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2 - シロとクロ 『病気』

♥

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2020年05月09日

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コンコン

『私』

失礼します。

石屋先生

はい、どうぞ

ガチャ

石屋先生

あ、黒須さん

石屋先生

どうだった?初めての患者さんは

『私』

あの、その事なんですけど、

石屋先生

ん?

『私』

彼は何の病気なんですか?

石屋先生

...

石屋先生

まだ説明してなかったね

石屋先生

彼...

石屋先生

シロ君の病気はね、

石屋先生はこう言った

『君』の病気は 原因不明 治療法不明

そんな謎に包まれた病気 なのだと

そして、その病気に なった者は

『私』

え...

『私』

髪が白くなる...って

髪がどんどん白くなるらしい

その髪の色が 完全に真っ白になった時

その者の命はつきるだろう

石屋先生

って言われてるんだ

『私』

...

石屋先生

でもね、たった1つ

石屋先生

これは、黒須さんにも注意してもらわないといけない事があるんだ

『私』

なんですか?

石屋先生

決して、その謎の病になった者の事を愛してはいけない

『私』

...

『私』

...は?

なんでも、『君』の病気は 『君』の事を本当に愛してくれる人、好きになってくれる人に

病気を移す事ができるらしい

石屋先生

だから、絶対にシロ君の事を好きになってはいけないよ

『私』

はい

『私』

そんな事ありえないです

石屋先生

黒須さんがそう言ってくれて良かったよ

石屋先生

他の看護士達は「絶対に好きにならない」という自信がないって言うんだよ

石屋先生

確かに、シロ君は男の僕が見ても、イケメンでスタイルが良いし

その石屋先生の言葉には共感する

確かに『君』は ジャニーズやモデルと言われても 納得できるほどの美人だ

「はぁ〜、ほんと、美人薄命って俺のための言葉だよね」

『私』

...

なんだか無性にイラついた

『私』

『私』が彼を好きになる事は絶対に無いので、安心してください

石屋先生

それは良かった

『私』

それでは、失礼します

石屋先生

うん

『私』は患者である『君』の事を知るため、『君』の病気について調べた

『私』

(病気については、石屋先生が言ってた事しか書いてないな)

『私』

(髪が白くなる...)

今の『君』の髪は 真っ白 ではなかった

少し黒が入っていた

グレーというのが 最適だろうか

『私』

(という事は、彼はまだ死ぬまでに時間があるんだ)

そんな事を考えていると

ピーピーピー

ナースコールが鳴った

『私』

...

『私』

301号室...

ナースコールを鳴らしたのは 『君』だった

『私』

どうしたの?

『シロ』

あ、クロさん!

『シロ』

あのね、俺凄く大事な事を思い出したんだ!

『私』

なに?

『シロ』

はい!クロさん!

そう言いながら『君』は 『私』に左手を差し出した

『私』

あぁ、そういう事か

『私』は『君』の左手の上に『私』の右手を乗せた

そして、握りしめた

『シロ』

何やってるの?

『私』

何って、

『私』

握手でしょ?

『シロ』

クロさんって天然なの?

『シロ』

それか馬鹿なの?

『シロ』

それとも...

『シロ』

わざと!?

『シロ』

きゃー、怖い!
俺の事惚れさそうとしてるな!

『シロ』

言っとくけど、俺は天然な子じゃなくて、もっと清楚な子がタイプだからな!!!

本当に『君』は騒がしい

『私』

急に何を言い出すの?

『シロ』

そっちこそ、何をやってるの?

『私』

逆に、左手を差し出されただけで『君』が何をしたいか分かる人はいないと思うよ

『シロ』

うわはは!!

『シロ』

それもそうだね!

『君』はまた 大きな口を開けて笑った

『シロ』

ごめんごめん、クロさんが天然アピールで俺を口説いてるのかと思って!

『私』

『私』がそんな事をするように見えるの?

『シロ』

ううん、全く

『シロ』

あ、そうそう!

『シロ』

大事な事!

やっと本題か

『シロ』

はい!携帯貸して!

『私』

『君』はまた急に何を言い出すの?

『シロ』

だって、俺を担当するんでしょ?

『シロ』

じゃあ、いつでもメールとかできる方が良いと思うんだよね

『シロ』

クロさんには色々お願いするだろうし!

『私』

色々って?

『シロ』

俺の死ぬまでにしたい事とかしてほしい事とかをクロさんにしてもらうんだ!

『私』

は?

『シロ』

クロさんって、は?って言うのが口癖なの?

『シロ』

いいじゃん!どうせもう少しで死ぬんだし!俺!

それもそうか

『私』

分かったよ

『シロ』

やったぁー!

『シロ』

じゃ、携帯出して

『私』

はい

ピッピッ

『君』は慣れた手つきで 『私』の携帯に番号を入れ始めた

そんなテキパキした手の動きを見ていると、「生きているんだな」と当たり前の事を思う

『シロ』

はい、できたー!

『君』は初めてランドセルを買ってもらった小学生のように喜んだ

『シロ』

じゃあ、何かあったら連絡するね〜

『私』

っていうか、そんな事でナースコール鳴らしたの?

『シロ』

そんな事!?心外だなぁ〜

『シロ』

俺にとっては大事な事なのに

『私』

ナースコールで『私』以外の人が来るって事は予想してなかったの?

『シロ』

でもまぁ、クロさんが来たから結果オーライでしょ?

『私』

『私』以外だったら『君』は怒られてただろうね

『シロ』

怒られてほしいの?

『私』

少しだけね

『シロ』

うわはは!!

また『君』は大きな口を開けて笑った

『シロ』

あ、もう用事終わったから

『私』

そう

『私』

じゃあ『私』は失礼するね

『シロ』

うん!またね!

『私』

(はぁ〜、してほしい事ってなんなの)

『私』

(でもまぁ、携帯ぐらい、いいか)

なんてあまい考えをしていた『私』を 今は殴りたい

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