阿部くんが助けてくれたの 次の日
教室に入るのは
怖かったけど
これで休んだら
逃げてるみたいだから
勇気を振り絞って教室に入る
教室に入ってすぐ
目に飛び込んできた光景に
驚きが隠せなかった
生徒1
佐久間大介
生徒2
クラスメート
何挨拶してんの?
昨日までのこと忘れたってこと?
いや、
それ以上に驚いたのが
生徒1
生徒2
佐久間大介
そう
まだ阿部くんは来てないみたいで
クラスのみんなが阿部くんの机に集まり
今までの俺と同じように
バカやウザイ
とマジックで書いていた
佐久間大介
生徒1
生徒1
生徒2
吐き気がした
こいつら自分たちのこと
一切悪いと思ってない
なんでわかんないのかな
昨日阿部くんが言ったこと
変わんないのかな
このクラスは
生徒2
そう言って俺肩に腕を回してくる
力が強くて苦しくなって
生徒2
佐久間大介
思わず「うん」と答えてしまった
生徒1
生徒1
佐久間大介
教室の入口を見ると
阿部くんが立っていた
生徒2
生徒1
少し悲しそうな顔をして
自分の席に着く阿部くん
佐久間大介
佐久間大介
阿部亮平
全然大丈夫じゃない
誤解してる
俺は、ウザイとかそんなこと思ってない
そう言いたいのに声が出ない
生徒1
佐久間大介
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
生徒2
生徒2
ちがう
阿部くんはまた俺を守ってくれたんだ
ここで俺が何か言ったら
また俺もいじめられる
だからわざと
標的が自分に向くように
あんなこと言ったんだ
佐久間大介
阿部亮平
俺を睨み
バケツを持って廊下へ出て行く阿部くん
佐久間大介
生徒2
生徒2
生徒1
生徒1
生徒2
生徒2
生徒1
佐久間大介
佐久間大介
あの生活に戻るのは怖かった
苦しくて、悲しくて
毎日毎日、起きるのが嫌だった
ごめん
阿部くん
今の俺は阿部くんほど強くない
ほんとにごめん
生徒2
バケツを持って自分の机へ行き
落書きを消し出す阿部くん
心の中で何回も何回も
ごめんって謝った
でも、苦しくて
苦しくて
どうしたらいいか分からなくて
ただただこっち側で
阿部くんを見つめることしか出来なかった
いじめの標的が阿部くんになって
約1週間がたった
その間阿部くんは休むことなく
毎日毎日学校に来ていた
俺はあれから一言も阿部くんと 喋ってない
阿部くんが毎朝
机の上の落書きを消してるのを
知ってるから
心が痛くてしょうがなかった
でも話しかける勇気も
「やめなよ」っていう勇気もなかった
阿部くんは守ってくれたのに
俺は阿部くんのこと守れてない……
なんか言おうとしても
手足が震えて
声が出なくなる
俺が
阿部くんを守らなきゃ行けないのに
守られてばっかだ
今日はこないだのテストの返却日だった
どうせあの二人が1位2位なんだろうな
そう思ってた
先生
先生
あいつらニヤニヤしてる
また1位かー
とかいって
先生
生徒2
生徒1
え?阿部くん
先生
生徒1
生徒2
その時チャイムがなり
ホームルームが終わった
先生
先生が出ていき
2人が阿部くんの元へ行き
生徒1
生徒2
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
って言い捨てて
阿部くんは教室から
堂々と出ていった
生徒1
生徒1
生徒2
生徒1
生徒2
生徒2
生徒2
生徒2
生徒1
生徒1
生徒1
イライラしながら帰る2人をみて
少しざまあみろと思った
でも、阿部くんがあんなに頭いいなんて
知らなかった
教室から出ていく阿部くんの背中は
ものすごくかっこよかった
だから余計
何も出来ない自分にイライラして
帰りはずっと
自分はどうしたらいいのか
自分には何が出来るのかを
1人考えながら帰った
コメント
5件
( *´꒳`*)生徒○ね☆
あべちゃんの心ピュアなのに……生徒潰すわ!