世は戦国時代。
とある武将の領地では、
花の様に美しい姫が2人、
暮らしていた。
花
菊!もっと早く走って!
菊
姉上!待ってくださいー!
姉の花は9歳
妹の菊は7歳。
2人とも、この若さにして、
とても美しく、可愛い姫であった。
侍女1
花様!菊様!
侍女2
お待ちください!
花
いやだー!
菊
絶対に止まらないよー!
侍女1
はぁ。。はぁ。。
侍女2
どうしましょう…
その時、
花と菊の先に、
誰かが歩いてきたのである。
花
うわぁ!
菊
姉上っ!
アキノリ
!?
アキノリ
なんだ、そんなに慌てて…
花
父上!
菊
侍女たちから逃げているのです。
侍女1
!! アキノリ様!
侍女2
花様と菊様もおいつめましたよ!
花
うわぁ!どうしよう!
菊
姉上…もうダメです…泣
アキノリ
まったく、侍女を困らせるんじゃないぞ。
侍女1
さあ、姫様がた、お着替えを。
侍女2
さっきいた場所まで、お戻りいたしますよ。
花
はぁーい…
菊
今日は惜しかったですねー 姉上…
花
本当にねぇ…
侍女1
姫さま、お急ぎ下さいませ!
菊
どうして?
侍女2
今日は、アキノリ様のお誕生日でございますから。
花
!! 本当だ!
菊
姉上!そういうことなら急がないとですね!
花
そうね!急ぎましょう!
15分ほど着替えていた間に、
急に部屋の障子が開いた。
アキノリ
2人とも!ここにいたか!
花
!?
花
父上!?
菊
どうしたんですか!?
アキノリ
実はな、隣国の次期当主、謙信殿が来ているんだ!
菊
え!?
菊
謙信様って、姉上の許嫁のお方ですよね!?
花
ええ。。
侍女1
なんと!
侍女2
ならば、もっと綺麗にならなくてはですね!花様!
花
でも、急にどうして…
アキノリ
さあ、どうなんだろうな。
アキノリ
花が自分から聞いてみるがよい。
花
はい。父上!
花と菊は、
謙信がいる、とある部屋
へと入った。
花
失礼いたします。
菊
!?本当にいらしてたんですね!?
謙信
もちろんです。
謙信
急に申し訳ありませんでした。
花
ど、どうなさったんですか?
謙信
花様、貴方に会いに来たのです。
花
え!?
菊
……許嫁の姫である姉上に…ですか?
謙信
はい。
花
でも、私はそんな見に来られるほど美人ではありませんよ…
謙信
いえいえ、ここに来た時は、皆、とても美しい姫だと
謙信
口を揃えて言っていましたよ!
花
お、お恥ずかしいです…
菊
それだけ姉上が綺麗なのですよ!
花
き、菊ったら!
謙信
本当に美しいのですね。
謙信
私達は、許嫁、という関係ですが、そうでなくても、私は、
謙信
貴方に恋をしていましたよ。
花
え?
菊
よかったですね!姉上!
菊
こんなに素敵なお方が将来のお婿さんだなんて!
謙信は今は
10歳である。
年齢的にも、2人は釣り合っており・
会うたびに、どんどん仲慎ましくなっていた。
侍女1
謙信様、そろそろおかえりのお時間です。
謙信
! もうそんな時間か。
謙信
では、お二方、失礼いたします。
花
ぜひ、また来てくださいね!
菊
私もお待ちしております!
謙信
はい、必ず、また来ます。
侍女2
花様!
花
何?どうしたの?
侍女2
大変でございます!
菊
お、落ち着いて!
侍女1
落ち着いてなどおられません!
花
わかったから、何があったの?
侍女2
実は、アキノリ様が、越中という土地を…
侍女2
手に入れられたので、そこにお城が出来、
侍女1
そこが、花様と謙信殿の暮らす場所とする。
侍女2
とのことです!
花
そうなのね!
菊
嬉しそうですね!姉上!
花
ふふっ。楽しみね!
こうして時は流れ、
花は13歳に、
菊は11歳、
謙信は14歳となった。
侍女1
花様、ついに今日は、
侍女2
結婚の式の日でございますね!
菊
姉上…本当にお綺麗です…
花
みんな…ありがとう。
アキノリ
おお、どこの姫かと思ったら、花じゃないか。
花
父上!
アキノリ
…花…。隣国へ行っても、頑張ることだな。
花
はい!父上!
謙信
!花様!ここにいらっしゃったのですか!
花
! 謙信様!
菊
あら、では、邪魔者は退散いたしますね!
アキノリ
そうだな!
侍女1
ふふっ、そうですね!
侍女2
はい、そうしましょう!
花
え?皆さん?
謙信
皆さん、私達に気を使ってくださっている。
謙信
この様な身内がいて、私は幸せです。
花
ふふっ、謙信様、これから末永く、お願いします!
謙信
こちらこそ、頼みます。花様。
その後、また時は流れ、
花と謙信には、2人の姫と
1人の男の子が生まれた。
侍女1
蝶様!
侍女2
舞様!お待ちください!
蝶
姉上!逃げましょう!
舞
もっと速く走るのよ!
ボフン!
蝶と舞は、誰かにぶつかったのである。
蝶
うわぁ!
舞
蝶!大丈夫!?
政景
痛い!
蝶
政景!ごめんね!
政景
姉上!姉様!突然申し訳ございませんでした!
舞
いいのよ、大丈夫。
侍女1
ひ。。姫さま…
侍女2
お、追い詰めましたよ……!
蝶
うわぁ!
舞
捕まっちゃったー泣!
謙信
なんだ?騒がしいぞ?
政景
!! 父上!
花
本当に。この子達のおかげで、
花
毎日が賑やかね。
舞
母上!
蝶
うう…騒がしいのは否定できないです…
舞
本当ね…
政景
僕もです…
謙信
怪我はするのではないぞ?
舞
はい!
謙信
では、行くぞ、花。
花
はい。行きましょうか。
こうして、花は、
一生を幸せに包み、
人生を、終えたのであった…