テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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愛が重いよ、金満君。

第12話 - 暴走ランデヴー

2024年05月06日

#創作

#ほのぼの

#日常

#青春

#学園

鼻炎気味

ショッピングモール

善光　優斗

「金満君、運転ありがとう。やっぱりバイクは早いね。電車だと待ち時間があるから、こんなに早くは着かなかったよ。」

金満　潤

なーに、気にするな優斗。

金満　潤

だがな、優斗知らないようだから言っておくが、恋人に運転して貰ってる時にはちゃんと、恋人の乳首やち◯◯をいじらないといけないんだ。

善光　優斗

「それ運転ミスって、事故らない？」

金満　潤

大丈夫大丈夫。俺はそんなヘマしない。

善光　優斗

「えー、けどシンプルにやだ。」

金満　潤

優斗！運転は協力プレイだ！！

金満　潤

前後左右一人より二人で見てダブルチェック。眠気防止トーク。前戯ドライブ。普通の事だぞ！

善光　優斗

「前後左右チェックと眠気防止トークは納得するけど、最後は絶対無い。」

金満　潤

俺のシフトレバーを触って欲しい。

善光　優斗

「はいはい、また今度ね。この話終わり。ほら、行くよ。」

金満　潤

イクゥッ？！？！

善光　優斗

まずは…僕の買いたい物買って…それから、お昼食べて、適当に周るか。

善光　優斗

ヘッヘと犬みたいになりながら振動している金満君を引っ張って、まずは百均に向かった。

百均コーナー

善光　優斗

金満君と手を繋ぎながら着いた百均。手汗を拭きながら僕らは店の中に入った。

善光　優斗

そういえば金満君って、百均なんて来たことあるんだろうか。たぶん、世界トップクラスの金持ちは流石に来ないだろうなぁ。

善光　優斗

現に金満君は物珍しいそうに、辺りをキョロキョロ見渡している。

善光　優斗

時折、商品を手に取って品定めしているようだ。

善光　優斗

「金満君、何か気になった物あった？」

金満　潤

……んー、物というよりは……

金満　潤

ジャンルが幅広いな。調理器具にペット用品、園芸、美容品、介護用品……

金満　潤

品質は他と比べればやはり劣るが、長期的に使うというより、消耗品や短期目的に使う物なら便利だろうな。ざっと見た感じ、消耗品や容量の少ない短期間使用の物が多いしな。

金満　潤

あとは、包装が簡易だな。シンプルだ。その分コストを減らしているんだろう。

善光　優斗

へー、意外だなぁ。金満君みたいなお金持ちキャラって、庶民が行くお店とかボロクソdisってそうなイメージだった。

金満　潤

最近の流行りも取り入れてるな。ふむ、悪くないな。

善光　優斗

「僕ハンドメイドグッズ見てくるよ。金満君どうする？」

金満　潤

俺も一緒に見る！

善光　優斗

「いいよ、こっちだよ。」

善光　優斗

店の中を歩いて、僕がよく見るハンドメイドのコーナーに着く。おっ、新しいの発見！

善光　優斗

「次何作ろっかなぁ…刺繍…いや、夏も近いしレジンもあり…」

金満　潤

優斗今度は何作ってくれるんだ？

善光　優斗

「ん〜、レジンとか使ってストラップとかアクセサリーとか！」

金満　潤

優斗。いつも俺のために作ってくれるのは嬉しいんだが…

金満　潤

作った物をフリマアプリで売ってさりげなく俺に買わせよとするのはちょっとなぁ…

善光　優斗

「ずっと聞きたかったんだけど、金満君なんで僕が作ったヤツ出品してるって知ってんの？言った覚え無いんだけど。」

善光　優斗

「あと、やっぱ金満君だったんだ。取り引きする時のチャットがめちゃくちゃ気持ち悪かったもん。」

善光　優斗

「『いつも使ってるヨ‼️すけべで😏いやらしい😁エッチな❤️ニオイがするネ🩷』みたいなチャット送って来てるのやっぱり金満君だったんだ。」

金満　潤

ほぉ〜らやっぱり！俺は『未来の旦那様』としか、書いてないからな！！やっぱり、俺ってわかったたんだな！！ふーん、優斗、俺の事、未来の旦那様って思ってるんだな。ふーん。

