どうしてこんなに イライラするんだろ。
オレは亀ちゃんが好きで、 皆のことが好きで…。
皆で、強くなりたくて…。
けど。強くなったけど。
ねぇ、つまんないよ。
頭取になった。
一ヶ月経った。
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
皆で競争して、 この山を登ったら。
オレの何かが、 ぱっと変わると思っていた。
でも、なんにも変わらない。
すっごい景色が、 見られると思っていた。
でも、なんにも見えない。
兎耳山 丁子
ねぇ、つまんないよ。
どうして?
十亀 条
十亀 条
最近、亀ちゃんには こればっかり言われちゃう。
兎耳山 丁子
オレは、亀ちゃんが好きなのに。
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
そう思ったら、 もう歯止めがきかなかった。
ドサッ
亀ちゃんの腕を押さえつける。
十亀 条
十亀 条
身動きがとれないように。
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
十亀 条
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
十亀 条
十亀 条
十亀 条
押さえつけていた手を放す 代わりに、思いっきり亀ちゃんの 首に力をこめる。
何かが壊れる音がした。
十亀 条
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
十亀 条
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
十亀 条
亀ちゃんが、苦しそうに 足掻く声が聞こえた。
十亀 条
亀ちゃんの大きい手が、 弱々しくオレの腕にしがみつく。
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
十亀 条
指先に力を込める。
亀ちゃんの存在の輪郭を なぞるように、確かめるように。
十亀 条
亀ちゃんの手が、力なく解かれた。
兎耳山 丁子
絞めつけている手の甲に、 まだ熱を帯びた水滴がつく。
それが亀ちゃんの涙だと 気づくのに、少し時間がかかった。
兎耳山 丁子
手の甲のそれすらも たまらなく愛しかったのを 今でも覚えている。
でも、だけど。
あの時亀ちゃんが どんな顔をしていたのか、 オレはずっと思い出せない。
第10話・盲目とアジタート Fin
ごめんよ亀ちゃん… けどやっぱり好きなんだよ…
次回もよろしくお願いします☺️
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