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阿部くんが助けてくれたの 次の日

教室に入るのは

怖かったけど

これで休んだら

逃げてるみたいだから

勇気を振り絞って教室に入る

教室に入ってすぐ

目に飛び込んできた光景に

驚きが隠せなかった

生徒1

あ!佐久間おはよ

佐久間大介

え?

生徒2

おはよー。

クラスメート

おはよー

何挨拶してんの?

昨日までのこと忘れたってこと?

いや、

それ以上に驚いたのが

生徒1

佐久間もやる?

生徒2

阿部くんの机に落書き

佐久間大介

は?

そう

まだ阿部くんは来てないみたいで

クラスのみんなが阿部くんの机に集まり

今までの俺と同じように

バカやウザイ

とマジックで書いていた

佐久間大介

なに……してんの?

生徒1

え?だってムカつかない?

生徒1

昨日の言い方

生徒2

あんな言い方ないよな?

吐き気がした

こいつら自分たちのこと

一切悪いと思ってない

なんでわかんないのかな

昨日阿部くんが言ったこと

変わんないのかな

このクラスは

生徒2

な?佐久間もそう思うよな?

そう言って俺肩に腕を回してくる

力が強くて苦しくなって

生徒2

な?佐久間

佐久間大介

う、うん

思わず「うん」と答えてしまった

生徒1

ははっ

生徒1

だって阿部くん

佐久間大介

え?

教室の入口を見ると

阿部くんが立っていた

生徒2

可哀想に。唯一の友達にも見捨てられたね

生徒1

これからよろしくね?阿部くん

少し悲しそうな顔をして

自分の席に着く阿部くん

佐久間大介

阿部……くん

佐久間大介

ちが、違う

阿部亮平

わかったから。大丈夫

全然大丈夫じゃない

誤解してる

俺は、ウザイとかそんなこと思ってない

そう言いたいのに声が出ない

生徒1

佐久間?何話してんの?

佐久間大介

いや、俺は……

阿部亮平

そーゆーのいいから

阿部亮平

俺を守ろうとしてんの?

阿部亮平

迷惑だからやめて

生徒2

うわ、最低

生徒2

佐久間が可哀想

ちがう

阿部くんはまた俺を守ってくれたんだ

ここで俺が何か言ったら

また俺もいじめられる

だからわざと

標的が自分に向くように

あんなこと言ったんだ

佐久間大介

ねぇ、違

阿部亮平

うるさ

俺を睨み

バケツを持って廊下へ出て行く阿部くん

佐久間大介

ねぇ、阿部くん待っ

生徒2

佐久間?

生徒2

どこ行こうとしてんの?

生徒1

まさか追いかけたりしないよね?

生徒1

また元に戻りたい?

生徒2

せっかく友達になれたんだから

生徒2

一緒に遊ぼうぜ

生徒1

な?

佐久間大介

……

佐久間大介

うん

あの生活に戻るのは怖かった

苦しくて、悲しくて

毎日毎日、起きるのが嫌だった

ごめん

阿部くん

今の俺は阿部くんほど強くない

ほんとにごめん

生徒2

あ、帰ってきたぞ

バケツを持って自分の机へ行き

落書きを消し出す阿部くん

心の中で何回も何回も

ごめんって謝った

でも、苦しくて

苦しくて

どうしたらいいか分からなくて

ただただこっち側で

阿部くんを見つめることしか出来なかった

いじめの標的が阿部くんになって

約1週間がたった

その間阿部くんは休むことなく

毎日毎日学校に来ていた

俺はあれから一言も阿部くんと 喋ってない

阿部くんが毎朝

机の上の落書きを消してるのを

知ってるから

心が痛くてしょうがなかった

でも話しかける勇気も

「やめなよ」っていう勇気もなかった

阿部くんは守ってくれたのに

俺は阿部くんのこと守れてない……

なんか言おうとしても

手足が震えて

声が出なくなる

俺が

阿部くんを守らなきゃ行けないのに

守られてばっかだ

今日はこないだのテストの返却日だった

どうせあの二人が1位2位なんだろうな

そう思ってた

先生

今回のテストで

先生

学年1位だったのが

あいつらニヤニヤしてる

また1位かー

とかいって

先生

阿部だ

生徒2

は?

生徒1

え?

え?阿部くん

先生

ほぼ満点で見事1位だった

生徒1

うそだ!

生徒2

なんでこんな転校生が……

その時チャイムがなり

ホームルームが終わった

先生

じゃあ、気をつけて帰れよー

先生が出ていき

2人が阿部くんの元へ行き

生徒1

なんでお前が1位なんだよ!

生徒2

カンニングしただろ!

阿部亮平

カンニング?

阿部亮平

何言ってんの?

阿部亮平

お前たちが誰かさんをいじめて

阿部亮平

楽しんでる間俺はずっと勉強してたんだよ

阿部亮平

1位が当たり前だと思うなよ

阿部亮平

こっちは努力してんだよ

阿部亮平

確かに頭はいいかもしれないけど

阿部亮平

性格は最悪だからね

阿部亮平

人のこといじめて楽しんでるなんて

阿部亮平

そんなこといつまでもしてたら

阿部亮平

どんどん差は開く一方だからな

って言い捨てて

阿部くんは教室から

堂々と出ていった

生徒1

なにあいつ!

生徒1

ムカつく!

生徒2

でも大丈夫か?

生徒1

なにが!

生徒2

今までは俺たちが1位だったから

生徒2

先生も見て見ぬふりだったかもだけど

生徒2

今回のことで

生徒2

もしかしたら親とかに言われるかもだけど

生徒1

大丈夫だよ

生徒1

結局2位3位は俺たちなんだから

生徒1

マジムカつく

イライラしながら帰る2人をみて

少しざまあみろと思った

でも、阿部くんがあんなに頭いいなんて

知らなかった

教室から出ていく阿部くんの背中は

ものすごくかっこよかった

だから余計

何も出来ない自分にイライラして

帰りはずっと

自分はどうしたらいいのか

自分には何が出来るのかを

1人考えながら帰った

強く見えて弱い彼

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コメント

5

ユーザー

( *´꒳`*)生徒○ね☆

ユーザー

あべちゃんの心ピュアなのに……生徒潰すわ!

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