善光　優斗

いや、思ってないけど…。

金満　潤

と、に、か、く！！

金満　潤

優斗、わざわざフリマショップで買わせようなんて回りくどい事するな。これからは、俺の家に住んで、俺の為に作りなさい。材料は用意してやるんだから。

善光　優斗

「いやだよ金満君と暮らすの面倒そう。」

善光　優斗

「それに、買わせようとして無いし、別に無理して買わなくていいよ。僕もそんながっつり稼ぎ目的で売ってる訳じゃないし。」

金満　潤

ヤ！優斗が作った物は全部俺のなの！！

善光　優斗

「まぁ買ってくれるのは嬉しいよ。ありがとう。金満君なら作って欲しいのあったら僕に言ってくれたら作るよ！材料費とは貰うけど。」

金満　潤

じゃ、じゃあ…俺との…えへっ、あか、赤ちゃん…

善光　優斗

「この布良いかも。最近推しぬい流行ってるし、ぬいの服とか作ろうかな…」

金満　潤

優斗、赤ちゃん…

善光　優斗

「金満君、百均すごいんだよ。ぬり絵も売ってるよ。金満君好きでしょぬり絵。授業中僕があげたヤツしてるもんね。それ見に行こ。」

金満　潤

行くぅぅぅ！！！！

善光　優斗

「ほら、行こ行こ！ゴーゴー！！」

本屋

善光　優斗

百均で買い物を終えた僕らが次に行ったのは本屋さん。
好きな漫画と小説はマストで買って、料理本とかもちょっと見てみようかな。

金満　潤

優斗、子育てのコーナー…

善光　優斗

「僕漫画コーナー見てくるから、金満君だけ行っておいで。」

善光　優斗

そう言うと金満君はしょんぼりした顔をして、トボトボ子育てコーナーに向かって行った。

善光　優斗

金満君と別れた僕は、漫画コーナーに向かうと、好きな単行本を数冊手に取る。

善光　優斗

ちょっとお腹空いてきたな…。金満君も、朝少なかったし、お腹空かせてるかも。

善光　優斗

一人だったらお昼抜いてゆっくり本を物色するんだけど…。今日は金満君がいるし、ご飯食べさせないとなぁ…。

善光　優斗

仕方無い。料理本とか趣味系の本はまた今度でいいか。急いで欲しい訳じゃ無いし。とりあえず、欲しい本だけ買って、金満君のところへ向かうか。

善光　優斗

僕は本を持ってレジへ向かい、会計を済ませると、金満君のところへ向かった。

善光　優斗

「お待たせ金満君。良い本あった？」

善光　優斗

金満君に声をかけると、金満君は熱心に読んでいた本から目線を僕に向けた。なんだか鼻息が荒い。

金満　潤

優斗！！セッ◯スレスも離婚要因になるそうだ！！

善光　優斗

「まさかそんなデカい声でそんな事言うとは思わなかったよ。」

金満　潤

俺達が結婚したら、毎日しような！！

善光　優斗

「結婚したらね。」

金満　潤

言ったなッ！！絶ッ対だからなッ！！！

善光　優斗

「はいはい。ところで金満君。お腹空いたんじゃない？お昼食べに行こ！」

金満　潤

優斗お昼持って来て無いのか…？

善光　優斗

金持ちの御曹司様がそんなケチくさい事言わないでよ。面倒くさいなぁもう。

善光　優斗

「…このボディバッグにお弁当は入らないかなぁ…。」

金満　潤

優斗が作ったヤツが食べたかった！！

善光　優斗

「ははは…気持ちは嬉しいよ。ありがとう。けど今日はせっかくだから外で美味しいの食べよ。」

善光　優斗

ほっぺをぷくー！って膨らませている金満君の背中を押して、僕らはフードコートへ向かった。

フードコート

善光　優斗

「金満君何食べたい？」

金満　潤

優斗の手料理がいいの！！！

善光　優斗

まーだコイツァこんな事言ってんのか、不貞腐れた態度でよぉ。

善光　優斗

「…だからごめんってば、持って来てない。」

善光　優斗

「僕うどん食べようかな。金満君もどう？」

金満　潤

俺は優斗の…

善光　優斗

「引っ叩くよ。」

金満　潤

うっ、うう、うう…

金満　潤

じゃ、じゃあ俺も優斗と同じのする…。

善光　優斗

「オーケー。」

金満　潤

包茎？！？！

善光　優斗

「引っ叩くよ。」

金満　潤

うぅ…ぐすん。

善光　優斗

半泣きの金満君を連れ、うどんを買って、僕らは空いた席に座った。

善光　優斗

僕はざるうどん。金満君は冷やしぶっかけうどんだ。

善光　優斗

最近暑くなってきたから、冷たいうどんのモチモチとした食感とツルツルといける喉越しが、たまらなく美味しい。

善光　優斗

向かいに座る金満君を見た。相変わらず黙っていれば本当に絵になるくらい綺麗だ。今食べているチェーン店のうどんも、金満君が食べているのを見ると、まるで老舗のこだわりうどんみたいに見えてくる。

