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# 類 .

これは…水晶玉かい?

# 司 .

嗚呼

一体何でこんな物、と 類は首を傾げる。 水晶玉は透き通っていて 綺麗だったが大きくて 酷く重たそうだった。

# 類 .

重くなかったのかい?

# 司 .

嗚呼、そこまで重くないぞ。
持ってみるか?

# 類 .

うん

司に手渡され類は 大きな水晶玉を持ってみる。 少々重量を感じるものの、 確かに大きさに対して 重さは無かった。 不思議だなあ、 どんな物質で出来ているんだと 類が思考を巡らせていると 途端に水晶玉が光りだす。

# 類 .

え?

# 類 .

わ…!

淡い紫の光が僕を包む。 その中でも赤黒い 小さな雷のようなものが 渦巻いていて、異質感を放っていた。 一層光が強く放たれたかと思うと 水晶玉からモニターのようなものが 光に照らされ出ていた。

能力名: 穢れの転写【カタルシス・タッチ】 能力の内容:触れた相手の穢れや 悪運を吸い取り自分自身に 転写、蓄積させる能力。 代償/制約:希死念慮や 自傷願望の増幅、 負の大きさによっては 体調不良を起こし、最悪死に至る。

能力名:孤独の舞台【シアター】 能力の内容:類が強い感情を持って 言葉を発した際、 他人の精神や神経系に干渉し、 映像としてそれを伝える能力。 代償/制約:能力を使用するたびに 悪夢として両親の??の記憶を 追体験することになり 精神的消耗が酷くなる。

それらを視た途端、 脳にその言葉が刻まれる。 まるでこれらの存在を ずっと前から知っていたかのように すっと情報が入ってくる。 ゔゔ、という音がなり 画面のようなものにノイズが走る。

呪い: 真実の穢れと悪兆【ドゥーム】 呪いの内容:他人の悪意や罪、 嘘といった穢れや 未来の災厄といった 悪兆を見透かしてしまう呪いの目。 代償/制約:強烈な“無”を持つ物以外の 総てを制限なく視てしまう。 解呪方法:蠢?°繧画?縺帙k莠コ繧定ヲ九▽縺代※縲∽サイ髢薙→縺ィ繧ゅ↓繧上◆縺励r謨代▲縺ヲ縲

# 類 .

…何だ、これは

# 類 .

肝心の解呪方法が
何も見えないじゃないか

思わず声が漏れる。 隣で見守ってくれていた 司くんも訝しげに画面を眺めている。

# 司 .

オレのときには
こんな画面出なかったぞ

# 類 .

…だろうね

思わず冷笑が漏れる。 廃屋の屋根を叩く雨音が やけに大きく聞こえた気がした。

# 類 .

言ったでしょ?
僕のアレは「呪い」だって

# 司 .

呪い…

雷はまだ鳴り止む気配がない。 それどころか雨足が 強くなってきて、 雨漏りしているほどだ。 司くんが唾を飲む音すら 聞こえてしまいそうな沈黙。 僕はそれを質問で切り裂いた。

# 類 .

ねえ、僕の瞳、
何色に見える?

# 司 .

真紅だ。とても綺麗な…

# 類 .

だろう?でもね、
僕のこれは血塗られた瞳

# 類 .

両親の血を
真正面から浴びた、
あまりにも醜い瞳

# 類 .

…総てを
見透かしてしまう、
呪いの瞳

空白の広がる部屋に ぽた、と小さな音がする。

# 司 .

類、血、出てるぞ…!

