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今、扇子を落とした。

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今、扇子を落とした。

1 - 今、扇子を落とした。 1

♥

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2020年06月29日

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少女

貴方のいるべき場所はここじゃない

少女

分かっているでしょう?

ウルサイ

ウルサイ…!

ダマレ…ダマレ…!!

少女は女を見つめた

その女は目が窪み、口は裂け、明らかに人間の姿をしていない

手を必死に少女に向けて伸ばし

今にも襲いかかりそうだ

少女

少女は真っ青の扇子を取り出した

それを、女に向けて仰いだ瞬間

ナニをする…!?

ヤメロ!

…っ!!

眩い光と共に女は消えていった

???

ご苦労だった

少女

!?

少女

少女

会長

驚き、振り向くと後ろに老人が立っていた

会長

流石PEJ期待のエースだな

PEJ…妖怪を祓う仕事の事

私はそこの幹部候補として働いている

少女

そんな事ないですよ

少女

会長

会長

いいや

会長

君ほど優秀な子は見たことがないよ

彼はPEJの創設者

目的のためなら手段を選ばない人だ

会長

やっぱり…お前を連れてきて良かったよ

少女

少女

そう、ですか

怪しく笑う彼

その笑顔は昔のことを思い出して気分が悪い

会長

さ、屋敷に帰ろう

少女

はい

???

ただいまー

少女

おかえり

???

お、今日の飯当番は芽生か!

???

楽しみ!

少女

まず手洗ってきて

???

はいはい

少女…南雲 芽生は

青年に声をかけ終えるとまた鍋をかき混ぜた

少女

少女

新堂、皆を呼んできて

???

はいよ!

新堂翔平の呼びかけでリビングに皆が集まってくる

PEJのメンバー全員がこの屋敷で生活しているのだ

新堂 翔平

芽生は今月もトップかー

新堂 翔平

次は負けないからな

南雲 芽生

別に勝負してないよ

新堂 翔平

つれないなあ

新堂 翔平

少しはニコッとしろよ

男性

翔平、お前は好きな子いじめるガキか!

男性

もっと大人になれよ

周りからのヤジに翔平は顔を赤くした

新堂 翔平

うるせえ!

新堂 翔平

ごちそーさま!

男性

翔平は素直じゃないからなあ

男性

な、芽生

南雲 芽生

はあ…

あれ程わかりやすく好意を向けられて気づかないほど馬鹿じゃない

まあ、好意を持たれたからといってどうするわけでもないが

男性

男性

そういえば、会長が呼んでたぞ

南雲 芽生

…?

男性

飯終わったら来いってよ

男性

きっと仕事の依頼だな

南雲 芽生

会長、お呼びでしょうか

会長

ん、入れ

南雲 芽生

はい

いつもより深く刻まれた眉間の皺

嫌な予感がする

会長

今、悪しき妖が多いのは気付いているな

南雲 芽生

はい

南雲 芽生

今日だけで3件ありました

会長

その原因というのが

会長

どうやらある一匹が原因のようだ

南雲 芽生

ある一匹とは…?

会長

名は分からぬが

会長

妖界で愛されていた者が

会長

人間界に来てしまったようだ

南雲 芽生

それにつられて妖が来てしまった…ということですか

会長

ああ

会長

そこでお前に仕事だ

会長

お前に…

会長

南雲 芽生

その妖の総大将を祓え

南雲 芽生

ですよね

会長

流石だ

会長

話が早い

会長

受けてくれるな?

南雲 芽生

やります

やる以外の選択肢を彼はきっと与えてくれない

会長

相手は相当強い

会長

気をつけろよ

南雲 芽生

はい

とはいったものの…

新堂 翔平

どこにいるんだろなあ

新堂 翔平

総大将

南雲 芽生

…?

南雲 芽生

なんで新堂がいるの

当たり前のように彼はついてきていた

新堂 翔平

おいおい

新堂 翔平

んな強い相手お前一人で祓えるのか?

新堂 翔平

心配だから俺が…

南雲 芽生

できる…祓えるよ

祓う…それが私の存在意義だから

南雲 芽生

じゃあね

新堂 翔平

おい!芽生!!

新堂 翔平

新堂 翔平

もっと周りを頼れよ…

その声は私には届かなかった

南雲 芽生

…っここ…

妖気が強い

きっとここら辺に…

南雲 芽生

いた…

銀の長髪に着物姿

こんな所にいるなんてきっと人ではない

南雲 芽生

南雲 芽生

貴方、亡者よね

???

ソレは私の声に振り返った

南雲 芽生

南雲 芽生

…っ

息が、止まる

ソレは、吸い込まれそうなくらい

美しい瞳をしていた

???

???

ヒトか、私が見えるのだね?

ソレは本当に「悪」なのかというぐらい

優しい声をしていた

南雲 芽生

貴方は…何者なの

???

名を聞きたいのかい?

???

残念だけど名は無いよ

人形の様に美しく笑う

???

君がつけてくれないかい?

南雲 芽生

その必要はない

南雲 芽生

貴方は今ここで祓われるのだから

私が扇子を取り出すと

ソレは止めるかのように私の手に自分の手を重ねた

???

お止めなさい

???

君が怪我するだけだ

南雲 芽生

どうして…

???

私は強いからね

南雲 芽生

どうすればいいのよ…

確かにソレは強そうだ

妖気が今までにないくらい強い

???

どうすれば、か…

???

そうだねえ

考え込む仕草すら妖艶で絵になる

???

君に人間界を案内してほしい

南雲 芽生

は…

???

きっと満足したら妖気は弱くなって

???

祓えるよ

南雲 芽生

でもその間に妖が…

???

大丈夫

???

私も妖退治に協力するよ

貴方のせいで妖が増えてるんだ…

その言葉をなんとか押し殺した

南雲 芽生

なんでそこまで人間界に…

???

君も隠し事、あるだろう?

南雲 芽生

…っ

???

じゃあ私も内緒、だよ

美しいソレは

非常に厄介な性格をしていた

今、扇子を落とした。

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コメント

4

ユーザー
ユーザー

すごく面白そう! 続き楽しみにしてます!💕

ユーザー

みーさんの新連載…! 恋愛×ファンタジー ということもあって めっちゃ興味ありあり! ブクマして待ってます!!

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