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次の日から、雅哉は一切、 和人と口を利かなくなった。
話しかけられても、 俯いたまま何も言わなかった。
目も合わせない。
声も出さない。
心をまた、閉ざした。
和人は最初、困ったように笑っていた。 でも次第に焦りを滲ませ、 何度も呼びかけてきた。
和人
それでも、雅哉は目を逸らした。
雅哉
和人の優しさが、かえって苦しかった。
あの場で、何も言わなかったことが、 余計に胸に刺さった。
そうして、雅哉はまた一人になった。
でも、以前と違ったのは――
心のどこかが、泣き出したいくらい寂しくて たまらなかった。
和人と過ごした日々の温かさが、 今は逆に冷たい。
自分の胸にこびりついたその温度は、 簡単には消えてくれなかった。