ねえ知ってる?
何を?
新しくできる学園のウワサ!
白藤学園っていうんだって
学園?
さあ?でも来年から高校生を募集するって
ふーん、まあ興味ないかな
…そう?
私は、気になるなぁ────。
この通学路を通って生徒たちは毎日登校します
街の中でも緑の生い茂っているここでは───
藤薫
…
藤薫
(私立白藤学園)
藤薫
(去年創立し今年開校したばかり)
藤薫
(…なのになぜ)
藤薫
(こんなに心が惹かれるのか───)
それを明確に示すなら
きっとコレ、なんだろう
…っおい!!!
お前ら!!!!!
ごめんなさいっごめんなさい…っ
ふわっとブランケットを浮かす
藤薫
(魔法が使えるんだから───)
藤薫
(この"記憶"は…妄想なんかじゃない、はず)
"前世"
その言葉は夢物語のファンタジー的なモノで
実際にはダレも、信じてはくれない
藤薫
(…でも)
藤薫
(鮮明に覚えている)
藤薫
(みんなが死んだ、あのときを────。)
みんな高校どっか行くのー?
もちろんこのまま進級だよ!
だよねーっ
てかさ、そういえば藤薫って白藤に編入するって聞いたんだけどまじ?
藤薫
んー?
藤薫
はは、実はそうなんだー
ええ!ウソーッ!?白花やめるの!?
藤薫
そー、私がいなくて寂し?
あははっ!!なーに言ってんの!笑
藤薫
おい爆笑
…でもさ、こうやってノリだと笑えるけど…寂しいよぉ〜
藤薫
藤薫
…それは、ありがたいなぁ
藤薫
ていうかなんで知ってんだ笑
うわさうわさ!笑
なーに、藤薫新しいとこ興味あるとか?
藤薫
────…そんな感じ、かなぁ
自分でも分からないその理由を聞かれてもうまく答えられないけれど
顔も名前も興味のない、私の"仲良し"の彼女らと
お別れすることは寂しくなんてなかった
アース
それがこの国の名前だ
それに抗うでもなくずっとだらだらと生きてきた
藤薫
(昔のあの国は───)
藤薫
(こことは別の世界、だった気がする)
〜〜♪
めったにならないインターフォンが音を立てる
返事をせずにドアに向かう
藤薫
誰〜
…すみません、少しお話ししたいことがあって
藤薫
誰か聞いてるんだけど
藤薫
…まあいっか
はあ、とため息を吐きながら扉を開く
するとそこにはほとんど話したこともない同級生がいた
藤薫
…で、どーしたのォ
マンションに付属している小さな公園のベンチに腰掛ける
…どうして、白藤に?
藤薫
…はぁ?
天喰サンて、白藤学園に行くんですよね?
藤薫
うん、そうだよ
藤薫
でも見知らぬやつに理由を言う必要を感じなーい
大げさに肩をすくめると彼女はくすりと笑った
…やっぱり、似てます
ドクン
心臓が大きく波打つ
藤薫
────誰と重ねてるんだ
ごめんなさい、いきなり失礼しました
…天喰サンて今みたいに、たまに昔の人みたいな口調をしますよね
藤薫
…別に?なんで知ってんの、ストーカー?
藤薫
もういい?
少し…お話してみたかったんです
藤薫
…
すくっと立ち上がるとムシして歩き出す
────あの
じつは私も…白藤志望なんです
藤薫
────…そう
何故か強く、ここに行かないとだめだと思ったんです
これは…偶然なんですかね
藤薫
(…同じ)
藤薫
(惹かれて、焦がれて、ここじゃないとダメだと思う)
藤薫
(でもそれもこいつのことも───)
藤薫
意味がわからない
藤薫
帰る
平静を装ったまま少し早歩きになる
それでも心音は正直で、ドクドクと大きく揺らめく
…なのになぜこんなに心が惹かれるのか───
藤薫
(そう、同じような、ことを、思った)
…白藤学園は一体なんなのか
どうしてこんなにも自分たちを引きつけるのか
過ごしてみればなにか変わるのではないかと期待ばかりが募った






