柚葉
そ、そんなに長くっ⁉︎
鼎
そうじゃ。じゃから世間的にはお婆ちゃん...いやもうそれ以上じゃな笑
鼎
暇つぶしと言っては何じゃが、少し昔話でも聞いてはくれぬか?
柚葉
はい、別にいいですよ。
花澄
ん...
鼎
妾の育ちは貧乏な村じゃった。父も母も家のために働いていたが、やはり生活費は足りなかった。
鼎
また少々自然災害が多い村でのう、洪水や土砂崩れが多い環境じゃった。
鼎
そんなある日村長は村の10歳になった娘達を連れ山に向かったんじゃ。
柚葉
何でですか?
鼎
妾の村では人身供儀、つまり人間を神の生贄にする風習があったんじゃ。
鼎
その供儀となる者の条件が10歳になったばかりの娘と決められていたんじゃ。
鼎
ちなみに、その人身供儀は天災や飢饉に見舞われた時に村長が命じた場合にのみ起こるものじゃ。
鼎
山に到着後、災いを救ってくれる神が祀られている祠へ案内されたんじゃ。
鼎
神への祈りが終わった後、妾を含めた村娘3人は地に掘られた穴に押し込まれ上から巨大な岩で蓋をされたんじゃ。
鼎
その後目が覚めるとこの島にいたという訳じゃ。
柚葉
じゃあ、それらを鎮めるために鼎さんは生贄にされたってことですか...
花澄
ひどい...そんなの...
鼎
まぁ昔からの風習じゃし、逆らったところで幼子の妾にはどうすることも出来んかったしな。
柚葉
島に着いてから他の村娘の方々はどうされたんですか?
鼎
2人共身体に負荷を抱えておってな。1人は病、1人は骨折。やがて2人は静かに息を引き取り妾だけになってしもうた。
柚葉
すいません、余計なことを聞いて...
鼎
構わんよ、過去の話じゃからのう。
コンコン
鼎
誰じゃ?
鴫宮です。
鼎
入るがよい。
ガチャッ
弾
グループD,F漁港から祭囃子商店街まで捜索しましたが発見には至りませんでした。
鼎
ご苦労様...あ、そうじゃ‼︎せっかく鴫宮も来たことだし妾達の出会いでも話そうかのう。
弾
なっ⁉︎で、出会いって俺には妻子が...
鼎
冗談の通じん奴じゃのう...妾が言っとんのは“3人”の出会いじゃよ。
柚葉
“3人”...?
鼎
そう、この東の国を作ったのは妾と鴫宮ともう1人の人物じゃ。