海里
驚くなよ(´・_・`)
樹
(海里がいつもと違うな。)
海里
日菜がな、金曜日の放課後に交通事故で亡くなったらしんだ。
樹
、、、え?
通学路に通っている大きな交差点で、猛スピードで走っていたトラックに跳ねられたらしい
海里
たまたま事故を目撃した子の話だと電信柱に頭からぶつかっていって,
海里
駆けつけた救急隊員が目を背けたぐらい,顔がどこか分からなくなるほどの状態だってよ。
樹
(海里の話に胸を針でつらぬかれたような痛みを感じる。)
好きだった女子が亡くなった上に 酷い死に方だったと聞けば、 誰だって心臓が止まるような気持ちになるだろう。
でも本当に俺の心臓が凍りつきめまいを感じたのはその先を聞いてからだった。
海里
でもな、おかしいんだ。
海里
金曜日に死んじゃったはずの日菜を
日曜日の夕暮れに見たってやつが何人もいるんだよ。
日曜日の夕暮れに見たってやつが何人もいるんだよ。
海里
それも事故にあった交差点で、
雨も降っていないのに真っ赤な傘をさしていたらしいぜ。
雨も降っていないのに真っ赤な傘をさしていたらしいぜ。
樹
、、、どういう事だ?
海里
ほら、あのおまじないだよ。
相合傘ができるっていうやつ
相合傘ができるっていうやつ
海里
おまじないを誰かが日菜で書いていたんじゃないか?って噂になってるんだ。
海里
日菜は下校中に死んじゃったから
今日名前を書いてくれた人と相合傘で帰る為に待っているんだってね、
今日名前を書いてくれた人と相合傘で帰る為に待っているんだってね、
樹
(寒気がする)
樹
なんだよ、それ
そんな事,あるわけね〜。
そんな事,あるわけね〜。
海里
俺だって分かんない。
でも皆がこのおまじないは、
絶対効くっていってるんだ。
でも皆がこのおまじないは、
絶対効くっていってるんだ。
樹
(勝手なのは分かってる。
一方的に好きになって名前を書いたのは俺だ。)
一方的に好きになって名前を書いたのは俺だ。)
樹
(でも顔が潰れて死んでしまった人と相合傘だなんて‐そんなの嫌だ。)
その日の授業はほとんど耳に入らず、放課後になると急いで学校を出た。
家に帰ると急いでスマホで検索する。
樹
(“相合傘”、“おまじない”
それから“解き方”‐)
それから“解き方”‐)
それで出てきた答えは、
樹
《もしも気が変わって,おまじないを取り消したくなったら,次の雨の日の下校までに折ることも欠けることもなく消しゴムを使い切りましょう。》
樹
使い切りましょう。か、
日菜との思い出のあった消しゴムはまだほとんど使っていなかった。 このまま使っていたら半年はかかるだろう。
樹
でも、明日の天気予報は‐雨
樹
(明日の下校時間までに使い切らないとおまじないが解けない。)
その夜から必死になって消しゴムを こすり始めた
折れても欠けてもダメと書いてあるのでていねいに、でも急いでこする。
樹
(1時間以上こすってるのに
消しゴムはほとんど小さくならない。)
消しゴムはほとんど小さくならない。)
こうなるならおまじない、 しなければよかったと後悔しても どうにもならなかった。
次の日
天気予報通り朝から土砂降りの雨だった
結局消しゴムを使い切れずに まだ半分以上残っている。
考えていたら、集合時間に遅れた俺は友達に 置いてかれて、1人で学校に向かう
樹
(大丈夫だ、
たかがおまじないだ。)
たかがおまじないだ。)
樹
(きっと問題ない)
樹
(おまじないが必ず解けるかは
分からないからな。)
分からないからな。)
心の中で自分にそう言い聞かせながら歩いていた。
俺の足が止まった。 日菜が死んだ交差点だ。
そして勇気をだして半分ほど歩いた所で耳元で囁きが聞こえた
、、、下校時間まで待ってるよ(ΦωΦ)フフフ…
サーと首筋に鳥肌が立ち,振り向くが誰もいない。
でもカーブミラーにはビニール傘をさした俺と真っ赤なもう1つの傘が映っていた
それに気がつくなり、 自分の傘は放り投げ俺は学校まで 走り出した。