金満　潤

ん？

善光　優斗

僕がじっと見ていた事を不思議に思ったんだろうな。金満君も僕を見て首を軽く傾げる。

善光　優斗

「あぁ、ごめんね。じっと見ちゃって。」

金満　潤

なんだぁ〜、優斗。この俺の美貌に見惚れてたか？

善光　優斗

「ふふっ、あながち間違いじゃないかも。」

金満　潤

だろうな。俺は頭脳も容姿も家柄も下も十全十美だからな。

善光　優斗

「うん。かっこいいよ金満君。」

金満　潤

なっ…！んぅ…ゆうゆ…。

善光　優斗

金満君って、普段はグイグイ鬱陶しいぐらい来るのに、こっちから行くと急に狼狽えるなぁ。

善光　優斗

美しく食べていた金満君が崩れた。またいつもみたいに急に幼い子供になった。

善光　優斗

ほっぺに食べ物をハムスターみたいに詰めて、もきゅもきゅ食べる。なんだかそわそわかしていて落ち着きが無い。

金満　潤

ふみゅゅう〜ゆうゆ、あんま見ないで…恥ずかしい…

善光　優斗

「ふふ、可愛くなったね。金満君。」

金満　潤

うにゅゅ〜ふぅにゅ〜

善光　優斗

顔を真っ赤にさせて大きい体をもじもじさせながら照れているのを見ると、なんだかもっとからかいたくなる。

善光　優斗

「金満君、次はどこで"デート"する？」

金満　潤

……！！

善光　優斗

すっかり茹で上がった金満君と一緒に僕はうどんを食べ終えた。

善光　優斗

食べたのが、ざるうどんで良かったな。

善光　優斗

「金満君、今日は付き合ってくれてありがとね。せっかくだし、金満君の行きたい所行こうよ！」

金満　潤

優斗！！俺はラブホに

善光　優斗

「時間あるし、いろんなお店見て回ろっか！！」

服屋

善光　優斗

「金満君って、オシャレだよね。僕あんまり自分に似合う服わかんなくて…金満君良かったら、一緒に選んでくれない？」

金満　潤

任せろ優斗。ほら、これとかどうだ？

善光　優斗

「これは見なかった事にするよ。」

善光　優斗

「次ブラなんて持って来やがったら引っ叩くからな。」

薬局

金満　潤

あれぇ〜あれあれあれれ〜？？

金満　潤

あそこにあるのはコンドー◯か！ああっでもっ！！俺に合うサイズが無いっ！！

金満　潤

仕方ないっ！！生でするしかないなぁ！！優斗っ！！！

善光　優斗

「金満君話しかけないで。知り合いだと思われたくない。」

ゲームセンター

店員

お客様、申し訳ございません。お店のルールで…

金満　潤

男同士でプリクラ撮るのは禁止ぃぃ？？それはLGBT差別か？

店員

いやそういうわけじゃ…

善光　優斗

「すみませんすみませんすみません！！金満君やめて！もういいから！もう出よう！！」

金満　潤

このお店は、多様性を否定するレイシスト共の集まりか？

善光　優斗

「お願いやめてよ金満くぅーーーーーーん！！！！」

ショッピングモール【外】

金満　潤

あっはっは！！優斗！！楽しいな！

金満　潤

なぁ優斗、次はどこ行く？

善光　優斗

「なんでだろうなぁ…午前中は、良い感じの雰囲気だったのに、お昼食べた後辺りから急に疲れたなぁ、なんでだろうなぁ…」

金満　潤

優斗疲れたのか？！じゃあちょっと休憩しに行こう！！

善光　優斗

「金満君そろそろ…あっ、ほら空見て！！もう真っ暗！！あっ、もう８時だ！金満君帰ろ！！」

金満　潤

ヤ！まだ一緒にいるの！！なぁ優斗、ラブホでお泊まりしよ！！

善光　優斗

「行かない。ほら、帰るよ。」

金満　潤

ヴヴヴ…ヴァンッッ！ヴァンヴァン！！！

善光　優斗

「犬かアンタは…ったく、帰るよ。」

金満　潤

優斗お前…忘れてないか？今日は俺がわざわざ送ってやったんだぞ？なら、帰るタイミングも俺が決める！！

善光　優斗

「じゃあ僕電車で帰るよ、バイバイ。」

金満　潤

イヤァァァああああ！！！！！！

金満　潤

うぐ…ひっぐ…えっぐ…

善光　優斗

「金満君…」

善光　優斗

どうしたもんか…どうやってこの不動柴を動かそうかね…。

金満　潤

やだ！優斗ともっといたい！！優斗ともっとデートするの！！もっと一緒にいるの！！

善光　優斗

「金満君…。」

善光　優斗

「……じゃあ、最後はちょっと遠回りしてドライブデートしたいな。ダメ？金満君。」

金満　潤

うぅ…ぐすん、行き先は…？

善光　優斗

「僕の家までお願いしていい？」

金満　潤

俺の家？

善光　優斗

僕の家。

