執行者
そう‥私が独断断罪集団のリーダー‥「執行者」よ‥
礼央
‥!お前がリーダーなのか!
礼央
(ただの目撃者ではないとは思ってたが‥)
礼央
(まさか首謀者だったとは‥)
礼央
(‥でも、それなら余計に)
礼央
(どうしてこんな敵地にわざわざ足を運んだんだ‥?)
礼央
(何か目的があるのか‥?)
礼央
(それとも、ここから逃げることに自信があるのか‥?)
礼央
(あぁ‥今考えても仕方ない‥!)
礼央
‥っ!智哉!
智哉
分かってる‥
智哉
下手な素振りを見せるなよ‥
智哉
このままお前を拘束する。
執行者
あらそう?下手に動かない方がいいのは貴方も同じだと思うのだけれど‥
礼央
お前‥何やってんだ!!
警官D
いやぁー。僕もDDDのメンバーなんすよね‥
警官D
悪く思わないでくださいよ?
礼央
ぐっ‥
礼央
(まさか‥警察内部まで侵食されていたなんて‥!)
執行者
はい。これでお互い様ね。
執行者はそう言うと、頬杖をつきながら、余裕な態度で俺に向けて拳銃を向けてくる。
智哉
‥‥膠着状態か
執行者
そ。これでまた、話を再開できるわね
礼央
お前は‥一体何の目的でここに来たんだ‥!
執行者
あぁそうね‥
執行者
私ばっかり質問しても不平等だから、答えてあげる‥
執行者
私は知りたかったのよ。
執行者
私達を追ってる刑事がどんな人物か
智哉
‥‥それだけか?
執行者
えぇ。それだけ。
執行者
何か問題でも?
礼央
それだけな筈ないだろ!
礼央
本当の目的を話せ!!
執行者
はぁ‥本当にそれだけなのに‥
執行者
‥‥
執行者
この署内に爆弾を仕掛けにきた。
礼央
なっ‥!!
執行者
とでも言った方が、納得してもらえるかしら?
執行者
ふふっ‥まぁそんな事はしてないんだけどね
礼央
お前‥!人を馬鹿にするのもいい加減にしろよ!
執行者
全く‥冗談の通じない子ね‥
執行者
じゃあ次、私の番ね
執行者
と言っても、これが最後の質問なんだけど‥
智哉
‥‥言ってみろ
執行者
人は死んだらどうなると思う?
礼央
‥‥は?
礼央
(こいつは一体‥何のためにこんな質問を‥)
礼央
(まさか本当に、俺たちのことを知りにきただけなのか‥?)
執行者
さぁ、貴方達の答えを聞かせて頂戴‥
智哉
人が死ぬとどうなるか‥‥か。
礼央
そんなの、わかる筈無いだろ‥
執行者
‥というと?
礼央
(仕方ない‥ここは話に乗ってやるか‥)
礼央
天国や地獄があるかは分からないじゃないか。
礼央
それに、幽霊だって実在する保証なんてない‥
礼央
だから答えは‥「分からない」だ。
執行者
‥‥貴方は?
智哉
俺も同意見だ。
智哉
死の先は分からない。だからこそ恐れる。
智哉
だから人間は、その時が来るまで、一分一秒を大切にして生きていくんだ。
智哉
俺の答えも礼央と一緒‥
智哉
「分からない」だ。
執行者
‥‥‥
執行者
‥ぷっ‥ふふっ‥‥
執行者
ははっ‥あはははは!!
俺たちから答えを聞いた執行者は、大声で笑い始めた。
その様子はまるで、おもちゃで遊ぶ小さな子供のようだった。
執行者
はははっ‥!貴方達最高だわ!
礼央
‥‥何が言いたいんだ‥?
執行者
いやぁ‥!まさかここでその答えが聞けるなんて思ってなかったから‥!
執行者
ふふっ‥私の相手が、貴方達で良かった‥
執行者
もっとお話ししたい所だけど、どうやらここまでのようね‥
礼央
ぐっ‥火事か!!
智哉
他にも内通者がいたと言う訳か‥
執行者
そ。火種は署内3階の倉庫よ‥早く行かないと、オフィス全体が焼き尽くされるわよ?
執行者
それじゃあ‥私はそろそろ帰ろうかしら‥
窓の外には、覆面を被って武器を持っている集団がいた。
礼央
ぐっ‥こんなにも外で待機していたのか‥!
執行者
じゃあ、私はこれで失礼するわ
執行者はそう言うと、窓ガラスをくぐり外に逃げ出す。
礼央
くそっ‥!待て!!
礼央
智哉!!中は任せてもいいか!?
智哉
あぁ‥!お前は奴を追うんだ!
礼央
分かった!
署内のトラブルのせいで対応が遅れて、完全に見失ってしまった。