神と修羅

行いによって友人を つくるよりも、 言葉によって 敵をつくることが多い。

––– ジョン・チャートン ・コリンズ 『イングリッシュ・レビュー』

僕は堪えきれず 力いっぱいの拳を 彼目掛けてお見舞い しようとした。

その時だった。

と、百目鬼さんは僕の頭を 力強く掴み静止させた。

僕はそれを振り払おうと したが、すぐにそれをやめた。 なぜならば...

僕の眼球と空中に浮かぶ 刺身包丁が睨めっこを していたからだ。

僕は思わず力が抜けてしまった。 それと同時に百目鬼さんの手は 僕の頭を離し、へにゃと その場に僕は座り込んだ。

というと浮かんでいた 刺身包丁はボワッと消えた。

僕が地面に座っていると 何かを思い出したかのように 百目鬼さんが言った。

マズイ、全部バレた。

その場の空気が一気に凍りつき 僕と虎走さんは恐ろしいほどの 殺気を感じ取った。

僕は死を覚悟した。 しかし事態は思わぬ展開を見せた。