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心配性な執事とツンデレお嬢様の甘々Loveストーリー

第1話 - 心配性な執事とツンデレお嬢様の甘々ラブストーリー第1話『日常』

456

2020年10月02日

#恋愛

#ファンタジー

#年の差

#大人の恋愛

夜桜魅梨/よざくらみり

朝日が上がり執事の神崎は担当している留美お嬢様の部屋の扉を2回ノックすると、

「留美お嬢様、失礼致しますね…」

と言い、部屋の扉を開け。

日差しが降り注ぐなか、部屋のカーテンを丁寧にあける。

そしてベッドで可愛らしく眠っている留美に声を掛けた。

「ん……なによ、もう朝……？」

留美が手で目を少し擦り、眠たそうに言う。

神崎翔也【執事】

朝でございます。

神崎翔也【執事】

留美お嬢様、おはようございます

私に礼をする執事の翔也……

和田留美【お嬢様】

ねえ、私達……付き合ってるのよね…？

和田留美【お嬢様】

神崎翔也【執事】

はい、そうですが……？

翔也が当たり前とでも言うような顔をした

和田留美【お嬢様】

そ、そうよね……笑

和田留美【お嬢様】

って、それよりも……

和田留美【お嬢様】

今日は学校もないし

和田留美【お嬢様】

訓練だって夜からの筈でしょ……？

神崎翔也【執事】

お嬢様、寝ぼけているんですか…？

和田留美【お嬢様】

え…？

神崎翔也【執事】

今日は

神崎翔也【執事】

夜櫻町の安蘭様の息子・川井宏樹さんとお見合いする日ではありませんか。

“お見合い”

