テラーノベル
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雨が土砂降りに降り、人々が傘をさしながら歩いている中、
俺は独り、傘をささずに走り続けていた。
周りの心配そうな目線だけが、俺の体にひしひしと伝わってきた。
けど、傘をさす時間すら、今の俺には勿体なさすぎる時間だった。
それに、傘を持たない方が走りやすくて、早い。
打ち付ける雨が、段々と強くなり始める。
雨が、俺の体の体温をどんどん奪っていく。
けど不思議と、体温はずっと暖かくて、寒くなんて感じもしなかった。
Mikoto
Mikoto
ほんまにどこにおるんッ!!
ただ冷えた冷たい周りの空気。
それを掻き分け、ただ進んでいく。
不安や焦り。
それだけじゃない。
色んな感情が交差して、俺の中で渦巻いている。
痛い。 なんでこんなにも痛いんやッ
分からない痛みを流すかのように雨が降る。
だけど、そんな痛い気持ちはあまり流れず、積もっていく。
Mikoto
息が荒くなり始める。
今まで走った分の疲労が溜まり、足も痛みを上げ始める。
けど止まってしまえば、すちくんを失う。
そんな気がして、俺の足は止まらず、ただ走り続けた。
※雨が降っていると思ってください※
Mikoto
流石の俺でも疲れたのか、走っていた足はいつの間にか歩きになる。
それでも尚、俺の足は止まることはなかった。
少しでも、少しでも前に進んで、すちくんを探す。
そんな内に、俺は海岸沿いの道路に居て、歩道の道をゆっくりと歩いていた。
それと同時に雨も強さを増し、
海は雨によって水の量が増量し、黒く、怖く、凶暴化していた。
この沿岸沿い以外にも、沢山走り回った。
けど、行った場所。
どの場所にもすちくんの姿は見当たらなくて、
らんらん達からも、「見つかった」という連絡もない。
そうなると本当に彼は居なくなってしまったようで、
不思議と涙が溢れ出てくる。
溢れた涙は、
すちくんが居なくなるという悲しさか、
それとも違うものか。
答えは見つからないまま、迷宮入りしていた。
※雨が降っていると思ってください※
Mikoto
今まで動かしていた足を、思わず止める。
懐かしさが溢れはじめる。
幼い頃6人で、海がある砂浜へと続くこの横断歩道がある道を、
よく歩いては、海へと行っていた。
懐かしさに駆られ、
鉛がついたような足を動かし、横断歩道を渡る。
雨だけが、周りの静けさをなくし、
俺と世界の時をかき消しているかのように振り続ける。
すちくんが、ここに居ればな───
甘すぎる理想像を頭の片隅に残しながら、
手を砂浜に入る1歩手前の手すりに置く。
少しゆっくりと左から右へと目線を動かしながら、
ただ雨によって荒れ果てた海の景色を見つめる。
その行為は俺が既に、すちくんを諦めたようで、
けど実際。
もうすちくんが見つかることを諦めかけていた。
───もう動かない足だけが、その意図を理解していた。
それでも尚、やはり諦めきれない自分がいて、
踏ん切りがつかない、自分が居た。
Mikoto
Mikoto
独りで泣き始める。
頬に伝った涙は、雨なのか涙なのか。
きっとどちらともなんだろう。
俺が泣けば、すぐに駆け寄ってきて慰めてくれる彼は今ではもう居なくて、
それだけで、心が強く締め付けられる感覚があった。
視界がぼやけ、目を擦る。
その時、砂浜に1つの青い物が何かあった。
目を凝らしてよく見ると、それは学校の鞄で、
「もしかしたら──」
そんな気持ちで、疲れ果てた足を無理矢理動かしながら、
走ってその場所へと向かう。
※雨が降っていると思ってください※
Mikoto
Mikoto
そばに近づいてよく見てみると、それは彼の学校用の鞄で、
その目印に昔俺があげた、王冠のキーホルダーがかがげられていた。
暫くその場に、固まる。
近くにすちくんは見当たらない。
でも彼が、これ《学校の鞄》だけを置いて、どこかへ行くとも考えられない。
俺の目線は自然と、
────海へと向いていた。
Mikoto
それに答えるかのように、波が大きくこちらに来て、足元を濡らす。
その行為はまるで、「そうだよ」と俺に問いかけているようだった。
打ち付ける雨はまた、強くなり始める。
それもまた「行け」とでも俺に言うかのように、背中を押す。
Mikoto
Mikoto
Mikoto
幼少期、沢山遊んだ砂浜を背に、俺は海へと歩き始める。
水の温度は冷たく、暖かく感じた体温を奪っていく。
海の水が胸元まで来た。
きっと次進めば、もう足もつかないだろう。
俺は軽く足で海底の底を蹴り、少し浮いてから思いっ切り息を吸い込む。
そして、
大切な彼が居る
海へと飛び込んだ__。
16話 海 _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
14件
えまってまって😭 🍵くん多分靴置いて 裸足でどっか行ってたんだよ😭 海行かないでえええ せめてグルで伝えようよお そんな覚悟を決めたようなこと するの許さないからね?! でもかなちゃんの癖で このようなことにしてる?🤭 楽しみすぎる😋 2/16誕生日だったから かなちゃんからおめでと 欲しいです🥹
え?ちょっと待って、大丈夫かな? 心配と見たいが交わって
えぇ!?、、、ちょっ、、、まじぃ!? いや、大丈夫なはず、、、怖ぇよ、死んでないよね、、、うん、、、