私が本を読んでいると、怖い話が大好きな瑠奈が話しかけてきた
瑠奈
ねぇねぇ望未
望未
どうしたの?
瑠奈
『通学路にいる女の子』って知ってる?
望未
なにそれ、怖い話?
瑠奈
そうそう
望未
知らない
望未
ってかなんでいきなりそんなこと聞いてきたの?
瑠奈
いやね、最近ここら辺の通学路で出るって噂なの
望未
出る...って、女の子が?
瑠奈
そうなんだよ!
瑠奈
しかもちょうど5時頃、学校帰る時間帯なんだよね
瑠奈
だから言っておこうと思って
望未
帰り道怖くなるじゃんか...
瑠奈
まぁまぁ、それよりまだ話があるんだよ
望未
なによ?
瑠奈
その女の子、昔このあたりの小学校の児童だったみたいなのね
望未
うん
瑠奈
それで、帰りにこの辺の町塾によって、家に帰ってたみたいなの
望未
ふーん...
瑠奈
で、帰り道に通り魔に刺されて死んじゃったんだって
望未
ほえ〜...
瑠奈
それで、その女の子は自分だけ刺されたことを恨んで成仏できずに、このあたりを歩いている小中学生を自分と一緒にあの世に連れて言っちゃうらしいよ
望未
なんだか迷惑な話だな...
瑠奈
でも怖くない?
望未
でも幽霊なんているわけないじゃん
望未
そんなの信じてる方が馬鹿よ
瑠奈
え〜私は怖いって思っちゃうなぁ
瑠奈
望未、今日は一緒に帰ろうね
望未
はいはい
瑠奈
...それでもう笑っちゃってさぁ!
望未
あははっ
瑠奈
あ、うちこっちだ、バイバイ望未
望未
うん、バイバイ瑠奈
瑠奈と別れてしばらく歩くと、道の端の方でランドセルを背負ってうずくまって泣いている女の子がいた
望未
(こんな時間にどうしたんだろう...)
望未
(小学生はもう帰ってるよね?)
望未
(声掛けてみようかな...)
望未
ねぇ
望未
(この時間に出るって言ってたけど...)
望未
(まさか、この子...)
望未
(いや、まさかね...)
望未
どうしたの?なんで泣いてるの?
女の子
...ぅちが
望未
ん?
女の子
...おうちが、わからない...
望未
迷子になっちゃったの?
女の子
うん...だから...
女の子
お姉ちゃんも一緒に...逝こうよ...
女の子の顔は血だらけで目も口も鼻も、なにも見えなかった
望未
ひっ...きゃぁぁぁぁぁぁっっ!!!
望未
(ここまで来ればさすがにこないでしょ...)
ショーウィンドウに映っている私のうしろには、女の子がしがみついてこっちを見ている姿が見えた
望未
いやっ!
望未
はぁっ...はぁっ...
お母さん
あら望未おかえり
望未
たっ、ただいま...
お母さん
...あら?
望未
どうしたの...
お母さん
今...あなたのうしろに小さい女の子がいたような気がしたんだけど...気のせいかしら?