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あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
大阪の背後から伸びた足が、和室の畳を不気味な音を立てて這う。
兵庫
京都が後退るよりも早く、粘着質な光沢を放つ触手が、彼の足首を捉えた。途端に、京都が短い悲鳴を上げる。
京都
吸盤が柔らかな着物の生地を食い破り、直接肌に吸い付く。 冷たく、けれど生き物特有の生々しい熱を持った感触。大阪は一歩も動かず、ただ慈しむような、けれど焦点の合わない瞳で京都を見つめている。
大阪
触手がさらに増え、京都を絡め取っていく。 締め付けられるたびに、京都は息苦しさを感じ、視界が揺れる。
京都
京都は笑みを作って気丈に振舞うも、かつては優美に舞っていたその身体が、今はただ力が抜け、大阪の意のままになっている。 骨が軋む鈍い音と共に、京都の体が宙に浮いた。京都が大阪の足に噛み付いたり、引っ掻くなどして抵抗するが、大阪はその度に彼の細い体を締め付ける。
大阪
大阪
大阪が愛おしげに京都の頬を触手で撫で上げる。京都は震えあがり、彼の中で縮こまってしまった。
兵庫
その場に立ち尽くす事などできなかった兵庫は、己のてのひらを握り締める。そして、大阪を正気に戻すため、彼の頭へ己の拳を叩き込もうと跳躍した。 しかし、大阪は瞳孔を蛇のように細め、ニヤリと兵庫に微笑んだ。 次の瞬間、自分に飛び掛かってきた兵庫を太い触手で壁へと叩き付ける。
兵庫
壁に叩き付けられた兵庫が、痛みで思わず声をあげる。
京都
京都が青ざめた顔で彼の方を見るも、兵庫はぐったりと彼の触手に伏せていた。 大阪は兵庫の頭を片手で掴み、ゆっくりと彼に囁く。
大阪
兵庫
兵庫は大阪を反抗的に睨む。しかし、ぐったりと動けないままで居る彼も、安易に足で絡めとられてしまう。 大阪は彼らに甘く、毒のように囁いた。
大阪
大阪
2人が共に恐怖で言葉を失い、思わず目を瞑った時 京都の屋敷を、耳を刺すような緊急放送のノイズが切り裂いた。
『九州地方に大規模な通信障害及び、異常事態が発生_!!』
降り積もる灰の中に、不自然に盛り上がった「肉の塊」があった。 そこから聞こえてくるのは、グチャ、ボリッ……という、硬いものを咀嚼する生々しい音。
鹿児島
鹿児島の震える声に、その「肉の塊」の上に腰を下ろしていた福岡が、ゆっくりと顔を上げた。
福岡の足元は、肉から染み出る血液で真っ赤に染まっている。地面に転がる骨や肉の塊も、もはや誰だったのか原型すら留めていない。
床に転がった『仲間』の残骸を見て、鹿児島は思わず目を見開いた。福岡は余所見をするなと言わんばかりに、その亡骸を己の足で踏みつけて言った。
福岡
福岡
福岡は、手にした「肉の欠片」をゴクンと飲み込むと、親友に会った時のような、人懐っこい笑みを浮かべた。 喉元では、卵のような赤黒く光る組織が、栄養を得て歓喜するように一定のリズムで脈打っている。
福岡
福岡は「食事」の横に立ち上がった。 バキバキと音を立てて肩の関節を外し、剥き出しの太い筋肉繊維を伸ばしながら、獲物を定めるように、一歩、また一歩と、異常な距離感で鹿児島に歩み寄る。
福岡
福岡
互いの鼻先が触れる距離。福岡の瞳には、かつての「情熱」ではなく、ただ「次に食う獲物」を品定めするような、底知れない飢餓の色だけが宿っていた。
鹿児島
激昂した鹿児島が、古太刀を抜き放った。
鹿児島
鹿児島
鹿児島が刀を構えながら、喉に引っ掛かる唾を飲み込む。
福岡
それを見た福岡も、自信の食事を投げ捨て、低く唸りながら構えを取る。 震える切っ先を見て、自分に喝を入れる様、もう一度刀を握り締める鹿児島。その後、彼は速かった。
鹿児島
裂帛の気合とともに鹿児島は踏み込む。 飛んでくる福岡の鋭い爪を太刀の腹で受け流し、そのまま密着した。刀を振るうスペースがなければ、迷わず左の拳を叩き込む。
鹿児島
福岡の顎に鹿児島の拳がめり込み、鈍い肉の音が響く。 しかし、福岡は不気味な笑みを浮かべたまま、表情を崩さない。
福岡
福岡
福岡は口角から流れる血を親指で拭いながら、挑戦的な笑みを浮かべる。 鹿児島は歯を食いしばり、彼の腕目掛けてもう一度刀を振りかざす。 しかし、刀で斬られようが、拳で殴られようが、福岡はそれを戦意高揚の糧とし、さらに距離を詰めてくる。
鹿児島
鹿児島の渾身の力で振り下ろす太刀が、火花を散らしながら福岡の硬質な肉に食い込む。 二人の咆哮と、刀と爪の一閃が夜の空を震わせる。
そのそばで、一人の影が静かに背を向けた。
灰の降り積もる中、声の主は一度も振り返ることなく、闇の向こうへと消えていった。
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
あるずぃ
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