コメント
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あけましておめでとう!! soraくんやっぱり伏線回収うますぎる… もう、紫ちゃんしんどいって、でも水くんいてくれてよかった、、
あけましておめでとうございます! 今までの冒険を振り返るような話でこんな伏線があったなんてビックリしてますw 今年もよろしくお願いします!
あけましておめでとうございます! 同盟の話だけじゃなくて他にも沢山伏線張られてたとは…!! soraさんにはいつも驚かされます… 白ちゃんの辛さが少しでも軽くなりますように!
あけおめです!!!!
第37話で年賀状的なの貼り付けてたのでこの連載でお正月を迎えるのは2度目なようです。マ???( 時の流れは恐ろしいですね...
今年もなにとぞよろしくお願いします。
2025/1/1投稿
第59話
「答え合わせ」
紫
桃
おじいさんは初兎ちゃんは捨て子ではなく戦争孤児だと言った。多分この言葉の中に嘘は無い。
そんな惨い嘘をつく人では無いし、初兎ちゃんのことを1番大切に思ってるのはこの人だからだ。 冗談でもそんなことは言わないだろう。
しかし嘘ならどれだけよかったか。 勇者の彼は見たことないほどに青ざめていた。
青
紫
紫
桃
紫
紫
おじいさん
おじいさん
おじいさん
初兎ちゃんが火事で両親を亡くしたという"設定"はその時から始まったのだろう。
それにしても悪夢の話なんて始めて聞いた。頻繁に見ていたものなのだろうか。 だとしたらなんで気づいてあげられなかったのだろう。
"悪夢"だなんて言うくらいだ。 ひどく悩まされたのではないだろうか。
紫
おじいさん
紫
水
「火事のせい」か「戦争のせい」か。 初兎ちゃんの中で大きな違いがあるのだろう。 気持ちはなんとなくわかる。
紫
おじいさん
紫
赤
おじいさん
おじいさん
おじいさん
紫
紫
桃
身を乗り出しておじいさんの肩を揺らす初兎ちゃん。 なんとか引き剥がして座らせる。 本人は泣きそうな顔をしていた。
桃
紫
瞳が揺れて今にも泣きそうな初兎ちゃんの背中をさする。 おじいさんは悲しそうな顔をしていた。
それにしても矛盾点がある。
桃
少なくともここの地域に近年争いが起こったと聞いたことは無い。 おじいさんも昔から居ただろうし、ここに住めばよかったのに。
そしたら初兎ちゃんの両親は死ななかったし、初兎ちゃんも守れる。 勇者一族がそれを思いつかなかったはずがない。
おじいさん
桃
その顔にはなにか理由があるのか? 両親が死んでしまった理由が。
おじいさん
おじいさん
おじいさん
黄
おじいさん
おじいさん
青
おじいさん
変化はあまり無いが、まろの一言に少しだけ表情がゆるむおじいさん。 おじいさん自身もその故郷が好きだったことがわかる。
紫
まだおじいさんに対してピリピリしている初兎ちゃんが問いかける。
おじいさん
おじいさん
おじいさん
桃
おじいさん
紫
水
おじいさん
おじいさん
おじいさん
そんな過去があったとは。 自身の師匠と出会ったのもその旅の途中だろうか。
おじいさん
紫
紫
桃
ぺしっと軽く背中を叩くと、口は止まったが「反省はしません」と言いたげな雰囲気で目を逸らした。
水
水
紫
いむにたしなめられてさらに口を曲げるが、「愛されてる」という言葉に思い直したようだった。 そういうとこは素直だよなぁと思う。
おじいさん
おじいさん
紫
おじいさん
おじいさん
おじいさん
紫
おじいさんの本心なのだろう。 ただ、初兎ちゃんに幸せになってほしいのだ。
実の祖父ではないことを隠し、残酷な過去を偽り、それでも平穏に暮らせるようずっと愛を注いでたんだ。 それを「偽物」だなんて決めつける人は少なくともここには居ない。
紫
紫
桃
口に出したら引っぱたかれそうなので心の中で微笑んでおく。 多分みんな同じ気持ちだろう。
紫
紫
おじいさん
おじいさん
紫
おじいさん
紫
紫
赤
紫
紫
桃
水
ほとけっちと場所をチェンジする。 初兎ちゃんを支えながら脈を測ったり肩を叩いたりしているが、彼の瞼はどんどん溶けるように落ちていった。
紫
青
黄
水
赤
水
水
桃
おじいさん
おじいさん
紫
自分の過去をまったく知らなかったわけではない。
教えられた過去と自身の記憶のギャップを感じて、それが疑問となって少しずつ蓄積していった。
例えば、正式パーティーになってすぐのとき。
桃
桃
赤
水
紫
紫
黄
紫
黄
紫
黄
紫
紫
黄
紫
紫
黄
紫
紫
と、完璧に信じていた時期が俺にもあった。
疑問を持ち始めたのはこの日からだ。
『初兎』
紫
予想通り、幻覚にはおじいちゃんが出続けていたが、あきらかにおじいちゃんの声では無い呼び声を聞いた。
あのしゃがれ気味の深い声じゃなくて、花のようで若々しい、でも温かさと安心感みたいなものは変わらない声だった。
紫
お母さん?
