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あなただけの執事〜過去編〜

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あなただけの執事〜過去編〜

1 - あなただけの執事〜過去編〜

♥

60

2018年05月14日

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あなただけの執事の過去編です。彼方目線です!

読む前に先にこの話を読んでからの方がさらに楽しめると思います!

では、どうぞ!

ザァァァァァァ…

神宮司 彼方

最悪だな…

神宮司 彼方

こんな日に限って小さな傘しか持ってないだなんて…

神宮司 彼方

しかも大雨だし…

神宮司 彼方

帰ったらきっとずぶ濡れだな…

俺は早歩きで家へと向かう。

途中、足に何かが引っかかったような気がして、足元を見た。

神宮司 彼方

!?

俺の足元には、半ズボンとTシャツしか着ていない少女が横たわっていた。

神宮司 彼方

お、おい!

神宮司 彼方

大丈夫か!

???

神宮司 彼方

くそっ

神宮司 彼方

家まで運ぶか

神宮司 彼方

ただいま

お帰り

お帰りなさい!

ところで、その子は…?

神宮司 彼方

道端で倒れてた

神宮司 彼方

意識もないみたいだ

神宮司 彼方

呼びかけても反応しない

お医者さん呼びましょうか

神宮司 彼方

ああ

神宮司 彼方

頼む

医者

どうでしょうか?

医者

かなりひどい状態ですね…

医者

高熱に栄養失調、精神的ストレス

医者

この3つが同時に起きています

栄養失調ということは、何も食べていないということでしょうか?

医者

そうですね

医者

何日も何も食べずにさまよったか…

医者

自ら食べることを拒んだか

医者

食べさせてもらえなかったか…

神宮司 彼方

食べさせてもらえない…?

医者

はっきりとわかったわけではありませんが…もしかしたら、そうかもしれません

医者

右手の手首を見てください

神宮司 彼方

見てみると、青紫色に染まった手首に、手錠がはめられていた。

神宮司 彼方

手錠…!

しかも、切れている…

医者

おそらく、手錠で繋がれていたところを、無理やり壊してきたのでしょう

そんな…かわいそうに…

医者

一応入院させたほうがよろしいかと

そうですね

私がみておくわ

お前、病院に泊まるつもりか?

だって、かわいそうなんだもの

神宮司 彼方

ご飯とか、家事は俺がやるから

神宮司 彼方

心配しないで、父さん

そういう問題じゃないんだが…

お前だって、病弱なんだ

無理しないでくれよ

大丈夫よ!

私よりも、この子を心配してあげて

???

💤

医者

だいぶ安定してきましたね

医者

では、病院に搬送しましょう

お願いします

ほら、食えよ

???

食えっつってんだろ!

バコッ

???

ぐっ…!

??

あたしたちのいうこと聞けばこんな目に合わねえんだよ!

??

早くしろ!

毎日毎日、朝昼晩、得体の知れないものを食べさせられる。

食べないと死んでしまうから、仕方なく食べるけど…

もう、限界らしい。

お、食うか?

??

早く食えよな!

私は床に捨てられた食事を掴み、投げつけた。

!?

??

テメェ、犬が主人に何してんだ!

やめとけ、こいつはもう用済みだ

そう言って包丁を取り出し、私に向ける。

そして、振りかざした。

ガシャン!

包丁は私ではなく、繋がれていた手錠にあたり、切り離された。

くそっ!

???

(逃げないと…!)

???

(これが、最後のチャンス…!)

いったいどこまで来たのだろう。

私は何時間も走り続け、もうどこにいるのかわからなかった。

もう体が限界のようだ。

???

私、ここで死ぬのかな…

そう呟いた後、私は意識を失った。

早く目覚めてくれるといいんだけど…

???

んっ…?

あ、起きた?

???

!?

ああっ!

何もしないから!

ね?

???

…???

???

(この人…悪い人じゃなさそう…)

???

(落ち着く…)

私は神宮司華子といいます

息子があなたが道端に倒れていたから家に運んできて、病院に搬送されたのよ

???

神宮司 彼方

母さん、そいつの具合は…!

神宮司 彼方

起きたのか?

