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#3 余生を生く
握っていたシャーペンを放し、 辞書を机に置いて
大きく伸びをした。
気分転換に窓を開けると 冷たい風が図書室に流れ込む。
私
私
彼
彼
私
私
私
私
彼
彼
私
私
彼
私
私
私
彼
彼
私
私
私
彼
彼
言いつつ彼は私の手元を見た。
つられるように 視線を落とすと、
単語調べの途中で置いた辞書のページが先程と変わっていた。
彼
彼
こういう時、彼はここぞとばかりに野次を飛ばしてくる。
窓、開けますよ と言うと黙ったので
彼の冬服は何かの手違いで一生クリーニングされていてほしい。
私
辞書の行き過ぎたページを めくろうとして
不意に、『余生』という ワードが目に付いた。
私
私
彼
私
私
私
彼はこの先、 どんな人生を歩んで
どんな余生を過ごすのだろうか
そんなことが 何となく気になった
彼
彼
彼
彼
彼
彼
私
私
私
私
私
私
私
私
彼
彼
私
私
私
私
彼
彼
彼
彼
彼
と、彼はまた校庭に目をやった。
なんだかその目が過去を 見ているように思えて
私
私
でも、
『部活に戻りたいですか?』なんて聞くのも、野暮な気がして
私
私
結局よく分からないところに 着地した
私の悪い癖だ。
彼
彼
私
彼
部活の参加を阻む 何かに関係しているのかと
一瞬でも心配した私が 馬鹿だったみたいだ。
彼はこういう人間だった。
私
彼
彼
急に態度を改めた彼。
この人はきっとおじいちゃんになってもこうやって軽口を叩いて
誰かと笑って泣いて、 そうやって生きていくのだろう
そんなことをぼんやりと 考えた10月の終わり
冬がくるまでもう少し