強い力で握ってしまったのか 爪を立てたのか。 類の病的なほどまでに 細くて白い腕からは 血が滴っていた。

# 類 .

まあ、いいよ

# 類 .

…昔からね、変だと思ってた

# 類 .

僕が触れただけで、
皆幸福になるんだ

# 類 .

そして、僕はよく体調を崩す
自傷癖のある子供だった

全部、謎が解けたよ。 類はそう、苦しそうに嗤った。 類は今よりも幼い頃の 自分に思いを馳せる。 そして、今自分が追われている 理由にも思い至る。

# 類 .

全部、僕が生まれたせいだ

類は、聡い子供だった。 言葉を覚えるのも、 話すのも早かった。 類が3歳くらいの頃、 死ぬのではないかと言うほどの 高熱を出したことが会った。 何日も何日も熱が下がらなくて、 父も母も泣きそうな顔をしていた。 熱が下がったとき、 蜂蜜のようだった類の瞳は 血のような赤でいて、 宝石のような輝きを放っていた。 村の人々は気味悪がった。 赤い瞳を持った類の言葉は 総てを見透かしているように 見えてしまったからだ。 実際、総てを 見透かしていたのだが。 しかし、それを払拭する 出来事があった。 山へ出かけようとしていた 屈強な木こりに 4歳ほどの類は言った。

# 類 .

きょうのやまはあぶないよ。
くまさんがでる

幼い類の忠告を木こりは一笑に付す。 そんな木こりの手を ぎゅっと握って類は言った。

# 類 .

きをつけてね…?

結局その日、熊は山に出たが、 木こりは怪我をすることはなかった。 類の忠告が頭の片隅にあったから、 注意深く山の音を聞いていたのだ。 木こりは類に深く感謝し 神代家を訪れるが、 生憎類は体調を崩していた。

# 類 .

きっとあの日、
僕は無意識に能力、
穢れの転写【カタルシス・タッチ】
を使っていたんだと思う。
僕が呪われたのも、
瞳が赤くなってからだったから

類は仄暗く笑う。 司は伸ばしかけていた手を 途中で止めてしまった。

# 司 .

類…

# 類 .

嗚呼、同情は不要だよ。
あの頃、僕がよく体調を
崩していたのは
僕の偏食によるものだと
僕自身も思っていたから

類は続きを語り出す。

それから類は、幼い占い師てして 村で名を馳せた。 悪災が視えてしまった人々を 類は優しく撫でる。 無意識に穢れを蓄積させていた。 そうして、穢れの蓄積の代償で 類は寝込む日が多くなった。 悪災を肩代わりしてくれていた 類が動かなくなった瞬間、 村からは死者が増えた。

# 怒 .

おい、開けろ!

# 怒 .

息子を出せ!

# 怒 .

お前らはお呼びでねーんだよ!

両親に、類に浴びせられる 罵声が耳を劈く。

# 類 .

…ぼ、くは

唯、誰かが笑顔になる 手助けをしたかっただけなのに。 続く体調不良で悪災を 肩代わりできなくなった 類に苛立った村人たちは 愚かにも処刑求める。

# 怒 .

「呪いの目だ」

そんな声が大きくなる。 その声は幼い類の精神を少しずつ、 でも確かに蝕んでいった。

# 類 .

っ、僕…

「視えなければ良かった」 深い懺悔の言葉が司に刺さる。

# 類 .

悪戯に誰かを救おうなんて
思わなければよかった

そう、無理して語る類に 司は怒ったような声で言った。

# 司 .

おい、やめろ

# 司 .

お前自身が、
誰かを救いたいと思った
お前を否定してはだめだ

# 司 .

それは紛れもない
美しい想いで、簡単に
できることでもない。
お前はもっと自分を誇れ

# 類 .

っ…

# 司 .

オレの大好きな類を
お前自身が侮辱するな

# 類 .

…そんなこと言ってくれたのは
両親以外にキミが初めてだよ

# 類 .

出会って数時間の僕を
好きになって、
救ってくれてありがとう、司くん

もう救世主で在らなくて良いのだと 類は嬉しそうに笑った。 総てを見透かしてしまう瞳も 司の 無 の前には ほぼ無力に等しい。 安心できる温もりと眼差しに 類の頬に涙が一筋走った。

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君の呪い - まじない -

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