テラーノベル
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倉庫に足を踏み入れた瞬間空気が重く沈んだ。
息がしずらい。壺が並べられている倉庫。
中身を見なくてもまともじゃないことだけは分かる。
ひとが…半殺しの状態で刀を刺されて詰められている。
声は出た。でも自分でも分かるくらい弱い。
月
玉壺
玉壺は振り向きもせず壺の前に立った。
玉壺
玉壺
その声だけで背中がぞくりとした。
月
怒鳴ってもいない。威圧もしていない。
なのに足が一歩も動かない。
玉壺は迷いなくひとに刺さっている刀を回した。
男
当たり前だが、苦痛の叫びが響く。
月
思わず視線を逸らした。
月
玉壺
玉壺
淡々とした声。
男
月
言ったつもりだった。でも声になっていなかったかもしれない。
玉壺が初めてこちらを見た。
玉壺
玉壺
玉壺
視線が合った瞬間息が止まった。笑っているのに感情がない。
玉壺
玉壺
一歩近づいてくる。ただそれだけで背中が冷える。
玉壺
玉壺
喉がひくりと鳴る。言い返したい。でも体が言うことをきかない。
玉壺
耳元で囁くように。
玉壺
月
圧がかかる。殴られていない。触れられてもいない。
それなのに膝が落ちる。
こいつは…狂ってる。
月
玉壺
玉壺
少し離れ見下ろす。
玉壺
静かに残酷に。
玉壺
るなは唇を噛んだ。やだ。怖い。逃げたい。でも――
月
月
その微かな反抗心を玉壺は見逃さなかった。
玉壺
口元だけが歪む。
玉壺
玉壺
背を向けながら冷たく言い捨てる。
玉壺
そう言って笑った。
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