赤の他人だと思った。 見たことの無い顔だった。
でも、その笑顔は俺の記憶の端にいる 誰かに似ていた。
お母さん?
紫
お母さん?
お母さん?
後ろから悠くんの呼びかける声が何度も聞こえる。 「倒さなきゃ」。頭の中ではわかっているのに、体は剣すら抜こうとしなかった。
争いってなんのこと? この人は本当に俺の記憶?
お母さん?
紫
お母さん?
炎は見えない。見えないのに、燃えるように指先から消えていく。 塵になって土の上に落ちていく。
やっと手の届く距離まで飛び込んだ時には、もう足まで燃え尽きて塵も消えていた。
黄
紫
黄
紫
あの人は俺のなんなんや...?
一体誰に似てたんや....?
紫
黄
紫
紫
黄
紫
「私の」の先に続くはずだった言葉はなんだったのだろう。
宝物のように思うほどの関係って... 仲間?恋人? もしかして家族?
紫
俺はその日、初めて自分の母の顔を 知った。
〈 敵襲だーッ!!!
紫
赤
北陸モンスター討伐連盟のクエストのときは特に酷かった。
「戦争」という単語が強く頭に響いて、意味ではなく景色が脳裏に張り付いて離れなかった。
いやっ!!まだ死にたくない"っ!!
神様!!かみさまッ"!!
う"ぁぁぁ"ぁぁぁっっ!!!
どけ!!邪魔だぞお前!!
もう...殺して.....っ、殺してくれよ...
泣くな初兎、大丈夫だ
お父さんたちがついている
紫
紫
息の吸い方がよくわからない。 立っていられない。
桃
紫
紫
器官が狭まっていき、視界も暗くなる。
バタッ(倒れる
水
赤
紫
腹の底から湧き上がるような名前のわからない感情が、ただ気持ち悪かった。
青
水
紫
去年の夏もそうだった。
なにか、この火事のような、村の混乱のような、地獄のような景色をどこかで見たことがある気がした。
水
青
お母さん?
お父さん?
紫
紫
どこかで似たようなやりとりを見ていたような。 たしかそのとき、俺はおぶられていて、後ろから熱さを感じていた。
青
青
紫
青
紫
あれも小さい頃の記憶だった?
紫
水
「教えられた自分の過去は本当なのか」 その疑問が確信に変わったのは、東の果のダンジョン攻略中だった。
その時、焦げ臭い匂いと共に俺の中のいろんな記憶が呼び起こされた。
紫
紫
むせかえるほどの花の匂いが、生き物が燃えたときの独特の焦げ臭い匂いに変わったことに気づいた。
いむくんに声をかけようと振り返ったけど、姿は無い。 呼びかけても返事が無い。
紫
紫
紫
気がつけば故郷にいた。 見慣れた家と庭で気温も慣れたものだったけど、久しぶりな景色だった。
自分の身体はなぜか縮んでいて、目線は今の半分より下ぐらいになっていた。
小さい手袋がはめられた自分の手を見て、その時自分がおじいちゃんと生ゴミかなにかを焼いていたのを思い出す。
紫
おじいさん
確かその時、なぜかわからないがたまらなく目の前の火が怖かった。 おじいちゃんの背中側の服を掴んで離せなかった。
紫
紫
おじいさん
おじいさん
ギュッ(抱き上げる
おじいさん
まだ晩ご飯を食べたばかりで、太陽もおちきっていなかったのに背中を優しく叩かれる。
おじいちゃんから伝わる体温で、溶けるように夢におちた。
その夜、たまたま寒さで起きてしまった俺は、おじいちゃんの独り言を聞いた。
ご先祖さまの部屋に正座して、俺の両親の引き出しに手を添えてなにかつぶやいていた。
おじいさん
おじいさん
おじいさん
紫
おじいさん
紫
おじいさん
おじいさん
おじいさん
紫
おじいさん
おじいさん
紫
おじいさん
紫
水
紫
水
忘れかけていたあの記憶。 きっと4歳くらいのときのことだろうから、覚えていないのも当然だろう。
でも今思い返すといろいろ気になることが出てくる。 あの場所だとか、俺にトラウマが残っただとか、聞いた事のない話ばかりだった。
それに、炎に囲まれている景色も見た。 きっと俺の記憶を掘り起こしていたのだろうけど、いつもの夢とは違いやけに現実的だった。
水
紫
紫
最初っからヒントは沢山あったようだ。
幻覚魔法。連盟のときの気絶。 夏の大火災でのフラッシュバック。 頻繁に夢に見る火事の景色。 ダンジョンの匂いの部屋での記憶。
違和感ばかりだった。 たしかに感じていたのに。
わかっていたのに、俺は....
きっと、認めたくなかった。
ガバッッ
紫
水
水
いむくんが優しく手を握ってくれる。 いろんなことを考えすぎてパンクしそうだった頭は急停止した。 それくらい人の温もりに安心した。
水
紫
紫
水
紫
水
水
紫
水
水
紫
紫
紫
水
水
水
紫
紫
まだよくわかってないし、記憶もほとんど戻ってないけど、
今はこれでもいいのかもしれない。
続く