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鬼ごっこ

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鬼ごっこ

1 - 鬼ごっこ

♥

311

2018年10月06日

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なあ、雅也。今度肝試し行かね?

雅也

えー、なんだよ急に。やだよ。こえーじゃん

面白い場所聞いたんだって

行こうぜ。土曜部活休みだろ。夜行こう。

雅也

うーん、わかった

じゃあ、土曜な

土曜 夜

雅也

で、どこ行くんだ?

夜鳴峠の廃トンネル

何年か前に新しい道路ができて、今は使われてない道なんだ

雅也

へー

なんでも江戸時代に掘られたらしい

雅也

すげーな

この道を行けばあるはず

雅也

道ボコボコだな

もう整備されてないからな

雅也

お、あれじゃね?

多分、そうだな

目の前には、岩肌にぽっかりと口を開けたようなトンネルの入口があった

雅也

不気味だな

ああ

ここは、鬼が出るらしい

雅也

へ?鬼??

うん。江戸の昔から、夜鳴峠を越える旅人を食う鬼がいたらしい。

鬼を回避するために、隧道(トンネル)を掘ったけど

それに気付いた鬼は、この隧道に身を隠して、旅人をおびき寄せて、また人間を食らってた

それは現代まで続いてる

雅也

雅也

だってさ

雅也

鬼ねぇ…

雅也

幽霊のほうがまだ信じやすいな

だな

入るか

雅也

ああ

真っ暗の中、懐中電灯の光を頼りに進む

先は見えない

雅也

なかなか出口につかないな

そんなに長くないはずなんだけどな

雅也

…なあ

雅也

気のせいかな

雅也

後ろから足音がする気がする

俺もだ

雅也

いっせーので振り向くか

雅也

わかった

いっせーの!!

くるっ

!!!!

雅也

!!!!

懐中電灯が

照らす先には

異形の者が。

その姿は

まさに、鬼だった。

でた!!!!

雅也

うわぁぁぁぁ!

走れっ!!

俺達は走った。

無我夢中で。

振り向かなくてもわかる

今にも鬼が捕らえようと手を伸ばしている

その時

雅也

あっ!

ズシャッ!!

雅也の足がもつれ、転んでしまったのが横目で見えた

雅也!

雅也

う、う…

雅也

うわぁぁぁぁぁ!!

振り返ると、鬼が雅也の足を掴んでいた

ひぃっ!

そのまま、俺は雅也を置いて逃げてしまった

はぁ!はぁ!

あれからどのくらい走り続けているのだろう

1時間?

2時間?

1日?

1週間?

いや、もっとかもしれない

息が上がる

のどがひりつく

だけど、立ち止まるわけにはいかない

鬼に捕まる

雅也

…なあ、仁

雅也

お前はどこに行ってしまったんだ?

雅也

あの時

雅也

俺は鬼に捕まった

雅也

てっきり、喰われると思ったら

雅也

鬼は走り続ける仁を追いかけた

雅也

雅也

そのまま俺は気を失ってしまい、気がついたら日曜日の昼だった

雅也

俺を置いてお前は家に帰ったのかと思ったら、お前はいなかった。どこにも。

雅也

すぐに、親や警察に連絡して、お前を探してもらったけど

雅也

お前は見つからなかった

雅也

どこに、消えてしまったんだ

雅也

…あれから、もう10年だ

俺は立ち止まることはできない

捕まるまで

鬼ごっこは終わらない

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