村長
村長
村長
村長の首に
噛み付いたのは
消えたはずの黒い犬。
ブチブチと肉を噛み千切ると、
クラウスの顔に
生暖かい血が降り注ぎます。
首を絞めていた手の力が抜け、
村長は倒れてしまいました。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
起き上がったクラウスが見たのは、
村長を食いちぎる
黒い犬の姿でした。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
咄嗟に黒い犬を押し飛ばしましたが、
村長の首は、
骨だけになり、
涙を浮かべた目は、
虚空を見つめていました。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
後悔?
絶望?
憎悪?
嫌悪?
悲しみや怒りもあるでしょう。
ですが、
他者の感情など
”夢幻の魔女”には
興味のないこと。
黒い犬は
部屋の奥に隠されていた本を見つけると
それを咥えクラウスの横を通り抜け、
階段を上がっていきます。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
ふと我に返ったクラウスは
立ち上がり、
黒い犬を追いかけます。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウスは
黒い犬から無理矢理
本を奪いました。
犬は困惑した表情を浮かべましたが、
本を大事に抱えて歩くクラウスの姿を見て、
大人しくその後に続きます。
・
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
・
・
【数日前】
ヨアン・ツェルネ(父)
ルイーゼ・ツェルネ(母)
ヨアン・ツェルネ(父)
ルイーゼ・ツェルネ(母)
ヨアン・ツェルネ(父)
ルイーゼ・ツェルネ(母)
・
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
・
ルイーゼ・ツェルネ(母)
ヨアン・ツェルネ(父)
ヨアン・ツェルネ(父)
ヨアン・ツェルネ(父)
ヨアン・ツェルネ(父)
ルイーゼ・ツェルネ(母)
・
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
テレーゼ・ツェルネ(妹)
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
・
・
【現在】
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
・
・
魔女
魔女
魔女は変わらず
ヘイミ叔母さんの家にいました。
妹のテレーゼも
変わらず半透明の球体の中に入っており、
息をしているのが見て取れました。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女
そう言って差し出した手を
クラウスはじっと見つめます。
魔女
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
魔女
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女はにっこりと笑みを浮かべました。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女
魔女
クラウス・ツェルネ
クラウスは一歩近づいて、
足を止めます。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女
魔女
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女
魔女
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女
魔女
クラウス・ツェルネ
クラウスは意を決して
本を差し出します。
魔女がそれを受け取ろうとした瞬間、
ぼわっ!
魔女
本が真っ赤な炎に包まれました。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
魔女
魔女
魔女
魔女は鬼の形相で叫びましたが、
クラウスは魔女と距離を取ります。
魔女
魔女
魔女の足元から
突然火が現れます。
魔女
魔女
魔女
手で払って火を消そうとしても、
魔法を使って消そうとしても、
全て上手くいきません。
魔女
怒りに燃える目が
クラウスを捉えると同時に
黒い犬がクラウスに噛み付こうとしましたが、
クラウスは隠し持っていた鉈で
黒い犬の頭を真っ二つにかち割りました。
魔女
魔女は反撃の魔法を放とうとしましたが、
クラウスも負けじと
本を包む火力を強めます。
魔女
真っ赤な炎に全身包まれた魔女は、
火を消そうと自棄になり
床の上を転がり回ります。
魔女
白かった肌が黒くなり、
魔女
艶やかだった髪は炎を纏って逆立ち、
魔女
目から
魔女
口から
魔女
真っ赤な炎が噴き出しました。
魔女
断末魔のような悲鳴を上げ、
黒焦げになった魔女が動かなくなると
何も残さず消えてしまいました。
クラウス・ツェルネ
クラウスが持っていた本も、
単なる炭となり、
床に落とすと
ボソッという音と共に
その形を失いました。
クラウス・ツェルネ
魔女が消滅すると
妹を包んでいた球体も消えてしまいました。
床でぐったりと倒れている妹を抱き起こして見ると、
体の傷は綺麗に治っているようでした。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
村はすでに夜に包まれ、
笑い声も
泣き声も
呻き声も
助けを求める声も
聞こえてきません。
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
その言葉を聞いて
クラウスは
とても
悲し気な表情を浮かべます。
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウスは
妹の首を絞めてしまいます。
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
テレーゼ・ツェルネ(妹)
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
───ゴキッ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
クラウス・ツェルネ
そして、
クラウス・ツェルネ
殺すべき相手がいなくなれば、
クラウス・ツェルネ
己の
クラウス・ツェルネ
首を
クラウス・ツェルネ
切り落とすだけ、
クラウス・ツェルネ
楽しそうに
クラウス・ツェルネ
笑いながら。
クラウス・ツェルネ
泣きながら───。
・
・
・
【数日後】
騎士
騎士
騎士
騎士
騎士
騎士
騎士
騎士
テレーゼ・ツェルネ
騎士
騎士
騎士
騎士
騎士に抱えられた少女は
どこか安堵したように
微笑んだのでした。
・
・
・
END
コメント
5件
色んな解釈ができる作品ですごく楽しんで読むことが出来ました。
スリリングな展開で、夢中になって読みました😳 娘の病気を治したい、と言う親心が招いた悲劇…😨。 ハッピーエンドになるかと思いきや、最後のテレーゼちゃんって…!?(;゜゜)