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【ちび女神達と】

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【ちび女神達と】

52 - 【心の燃料はやがて燻りて(序章)】

♥

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2023年01月22日

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燎煉火力発電所

読者さん

(ほい……)

読者さん

(ほい…………)

読者さん

(ほ……い)

空き缶を潰す手は非常にゆったりとして

まぶたはもうくっつきそうなほど重い

時刻は十九時五十八分

智美

(ふぅわぁ……)

智美

(……)

空き缶の乾いた音が響く

部屋の外からの轟音はあれど

雰囲気で言うなら無音とも言えるものだ

読者さん

(うぁ……)

読者さん

(ねっむい……)

智美

(……)

智美

(……)

居眠りをことごとく注意する彼女もごらんの有様

椅子に座って腕と脚を組んで

起きてるのか寝てるか曖昧な水面の狭間で船を漕ぐ

読者さん

(……)

読者さん

(……)

その時だ

夜の二十時

終わりの始まり

智美

はいっ!!

智美

お仕事終わり!!

読者さん

うぉっ!?

手をパンっと叩く音でびっくりして眠気が吹き飛ぶ

あんまり急だったのでびっくりして心臓が飛び出そうなほど

それほど彼女が豹変して勢いよく起き出すのだが無理もない

智美

はいはい手を止めて

智美

それ以上やってもサビ残で給料でないからね

智美

お疲れさんってね

読者さん

なんだか同じ作業って単純だけど心が疲れるんですね

智美

そうね

智美

単純な軽作業を延々とやれる精神力の持ち主ってスゴイわよね

智美

私尊敬しちゃう

智美

消耗して音を上げるまで使い倒したくなるわ

読者さん

うわぁ……

読者さん

超ブラックだぁ

智美

果たしてそう思えるかしら?

智美

まぁそんなことよりさっさと作業着脱いで終業の支度しなさい

智美

もっと働かせるわよ

読者さん

そりゃ勘弁してほしいですよ

読者さん

もう手が動きませんって

読者さん

明日は筋肉痛が確定かな

まさにその疲れは疲労困憊

だが……

よく働いたと実感できる気持ちのいい疲れ方だろう

智美

着替えたら私の部屋に来るように

智美

ではでは〜

読者さん

は、はぁ……

智美

何よ……

智美

お賃金いらないわけ?

読者さん

いりますいります!!

読者さん

めっちゃいりますから!!

智美

なら早く着替えてきなさい

智美

一分で着替えな

智美

それ以上待てないし……

智美

何より私は定時であがりたいの

読者さん

無茶言わないでくださいよ

読者さん

そんな早着替えできるわけ

智美

なら無しね

智美

出来るか出来ないかじゃないの……

智美

やれ

読者さん

んひぃ……

智美

嘘よ

智美

焦らず着替えてきてね

智美

まぁ……

智美

普通に着替えてきなさいよ

そう言い残すと彼女は部屋を後にする

自分も送れないように部屋を出る……

誰も居なくなった無音の部屋に施錠の音が静かに終わりを告げた

【ちび女神達と】

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