パラオ
ナイチの腕の残っている部屋に来る。 ナイチの腕は国連の建物の特別室に保管されている。 厳重な扉の向こうに質素な白い部屋にベッドが一つだけある、無機質な部屋だ。
台湾さんと書いた手紙を日本国に送り届けた後、ここに立ち寄ってみた。 余った便箋で綺麗にハートを折れたから、ナイチの腕の横にそっと置いてみる。 ナイチの腕の傍には、お花や和菓子などが置いてある。
パラオ
腕だけ残っているのを見ると、....やっぱり、むごい、と思う。 いつか自分もああなってしまったら....と考えると怖くて寝れなさそうだ。 日本さんは仲間に恵まれているからいいけど、僕がもしこうなったら、...みんな、僕のことを助けてくれるだろうか?
パラオ
パラオ
少し考えればわかることのはずなのに、 どうして、今、鮮明に理解するんだろう。 ひとりになっちゃってからは、もう、どうしようもないっていうのに。
パラオ
パラオ
僕はベッドの上で顎をついて日本の腕を眺めていた。 ...そうしたら、いつの間にか、寝てしまった。
...オ....
パ...オ.....
パラ...オ....
パラオ!!
パラオ
アメリカ
アメリカ
パラオ
アメリカ
パラオ
アメリカ
パラオ
パラオ
そう言ってパラオはバッグを手に取り部屋の外へ駆けて行った。
そういえば、パラオも何か日本にお供えに来たんだよな。
アメリカ
なんだっけ、コレ.... なんか、日本が教えてくれた記憶が....、
アメリカ
「暗いところで光る」折り紙を日本が買ってきてくれて、 教えられながら星を折ったな。 50個折る!...って意気込んでたけど、5個くらいの時に飽きて辞めた気がする。
アメリカ
アメリカ
折り紙で鶴をたくさん作り、糸で繋いで病気の人などに送るんだっけ。 長寿祈願や病気の治癒、幸福祈願として作るって聞いた気がするな。
アメリカ
俺は早速スマホを手に取り、諸国に緊急招集をかけた。
アメリカ
アメリカ
みんな、「ハァ?」と言いたげな表情をした。 仕方ないか。緊急で集められて「鶴を折ろう」なんて言われて。
フランス
フランス
アメリカ
ドイツ
イタリア
アメリカ
ドイツ
中国
中国
アメリカ
イギリス
みんなも支援のことなど、いろいろ忙しくて 呆れている様子だ。
「別にやってもいい」 ...という心境の国が多数派らしい。
アメリカ
ロシア
見上げると、いつのまにかロシアが折り紙で鶴を折っていた。 いやなんで折れるんだよ
ロシア
ロシア
ソ連涙目 それよりなんでロシア人が千羽鶴知ってるんだ ...などというツッコミは置いておいて
ロシア
ロシア
いつものアメリカなら 「いやソ連崩壊は俺の手柄だし!!」 ...とか言い出しそうだが、 アメリカは凄くうれしそうな顔をして、黙っていた。
ドイツ
イタリア
イタリア
ドイツ
ドイツ
そんなこんなで、 何とか、アメリカの案は通った。
自分の国旗の色の折り紙を買い、鶴で自分の国旗を作る。 それを最後につなげて、日本のベッドに置く。 期限は1週間後で、その日に会議に持ち込んでG7で最後の仕上げをする、ということに決まった。 鶴の折り方はメールでパラオやロシアの力を借り全世界に発信した。
アメリカ
アメリカは優越感に浸りながら帰路についた。
コメント
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アメリカナイス!