その単語を耳にし、昨夜のことを思い出す。

留美は帰宅すると、疲れていたせいか紅茶と間違えてウイスキーを呑んでしまい。

自分の部屋の前で倒れてしまったのだ。

神崎翔也【執事】

留美お嬢様……！！

それに気付いた執事の翔也が留美をお姫様抱っこすると部屋のベッドまで送り────

和田留美【お嬢様】

（んぅ……この匂い、翔也…？）

和田留美【お嬢様】

（……安心する匂い……好き───…）

和田留美【お嬢様】

（まさか、あの時…！）

和田留美【お嬢様】

あ～、そ、そういえばそうだったわね……！笑

神崎翔也【執事】

留美お嬢様、酔って忘れてたんじゃないですか？

和田留美【お嬢様】

そ、そんなわけないじゃない？

神崎翔也【執事】

あれ、おかしいですね

神崎翔也【執事】

私が酔って部屋の前に倒れ込んでるお嬢様をベッドまで連れて行く間に

神崎翔也【執事】

私に急に抱きついて『好き─』って言ってきて

神崎翔也【執事】

私の頬にキスをしてきたんですがね…？

和田留美【お嬢様】

う、うそ…？！

神崎翔也【執事】

まぁキスは嘘ですがね笑

和田留美【お嬢様】

も、もう……っ！

和田留美【お嬢様】

（ん、でも待って……キス“は”ってことは……）

和田留美【お嬢様】

（わ、わたしったら好きって言って翔也に抱き着いたの……っ？！）

神崎翔也【執事】

それはそうと、留美お嬢様

神崎翔也【執事】

あと1時間で川井様が到着するそうです

和田留美【お嬢様】

あ、そうだったわね…！

和田留美【お嬢様】

早く支度しなきゃ……っ

神崎翔也【執事】

では、フロントで旦那様がお待ちしておりますので。

神崎翔也【執事】

私もいますので準備が出来たらフロントまでお願い致します

和田留美【お嬢様】

ええ、わかったわ。

フロント

和田留美【お嬢様】

お父様、お待たせ致しました。

留美の父親

ああ…よし。

留美の父親

川井家がもうすぐ着くそうだ。

留美の父親

今回の見合いは神崎もいるし、何も無いと思うが…

留美の父親

最近この近辺で

留美の父親

見合いで女性を狙って、女性を口説き良い雰囲気になると

正体を表し、人間の女だろうが魔族の女だろうが喰らい尽くす

留美の父親

人間の男に化けた魔族がいるらしいから

留美の父親

気を付けろ。

和田留美【お嬢様】

なんて、最低な……

和田留美【お嬢様】

しかも魔族……

和田留美【お嬢様】

お父様、そいつの族姓は…？

留美の父親

デビルだ。

留美の父親

そして、別名『デッド・ヒイル』だ。

和田留美【お嬢様】

デビル…？

和田留美【お嬢様】

あれ、でもデビルは洞窟でしか暮らせない筈じゃ……

神崎翔也【執事】

今回のデビルは普通のデビルとは違うようです。

翔也が今事件のデビルについて話し始めたとき。

和田留美【お嬢様】

えっ、それってどういう───

カランカラン

事件のことについて話していた間に鐘がなり──

メイド

川井様一家が到着致しました…！

メイド達が声掛けをし川井一家を笑顔で招き入れた。

そしてこっそりと耳元で父が留美に言った。

留美の父親

呉々も、例の魔族に気を付けるんだ。

留美の父親

まぁ、なにより……

留美の父親

見合いで私に恥をかかせるようなことはするなよ。

和田留美【お嬢様】

……はい、勿論。

和田留美【お嬢様】

（ふふ……やっぱりお父様には敵わない）

私には付き合ってる恋人がいる。

愛してる人がいる。のに……

お父様は私の話に耳を傾けようとしないで、勝手に見合いを決めてくる───

和田留美【お嬢様】

（翔也は、嫌じゃないの……？）

和田留美【お嬢様】

（私が、他の男性と見合いなんてしても……っ）

神崎翔也【執事】

留美の父親

───それでは

留美の父親

あとは若い者同士、おふたりで中庭にでも行ってゆっくり話すと良い。

川井宏樹

有難う御座います。

川井宏樹

では、留美さん、行きましょうか。

和田留美【お嬢様】

ええ…そうですね

中庭

川井宏樹

実は僕さ、女嫌いなんだ

和田留美【お嬢様】

え……？

『女嫌い』…彼の言葉に耳を疑った。

和田留美【お嬢様】

え、じゃあなんでお見合いなんかに───

川井宏樹

でも、留美さんは嫌いじゃないよ

和田留美【お嬢様】

