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...パチ

保健室の先生

あ、ころんくん起きた...?

はい...

体に当たる柔らかい布の感触、目に入る白い天井

保健室に連れて来られたらしい

は、何?

急になんなん、

...先生

保健室の先生

どうしたの...?

...誰が連れて来てくれたんですか、(ギュ...

保健室の先生

...?鬼崎先生よ...?

何も知らない先生の口から出る体育教師の名前

分かっていたのに少し期待をしてしまっていた

そ、...ですか、

保健室の先生

ころんくん今日体調悪かった...?

え、?

保健室の先生

ほら、夏と違って熱中症じゃないもの

保健室の先生

寝不足、とか...?

ぁー...

まあ最近寝れない日多いですね、

保健室の先生

無理しちゃだめよ...?

保健室の先生

ずっと眠れないようだったら病院に行ってね?

はい、ありがとうございます

保健室の先生

今日はこの後どうする?

保健室の先生

早退する...?

...いえ、戻ります(ニコ

保健室の先生

そう...?無理しないでね、

はい、

失礼します、(ガラッ

保健室の先生

また何かあったら来てね(ニコッ

はい、ありがとうございます

ガラガラガラガラッ

教師

ん、

教師

おー青柳、倒れたって聞いたぞ、大丈夫か?

...はい、もう大丈夫です

教師

そうか、無理はするなよー

はい、ありがとうございます

自分の席に着き、何事もなかったかのように授業を受ける

自分に集まる冷たい視線を感じながら

休み時間、教室のあちこちからひそひそとした話が聞こえてくる

倒れたとかやばw

冬だぞw

授業サボりたかったんじゃない?

うわーw

反論したくてもできない

授業をサボりたかった訳じゃない

けれど、じゃあどうして倒れたのかと聞かれると答えられない

自分でも分からない

保健室で話した通り寝不足も1つの原因だっただろう

でも、倒れる前に、はっきりと自分が見えた

楽しそうに笑っている自分

あの頃の自分が

あれは何だったんだろう

本当にそこにいるみたいだった

手を伸ばせば、届きそうなほど

しまいには消えてなくなってしまったけれど。

なぁ、お前らもそう思うよな?

えッ?あ、あぁ、

さとみくんの戸惑ったような声を聞きながら机に伏す

あの光景が、僕の頭からずっと離れなかった

キーンコーンカーンコーン

今日の終わりを告げるチャイムが鳴る

今日はひどく疲れた

まあ、それでも夜は眠れないんだろうけど

...

...?

いくら待っても誰も来ない

普段なら屋上に呼び出されるんだけど

4人の方を見れば、集まって何かを話している

帰っていいのか?

帰っちゃだめなのであれば教室から出るときに止められるか、

...ガタッ

我慢もできないし、お手洗いに寄ってから帰ろう

ぁ...ッ

僕が立ち上がると莉犬くんが声を上げる

が、それ以上何か言ってくることはなかったため無視して教室を出る

個室に入り鍵を締める

そしてバッグの内ポケットに突っ込んであるモノを引っ張りだす

...持って来ててよかった

早く切らないと気がおかしくなりそうだ

カチカチカチ...

ツー...

刃を出し腕をなぞると血が流れ出る

 かなり前から既に僕の腕は傷で埋まっている

切り傷、噛み跡、引っ掻き跡、痣

腕だけじゃ満足しきれなくて、もうとっくの前に他の箇所にも手を出している

腕、足、首

どこも傷だらけ

そんな自分も気持ちが悪かった

が、この傷が僕を生かしていると思うと嬉しくなる

ザクッ...グチッ..プシャッ..

だから、最近は各箇所にできた傷口を深くえぐるように切る

短所をあげるとすれば時々血が顔や他の場所にかかること

ま、別に気にしないけど

しばらくしてウェットティッシュをバッグから取り、傷に当てる

すぐにウェットティッシュは僕の血に染まる

2.3枚使ってそれをバッグに突っ込むと鍵を開け外に出る

あッ、

...

個室から出ると目の前に莉犬くん

僕をつけにでも来たんだろうか

...ッ

...

少しだけ待ってみたがどこかに呼び出されるような雰囲気はない

何か言いたそうな顔はしているけど

待つだけ無駄だと思い出口へ向かう

...ッ、ころ、ちゃん、っ

...はい?

...ッッ、

何でも、ない...

...

言いたいことがあるなら言えばいいのに

別に何を言われても何も思わないし

僕は別に構わない

無理に聞き出す必要もないから方向を改め再度歩き出す

莉犬くんが、心配でもしているような瞳でこちらを見ていた

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