暖めてよ

彼の言葉は突然だった

冷たく返すと 彼は予想通りムッとする

子供っぽくて飽き飽きしちゃうわ。

薄ら笑いを浮かべた貴方

なんて人聞きの悪いことでしょう？

幼なじみとして恥ずかしいわ。

やっぱり私は冷血漢

愛想が悪い？ なんとでも言いなさいよ

懲りない彼は質問攻め

鬱陶しいわね、帰ってちょうだい？

突然の彼の言葉に困惑する

魔法なんてかけられる訳 無いじゃない

その言葉と同時に

私を抱き締める彼の腕

ふざけた言葉

変わらないわね、子どもらしい

耳元で彼の声がする

なんだか恥ずかしくなった私は 早口で返した

私の必死の言い返しも

クッションみたいに包まれてった

彼はいつも以上に落ち着いていて

それが私の調子を狂わせる

暖めていた腕をほどいて

光輝く指輪を差し出して

私と向き合って放った言葉