それは、どうして…？

川井宏樹

僕は、何度も見合いしてきたけど

川井宏樹

世の女性、みんな

川井宏樹

僕がお父様の跡継ぎだから結婚したいと思ってる

川井宏樹

みんな、金目当てだった。

川井宏樹

だから、女なんて信じられない……

川井宏樹

そう思ってたけど

川井宏樹

留美さんは違った。

和田留美【お嬢様】

でも私は魔族よ？

川井宏樹

留美さんは、優しくて、可愛い以上に凛々しくて美しい。

川井宏樹

こんな気持ちになったの初めてでさ……っ

川井宏樹

良かったら、僕と結婚してくれないかな…？

和田留美【お嬢様】

ごめんなさい、貴方の気持ちは嬉しいけれど

和田留美【お嬢様】

私には、もう恋人がいるの

和田留美【お嬢様】

見合いは断りたいけど仕方なくしてるだけで

和田留美【お嬢様】

私はもう、婚約を決めてる人がいるから──

だがその時、川井の顔色が青ざめていった。

和田留美【お嬢様】

……！！

和田留美【お嬢様】

（こいつ、人間じゃない…？）

和田留美【お嬢様】

……っ！

和田留美【お嬢様】

あんた

和田留美【お嬢様】

もしかして、『デッド・ヒール』……？

川井宏樹

デッド・ヒール

まさか私の正体を見破るとは

デッド・ヒール

さすがは、留美お嬢様だ笑

苦笑いしながら留美に小さく拍手をした。

和田留美【お嬢様】

……あ、あんたは…

和田留美【お嬢様】

デビルなのよね？

デッド・ヒール

そうだが？

和田留美【お嬢様】

でも……デビルは洞窟でしか暮らせない筈よ…！

デッド・ヒール

種族はデビルではあるが

デッド・ヒール

俺は第2形態象のデビルだ。

和田留美【お嬢様】

なんですって……？

一気に状況が変わる。

和田留美【お嬢様】

女性を口説いては、安易に喰らい尽くす所業

和田留美【お嬢様】

あんたのしてることは有るまじき行為よ。

和田留美【お嬢様】

だから、あんたがまた誰かを喰らい尽くす前に

和田留美【お嬢様】

私が始末するわ……！

デッド・ヒール

さすが伝説の魔王の娘だ。

デッド・ヒール

その威勢だけは褒めてやろう

和田留美【お嬢様】

（確かに、洞窟に住むデビルよりも第2形態象『デッド・ヒール』は普通のデビルよりも強力な力を持っている。）

和田留美【お嬢様】

（油断したら、死ぬ）

和田留美【お嬢様】

（だ、大丈夫……私は魔王の娘よ…っ）

和田留美【お嬢様】

（訓練だっていつもいつもしてきた……！）

和田留美【お嬢様】

そんな口を叩けるのも今のうちよ

和田留美【お嬢様】

すぐに捩じ伏せてあげるわ。

デッド・ヒール

ほう？

デッド・ヒール

では、こちらからいくとしよう

数分後─

留美は可也おされていた

和田留美【お嬢様】

（やっぱり、想像以上、ね…っ）

和田留美【お嬢様】

はあ…はぁ…

デッド・ヒール

なんだもう息切れか？

デッド・ヒール

さっきまでの威勢はどうした笑

和田留美【お嬢様】

な、舐めないで…っ！

再び剣と剣を打（ぶ）つかり合わせ、遣り合う2人。

だが─

和田留美【お嬢様】

…………っ！

デッド・ヒールが突然引き下がり

デッド・ヒール

もう少し楽しみたかったんだがな

デッド・ヒール

魔族風情がこの私に叶うわけあるまい。

デッド・ヒール

所詮は女

デッド・ヒール

女に剣士は務まらんのは事実のようだな笑

去ろうとするデッドヒールの羽を掴わみ

デッドヒールが留美の方を振り向いたその時

和田留美【お嬢様】

まだ、終わってない──

デッド・ヒール

なにがだ。

ズキン───────ｯｯ

留美がデッド・ヒールの心臓を剣で突き刺した。

和田留美【お嬢様】

女は弱くなんかない

和田留美【お嬢様】

女剣士は弱くなんかない…！

デッド・ヒール

お、己…っ…！

和田留美【お嬢様】

地獄で精々喚くが良いわ。

デッド・ヒール

ふふふ……

和田留美【お嬢様】

……っ！！

和田留美【お嬢様】

な、なんで………っ！！？

和田留美【お嬢様】

(確かにコイツの弱点である心臓は刺し貫いたはず…！！)

デッド・ヒール

俺は心臓を殺られようが、脳がやられていなければ問題ないというわけだ

和田留美【お嬢様】

そっそんな……！

和田留美【お嬢様】

(私の…計算ミス……っていうの、？)