???

(コクリ)

神宮司 彼方

そうか

神宮司 彼方

良かった…

神宮司 彼方

俺は、神宮司彼方

神宮司 彼方

よろしくな

???

神宮司 彼方

お、おい、お前、何して…!

???

私を助けていただき、ありがとうございました…!

神宮司 彼方

???

ううっ…!

まだ喋っちゃダメよ…!

完全に治りきってないんだから、

???

ごほっ!

???

私は…治ったら、どうなるんですか…?

おそらく、警察に保護されて…

神宮司 彼方

いや

神宮司 彼方

だめだ

彼方?

神宮司 彼方

こいつは家で預かろう

神宮司 彼方

いや

神宮司 彼方

預かるんじゃない

神宮司 彼方

お前は、俺たちの家族だ

???

神宮司 彼方

悪いが、お前をこのまま元の場所へ返してやることはできない

神宮司 彼方

お前、どこから来た?

???

千葉県から…です

神宮司 彼方

千葉だと?

神宮司 彼方

ここは神奈川県だぞ?

???

…!

???

私、かなりの距離を走って来たんですね…

どうして、ここまで来たの?

???

…思い出したくありません

そうよね…

ごめんなさい

神宮司 彼方

お前は今日で退院だ

神宮司 彼方

家に帰るぞ

???

はい…

???

(眩しい…!)

今まで1度も外に出たことがない私は、照明の明かりに慣れていなかった。

???

(この家、すごく広いなあ…)

神宮司 彼方

さて、お前の部屋は…

神宮司 彼方

おい、そこはゴミ置場…!

???

私、いつもここにいました

神宮司 彼方

!?

神宮司 彼方

いつも…?

???

…はい

???

明かりがついた部屋で過ごしたことがなかったので

神宮司 彼方

神宮司 彼方

とにかく、そんな汚いところはだめだ

神宮司 彼方

お前の部屋は、ここだ

???

???

神宮司 彼方

入ってみろ

ガチャ

???

!!

神宮司 彼方

気に入ったか?

???

…はい!

神宮司 彼方

っ…!

あの日から、俺はこいつに惚れたと自覚した。

神宮司 彼方

ところでお前、名前は?

???

籾山アリサ、です

神宮司 彼方

アリサか

神宮司 彼方

いい名前だな

籾山 アリサ

ありがとうございます!

神宮司 彼方

さあ、この部屋は好きに使え

籾山 アリサ

こんなに大きな部屋をですか?

神宮司 彼方

ああ

神宮司 彼方

お前だけの部屋だ

籾山 アリサ

ありがたく使わせていただきます!

神宮司 彼方

いい返事だ

籾山 アリサ

(私ずっとお世話になってばかりだけど、このままでいいのかな?)

籾山 アリサ

決めた!

私は部屋を飛び出し、リビングに向かった。

籾山 アリサ

すみません!

あら

どうしたんだ?

籾山 アリサ

私を、ここで働かせてください…!

神宮司 彼方

なっ…!

神宮司 彼方

いきなりどうしたんだ?

籾山 アリサ

このままお世話になっているだけではいけないと自分で思いました

籾山 アリサ

料理も、洗濯も、掃除もできます

神宮司 彼方

お前、何歳なんだ?

籾山 アリサ

19歳です

神宮司 彼方

大学は?

籾山 アリサ

通っていません

籾山 アリサ

高卒です

籾山 アリサ

でも、大学の勉強はすべて終わりました

神宮司 彼方

どうやって勉強したんだ?

籾山 アリサ

こっそりとやっていました

神宮司 彼方

こっそり…?

籾山 アリサ

はい

籾山 アリサ

バレると大変なので

神宮司 彼方

…そうか

神宮司 彼方

じゃあ、この家の執事として働くのはどうだ?

神宮司 彼方

給料も出すし、部屋も今の部屋を使って構わない

籾山 アリサ

つまり、住み込みで?

神宮司 彼方

そうだ

籾山 アリサ

ありがとうございます

籾山 アリサ

彼方様

神宮司 彼方

ああ、よろしく

神宮司 彼方

アリサ

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