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流星side
恭平がリハ中に急に倒れて、 救急車が来て、 気づけば病院に来ていた。
ここまでの流れが早すぎて 頭が追いついてなくて。
無言のまま恭平が起きるのを 待っていた。
駿佑
その言葉に、大丈夫と答えられない のが嫌で。
医者
そのタイミングで医者が来て 全員で話を聞きに行った。
医者
医者から言われたことを 飲み込めなかった。
大吾
謙杜
和也
丈一郎
大丈夫。
そう声をかけたかったけど できなかった。
根拠がないから。 理由がないから。 証拠がないから。
どれも当たってる。
でも1番は、
…物凄く、嫌な予感がしているから。
駿佑
その一言で解散になった。
ーーー
恭平side
目を開ければ、真っ白い 天井が見えた。
薬品の匂いと白いベッドで 状況を掴む。
看護師
そのタイミングで看護師が来て 声をかけてくる。
窓から入る心地よい風は、 何となく嫌な知らせを 運んできた気がした。
医者
淡々と説明されても困る。
症状とか、細かいことは 正直どうでも良くて。
恭平
医者の目が泳いだのはわかった。
医者
ーーー
食べる、話す、歩く、踊る、歌う。
…息をする。
世の中の動詞といわれる物の全てが 次第に出来なくなる。
それから、
…やがて記憶がなくなる。
なにわ男子もなにふぁむも。
俺を取り巻く全てが、 全ての記憶が、失くなる。
携帯を手に取って、 緑色のアプリを触れる。
『道枝駿佑』
そう表示された場所の 電話マークを押す。
コールが2回すれば、 すぐに声がした。
駿佑
思わず携帯を耳から離すほどの 声量。
恭平
駿佑
恭平
駿佑
恭平
駿佑
死、という単語に身構えた。
『根本的な治療法は見つかって いません』
それが示す先には、何が待っている のだろう。
恭平
そう、言うしかなかった。
恭平
一方的に電話を切った。
まだ21歳。 やりたいことだってまだまだある。
なにわ男子で、叶えなきゃいけない 夢もある。
ここで、終わらせたくなかった。
ーーー
翌日事務所に行けば、
マネージャー
恭平
コンコン
恭平
そこで告げられた事実。 これだけは忘れちゃいけなかった。
和也side
『脳が萎縮する病気』
恭平
無理に笑って、そう言った。
恭平
大吾
恭平
大吾
大ちゃんの言葉に、躊躇いは見せず 胸ポケットから 封筒を取り出した彼。
恭平
この後出してくる、そう付け足して。
『退職願』
たった3文字。
これだけでなにわ男子は6人になる。
駿佑
ビリッ
駿佑
同期だから、 ずっと一緒にいたからこそ 出た言葉。
その言葉に恭平は唇を噛んだ。
上を見上げてから、 また俺らの方を向いて。
恭平
涙が1粒彼の頬をつたって。
大丈夫。 俺らはずっと、7人だから。
ーーー
恭平side
配信ライブ当日。
画面越しで俺はなにふぁむに全て 伝えることにした。
もちろん直接言いたかった。
でもこのご時世、我慢するしかない。
ライブ中は嘘みたいに症状が消えて。 楽しく7人で歌って踊った。
これを最後にはしたくない。
最後のライブになにふぁむが 居ないのは嫌だ。
最後の曲の前。
全員がはけたところで、 1人だけステージに残る。
画面の前の君は、 どんなことを思っただろう。
自分の病気のこと。 活動休止のこと。 戻れる保証はないこと。
全てを伝えて。
恭平
約束した。
6人と、なにふぁむに誓った。 またここで、ライブをすると。
恭平
恭平
恭平
恭平
恭平
Mydreamsのイントロが流れる。
この曲は、パート割りがちゃんと あるけど、 7人で歌いたかった。
恭平
イヤモニからそう伝えれば、 目が合って頷いてくれた。
恭平
『果てしなく続く航海、 今日も積み重なる航海』
全員でマイクを握り続けた。
手を繋いで。 笑いあって。
またここに戻りたい。
心の底からそう思った。
ーーー
恭平
大吾
流星
ーーー
駿佑
恭平
駿佑
ーーー
恭平
駿佑
恭平
駿佑
恭平
この会話もいつかは忘れる日が来る。 彼の名前も忘れる日が来る。
みっちーをこれ以上、 傷つけたくなかった。
駿佑
恭平
駿佑
恭平
駿佑
恭平
駿佑
恭平
恭平
駿佑
恭平
ガチャ、バタン
仲間だから。
大切だから言えないことだって ある。
それを彼には分かって欲しかった。
それだけなのに。
不器用な自分に腹が立つ。
ーーー
駿佑side
彼が否定しなかった事実。
『記憶が無くなる』
1人でそれを抱え続けてた恭平。 同期失格。
もっと早く気づいていれば、 こんな言い合いしなくて 済んだかな。