連れてってよ
ここからずっとずーっと遠いとこ。
君は笑って言ったんだ
忘れてないよ
僕は時計の修理屋
しがない27歳男性だ
今日は森の中のお屋敷で 時計修理の出張中
お屋敷のリビングには1人 ここのお嬢様らしき女性
僕と同い年くらいだった
いつまでも二人きりは 少し気まずいので
なるべくテキパキと 作業を進めていた
女性
僕
びっくりした。
消え入りそうな声だった
女性
不機嫌そうな不満そうな
頬を膨らませる彼女は 随分可愛らしかった
僕
女性
そんなにも申し訳なさそうな顔 だっただろうか
彼女は慌てたように 胸の前で手を振る
それから彼女は気を取り直すように咳払いを一つ
その後、口を開いた
女性
女性
僕
突然の言葉に声が詰まる
一体彼女は何を 考えているのだろうか
慌てる僕をそのままに 彼女は薄く笑った
女性
女性
彼女が目尻をカーブさせたから
整った顔がふにゃっと緩んだ
女性
女性
彼女なりの叫びなのだろうか
早口に話す彼女は
両親が帰る前に、と 急かすようで
僕
僕はゆっくりと彼女に近づくと
彼女の手を彼女の目に被せ その片手にキスを落とした
僕
僕
手を退けた彼女の顔は
赤い薔薇のように 真っ赤になっていて
僕
できるだけ優しく 口角を上げると
頷いた彼女を横目に 僕は静かにお屋敷を出た
続く
コメント
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きになるんば
続きがきになる!!
連載だっ⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝⋆* 次回も楽しみ〜⸜( ॑꒳ ॑ )⸝