君になりたくて

それぞれのキャプテンはお互いに握手を交わした。

修也はこそっと明里に耳打ちをする。

練習試合前の軽いアップが終了した。

凌がごくごくとドリンクを飲んだ。

凌はグイッと明里の方へ近づいた。

凌は眉間に皺を寄せた。

真剣な眼差し。

言われなくたって、凌くんばっかり見てるよ。

ピーッ！

笛の合図で試合は始まる。

明里はボードを持って記録を書こうとペンを持った。

……バンッ

明里が記録を書いていると、雛が隣に寄ってきた。

明里は器用に記録を書きながら話をする。

バァンッ……

陸の打つスパイクは強く地面に叩きつけられた。

凌と陸はネット越しに睨み合っていた。

19対20

その時、一颯がトンッ…と、ツーアタックをした。

一颯はコートの中から明里のことを呼んだ。

一颯はネット越しに立つ克樹を指さした。

一颯は何事もなかったようにプレーに戻った。

ピッピー！！

第1セット終了の笛が鳴り響く。

明里は急いで選手の元へタオルやドリンクやらを渡しに行った。

凌がドリンクを飲みながら明里に手を差し伸べた。

明里はタオルを手渡す。

凌は後頭部をぽりぽりとかいた。