善光　優斗

善光優斗の家。

金満　潤

じゃ

善光　優斗

今現在の、僕が住んでいる、家。金満君が住んでる家じゃ無いからね。

金満　潤

なんで全部言い終わる前に否定するんだよっ！！

善光　優斗

「金満君、ほら早く早く！！ドライブデートの時間減っちゃうよ！」

金満　潤

うぅぅぅ……………わかった…。

善光　優斗

金満君は袖で涙を拭うと、バイクの元まで歩いて行く。僕も金満君の後ろを着いて行った。

善光　優斗

バイクが風を切って走り、夜の街を駆けていく。

善光　優斗

僕は金満君に回す手を少し強めた。

善光　優斗

「金満君…今日はありがとう。すっごく楽しかった。」

金満　潤

…俺も…初めてだった。今日の事、全部…全部。

善光　優斗

「そうなんだ…金満君の初めて、僕が貰っちゃったね。」

金満　潤

…優斗、俺をあんまり弄ぶなよ。もっと好きになるから。

善光　優斗

「もっと好きになってよ。」

金満　潤

んんっ！！ふぅー…

善光　優斗

「金満君かっこいいね。」

金満　潤

優斗、襲うぞ。

善光　優斗

ふふ、怖いなぁ…

善光　優斗

「けど金満君、本当にかっこいいよ。バイクも運転出来るなんてすごいし。」

金満　潤

あぁ、昨日初めて乗ってみたんだが簡単だったなぁ。

善光　優斗

……ん？

善光　優斗

キノウ、ハジメテ、バイク、ノッタ…？

善光　優斗

…なんだ…これは…言葉はわかるのに、意味が理解らない…。

善光　優斗

「金満君…バイク…初めて……乗ったの…？」

金満　潤

ん？あぁ、昨日初めてだな。優斗が出かけるって聞いたから急いで俺は………

善光　優斗

金満君がベラベラ喋ってくれるが、頭に内容が入らない。代わりにどんどんと血の気が引いて手が震えてくる。バイクに乗って夜風にあたっているからかな、いいや絶対違う！！

善光　優斗

僕は震える口を無理矢理開いて、禁句を口にした。

善光　優斗

「金満君…免許は…？」

金満　潤

持ってないぞ？そんなもの。

善光　優斗

うぅぅキィヤァァァァァァァァァァ嗚呼ぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！！！

善光　優斗

コッ、ココ、コイツゥゥうう…やりやがったッ！！

金満　潤

別に、そんなもの無くても運転技術はあるんだ。問題無いだろう。

善光　優斗

「え？え、え？」

善光　優斗

「金満君本当に免許持ってないの？！」

金満　潤

婚姻届はいつでも携帯しているが。

善光　優斗

「そういうの今いいから！！」

金満　潤

あぁ、持ってない。

善光　優斗

「えっ、じゃあ何でバイク運転してんの？！あっ、ひょっとしてあれ？金満財閥の権力とかそういうので、免許取らなくてもバイク運転していいとか、そういうのあんの？！？！」

金満　潤

いやまぁ…出来なくは無いが…。まぁ、もし億が一でも何かあれば、もみ消そうと思えばもみ消せるな。

善光　優斗

もみ消せるぅっ？！もみ消せるって何？じゃあ逆にもみ消さなかったら、やっぱり問題なんだやっぱり犯罪なんだ！？！

善光　優斗

「なんっっっっで？！？！免許取るの面倒だったの？なんで免許取らなかったの？！？！」

金満　潤

優斗、大型二輪は18歳以上からだ。

善光　優斗

……うっわ…。

善光　優斗

最初に思ったんだよ。バイクの免許高校生で取れるのかって…。たぶん取れるけど、この金髪クソヤロウは年齢と倫理観と社会性が足りないから、免許取らなかったんだ！

金満　潤

優斗！高速乗ろう！！平日の夜だから、きっと少ない。飛ばしまくるぞ！！

善光　優斗

「ちょ、いや、やめ、金満君？！？！」

金満　潤

さぁ、優斗！夜のウェディングロードを駆け抜けるぞ！！

善光　優斗

「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！」

善光　優斗

だれか、誰か、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーー！！！！！！！

愛が重いよ、金満君。

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愛が重いよ、金満君。

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