。 しっかりと冷えたスイカはの少し青物の匂いと実一杯に蓄えられた水分と甘みが一気に口の中に広がった。
夏のご馳走に心を躍らせ時折聞こえる風鈴の音が何とも言えないゆったりとした夏の時間を演出してくれる。
文月
窓の外に広がる爽やかな緑、肌に当たる扇風機の心地いい風と夏の匂い。 口、耳、目、肌、鼻その全てが懐かしい日本の夏を感じさせ心地よく包んでくれている様な気がした。
そんな心地いい時間に包まれた俺はついウトウトと眠気を感じていた。
ガラガラガラ!!
しかし、そんな眠気は玄関のガラス戸が開かれる音によって阻まれてしまう。
弥生
眠気で少しふわふわとした頭で辛うじて誰かが訪ねてきたのを理解し祖母のいる台所に目線を送る。
如月
文月
台所から聞こえた祖母の声に意識をしっかりと取り戻した頭で返事をして玄関に向かった。
文月
弥生
文月
弥生
文月
弥生
文月
こちらの応対よりしっかりとした言葉に少し驚いて言葉を詰まらせてしまったが何とか持ち直そうとするが…。
弥生
文月
バスケをやっていたせいか身長は確かに190cmに届きそうなぐらいで目立つようだ。
弥生
文月
弥生
彼女が差し出した手にはビニール袋いっぱいに入れられたナスやトマトにとうもろこし、夏野菜がこれでもかと詰められていた。
文月
如月
袋を受け取ったタイミングで台所から祖母がやってきた。
弥生
如月
文月
如月
文月
如月
文月
弥生
如月
そして、弥生は自分の家に帰って行き。 俺は用意して貰った部屋に入って荷解きをした。
そして、日が少し落ちたがまだ外が明るい中夕食の時間になった。
祖母が俺の為にと用意してくれた食事は質素ながらも品数が多く先ほど届けられた野菜たちも並んでいた。 中でもとうもろこしは塩茹でしただけなのに甘くシャキシャキとした歯応えで何本でも食べれそうだった。
文月
如月
如月
文月
隣と言っても街中でいう隣ではなく1番近くの家というだけで5軒分は離れている。
文月
如月
文月
如月
確かに日が落ち窓から入ってくる風は少しひんやりとしていて、散歩をするにはちょうどいいかもしれない。
食器を片付けて祖母に言われたように散歩の為に玄関から外に出る。
薄らと夕焼けが見える空はどこか寂しげで、でも心にじんわりと染み込んでくるようだった。
文月
肌に当たる風は昼間の熱風ではなく心地よい温度で体を通り抜けていき祖母の家の風鈴をチリンと鳴らしてさらに涼しげな顔を見せた。
そして、少し歩き出し祖母に聞いた弥生の家の近くに差し掛かった時、風が馴染みのあった音を運んできた…。