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特典会が終わって、控室に戻る。
メンバーは各々着替えとかTikTok撮影とかで外に出てて、今この部屋には俺とふみくん、2人だけ。
ファンのみんな、 すごく喜んでくれてた。
「ほんとに付き合ってるんですね!」 って笑顔で言われるたびに、 俺の心臓は変な音を立ててた。
ふみくんはイスに座って、ペットボトルの水を飲みながら軽く笑う。
史記
史記
楓弥
俺の声は、 ちょっと引っかかってた。
ずっと、喉の奥に引っかかってた言葉を、思わず口にしてしまう。
楓弥
ふみくんが手を止め、こっちを見た。
史記
楓弥
楓弥
自分でもびっくりするくらい、 声が震えた。
楓弥
楓弥
楓弥
そこまで言って、言葉が詰まった。
ふみくんはしばらく黙ってから、 少しだけ笑って言った。
史記
その言葉に、 俺の心臓がまたドクンと跳ねた。
楓弥が、珍しく真正面から 俺を見てきた。
目を逸らさずに、まっすぐ。
それがちょっと、くすぐったいような、でも…悪くない。
史記
そう言ったあと、楓弥の顔がほんの少しだけ強ばったのがわかった。
たぶん、俺の言葉の“意味”を考えてる。
俺はふっと息をついて、 ソファに背を預けながら続けた。
史記
史記
史記
楓弥
楓弥が息を飲んだのがわかった。
「それも、演技ですか?」って、 もし聞かれたら――
たぶん、俺は答えられない。
だって自分でも、どこから本気で、どこまでが仕事なのか、もうわかんなくなってきてるから。
でも今、 はっきりしてることがひとつだけある。
史記
俺がそう言うと、 楓弥はゆっくりと俯いた。
史記
ふみくんのその言葉に、 胸がきゅっと締めつけられた。
俺は思わずうつむいて、 ごまかすように笑った。
楓弥
史記
楓弥
楓弥
顔が熱い。
でも、ふみくんから目をそらしたくなかった。
楓弥
言いかけて、言葉が止まった。
自分でも何を言いたいのか、 うまく整理できなくて。
だけど、黙ってたら何も変わらない気がして――
楓弥
楓弥
声が小さくなったけど、 嘘は言ってない。
ふみくんは少しだけ驚いた顔をしたあと、ゆっくり微笑んだ。
史記
その笑顔が、 いつもより少し優しく見えて、
俺は、目を逸らすこともできずに―― 小さくうなずいた。