テラーノベル
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夜が深まるにつれて、 和人の部屋の空気も静かに、 そしてどこか甘く変わっていった。
和人
雅哉
和人のその一言に、 雅哉は一度だけ迷うように 視線を泳がせたけれど、すぐに小さく頷いた。
そうして和人の家に“泊まる”ことが、 当たり前のように決まった。
シャワーを借りたあと、 雅哉は和人の大きめのTシャツを着て ベッドに腰を下ろしていた。
ぶかぶかで、肩が少し落ちる。 袖からは細い腕が覗いて、 和人はそれを見てふと息を飲む。
和人
雅哉
和人
雅哉
顔を真っ赤にして否定する雅哉を、 和人は堪えきれず笑った。
そしてベッドに腰を下ろし、 そっと雅哉の手をとる。
和人
雅哉
和人の腕がそっと雅哉の背中に回され、 体温が重なる。
ぴたりとくっついた体の隙間から、 心臓の音が伝わる。
静かだった。
夜の街のざわめきさえ、 今は遠くて――この部屋の中には、 ふたりの呼吸だけがある。
和人
雅哉
和人
和人はふと、 雅哉の頬に唇を寄せてそっと触れた。
和人
そして今度はそのまま、優しく唇を重ねる。
キスは、 さっきよりもずっとゆっくりで、深くて。
言葉がいらないほど、 ふたりの心が伝わるようだった。
和人
雅哉
和人
雅哉
ふたりは互いの名前を呼びながら、 何度も何度もキスを交わした。
愛しさが胸いっぱいに広がって、 どうしようもなくなる夜。
手を繋いで、頬を寄せて―― まるで、恋の全部を確かめ合うように。
そしてそのまま、優しく、静かに眠りについた。
窓の外の夜が、 ふたりだけの世界をやさしく包み込んでいた。
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