デッド・ヒール

だから言っただろう

デッド・ヒール

生温いとな…！

和田留美【お嬢様】

きゃ……っ！

地面に倒れ込んでしまった留美

デッド・ヒール

さあ、貴様も私の餌となるが良い。

デッド・ヒール

フハハハハハハ！！

留美の体を跨って牙を剥き出したデッド・ヒールが留美を喰らおうとした。

その時──

シュ───ｯ

和田留美【お嬢様】

（…ゆ、弓矢…っ？）

飛んできた弓矢がデッド・ヒールの脳に命中し

デッド・ヒールは跡形もなく溶け始め、砂埃のようになって消えていった。

和田留美【お嬢様】

（まさか…っ！）

神崎翔也【執事】

留美お嬢様……っ！！

神崎翔也【執事】

ご無事ですか……？

矢が飛んできた方に目をやると

焦って留美に駆け寄る翔也がいた。

和田留美【お嬢様】

翔也……！

神崎翔也【執事】

お嬢様、腕が─

和田留美【お嬢様】

私の生業上、仕方ないし

和田留美【お嬢様】

これくらい、大丈夫よ笑

和田留美【お嬢様】

私が弱かっただけ。

和田留美【お嬢様】

翔也が来なければ私、

和田留美【お嬢様】

死んでたかもしれないわね笑

神崎翔也【執事】

お嬢様……っ

和田留美【お嬢様】

翔也、ありがとう。

神崎翔也【執事】

いえ、留美お嬢様を護るのが私の役目ですので。

神崎翔也【執事】

それに……

和田留美【お嬢様】

え、なに…？

神崎翔也【執事】

一応、恋人ですので。

和田留美【お嬢様】

……っ

少し頬が赤くなる留美

和田留美【お嬢様】

い、一応はいらないでしょ！

神崎翔也【執事】

ふふっ笑

和田留美【お嬢様】

でも私、まだまだね笑

神崎翔也【執事】

留美お嬢様…

神崎翔也【執事】

もう一人で抱え込むのはおやめくださいね

和田留美【お嬢様】

え……っ？

神崎翔也【執事】

無理してるのが丸見えですよ

和田留美【お嬢様】

……！

神崎翔也【執事】

私はお嬢様の担当執事です。

神崎翔也【執事】

お嬢様が5歳の頃からずっとお傍にいるのですから

神崎翔也【執事】

お嬢様のことなら何でもわかりますが、無理はしていないとでもいいますか？

和田留美【お嬢様】

…っ……

和田留美【お嬢様】

ズルいわ…よ…っ

等々…泣き崩れてしまった留美

神崎翔也【執事】

お嬢様、今日はゆっくりお休み下さい

和田留美【お嬢様】

だ、ダメよ…っ！

和田留美【お嬢様】

今日の訓練がまだ終わってない…

神崎翔也【執事】

お嬢様は無理しすぎです

和田留美【お嬢様】

私は誰よりも気高く強く生きていなきゃいけないのよ…っ？

和田留美【お嬢様】

それは翔也もお父様から甘やかすなといわれているでしょう。

神崎翔也【執事】

はい、ですが……御安心ください

神崎翔也【執事】

これは甘えではなく

神崎翔也【執事】

私が好きでやっていることで御座いますので。

和田留美【お嬢様】

いや、そういう事じゃなくて──

チュ──────っ

急に翔也が留美に啄むようなキスをした。

和田留美【お嬢様】

…ん…っ？！

神崎翔也【執事】

少しは落ち着きましたか？

和田留美【お嬢様】

え…っ

和田留美【お嬢様】

う、うん…

気付けば涙は止まっていた。

和田留美【お嬢様】

わかったわ…明日からまた頑張ることにするわ

神崎翔也【執事】

精一杯サポートさせて頂きます…♪

和田留美【お嬢様】

まぁ、休憩も大事よね…！

神崎翔也【執事】

はい…♪

爽やかな笑顔でニコッと返事を返してくれる翔也に留美は優しく

和田留美【お嬢様】

翔也

神崎翔也【執事】

はい、なんでしょう留美お嬢様…？

和田留美【お嬢様】

好き、いいえ

和田留美【お嬢様】

愛してるわよ──

チュ───

留美は上機嫌で愛を告げて翔也の頬にキスをした。

第1話『日常』fin

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ドキドキ＆キュンキュンしました……！！執事とお嬢様、って身分違いの恋かもしれないけれど2人には永遠に結ばれて欲しいです👀✨

夜桜魅梨/よざくらみり

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