TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

AM 7:54

はぁーあ...ようやく終わりましたね...

琥珀

予定より少し早く終わったな。

燐堂

えっ⁉︎もう終わったの⁉︎

はい。

琥珀

小鹿、悪いがここに全員を集めてくれないか?

燐堂

オッケー‼︎

ビビビッ

–– みんな‼︎転送作業が終わったから、最初の所に集合して‼︎ ––

ありがとうございます、小鹿さん。

燐堂

いいのよ、私なんてこのくらいしかできないんだから笑

蘭丸

柊さんと鹿王院さん、お疲れ様っす。

大将、お疲れ様です。

琥珀

私にはなしか?

ありがとな。

琥珀

相変わらずそっけないな。

うるせーな。

蘭丸

あと来てないのは黒野君だけっすね...

黒野

黒野

悪い、遅くなった。

燐堂

なに道草食ってたの?

黒野

少し考え事を...な。

さて、これですべてが元通りになりましたね。あとは...

スッ

この“薬”を使うかどうかだけですね。

燐堂

...もちろん選択肢は一択よね?

蘭丸

どうすかね?中には燐堂さんが考えている選択肢とは別のものを選ぶ方もいると思うっすよ。

燐堂

そんな...

燐堂

だって考えてみなさいよ。アタシ達は人間じゃないから、ずっと“実験台”にされてきたのよ?

燐堂

それに前から言ってたじゃない。“人間になりたい”って...

燐堂

だからアタシ達は人間になって新しい人生を歩むの‼︎そうでしょ?

琥珀

だがそれはソイツの生き方を否定するようなものだ。各々の人生だ。生き方はそれぞれだろう?

燐堂

そんな屁理屈...っ‼︎

蘭丸

確かにそうっすね。

燐堂

流鏑馬...‼︎

蘭丸

今俺達はここにいるっすけど、外に出たらそれぞれ別の人生があるんすよ?だったら俺は悔いのない選択をした方がいいと思うっす。

燐堂

...分かったわよ。

蘭丸

それじゃあ俺は“人間になる”っす。

燐堂

えっ⁉︎あれだけ言ってて⁉︎

蘭丸

それが俺の生き方っすからね笑

燐堂

アタシは流鏑馬より先に決まってる‼︎

燐堂

アタシも“人間になる”わ‼︎

それぞれの人生...でも大将と離れるのは...

翠さん。翠さんには大切な人がいますよね?それなのに私を選択肢に入れるのは間違ってますよ。

大将...

...そうですね。ありがとうございます。目が覚めました‼︎

私も“人間になります”‼︎

人間になって妹分達と日本一の最強レディースをつくろうと思います‼︎

蘭丸

おおーっ‼︎なんだかカッコいいっすね‼︎

琥珀

私は...

琥珀

琥珀

このままでいい。

燐堂

えっ⁉︎

琥珀

私は今の生き方が好きだ。だから今更変えるつもりはない。

燐堂

なんで...

私も琥珀さんに賛成です。

燐堂

凛まで...‼︎

私は逆にこの生き方に慣れてしまって人間になったら少し損をしたような気持ちになると思うんです。

燐堂

そんなの...いや、それがアンタ達の“世界の創り方”なんだよね?

燐堂

よし‼︎だったら尊重しないとね‼︎

ありがとうございます笑

蘭丸

黒野君はどうするんすか?

黒野

俺...俺は...

黒野

黒野

俺を終わらせる。

燐堂

は?なにそれ...

黒野

俺は“俺という存在”を消す。

燐堂

何言ってんのよっ‼︎それってつまり自殺するってことでしょ⁉︎

黒野

ああ、そうだ。

燐堂

そうだって...アンタ自分が何言ってるか分かってんの⁉︎

黒野

分かってる。だが俺は“実験”で倫理と道徳を捨てた怪物になり、人間を偽りの記憶で縛り、挙げ句の果てお前の左足を潰した...

黒野

こんな俺は有害な存在でしかない。だから俺は“俺という物語を終わらせる”んだ。

バシッ‼︎

燐堂

アンタね...アタシの左足のことに関してはもういいって言ったでしょ‼︎それに“実験”は人間がやったことでアンタは何も悪くないじゃないっ‼︎

黒野

そんなものただの虚構でしかない。

燐堂

だから違うって

琥珀

おい、そこまでにして冷静になれ。

燐堂

はあ⁉︎冷静になれって黒野は自殺するって言ってんのよ⁉︎

琥珀

それがどうした。

燐堂

どうしたって...アンタね‼︎

琥珀

それが闇笯の“生き方”なんだろう?

燐堂

は...?

琥珀

生きることだけが“生き方”だと一体誰が決めたんだ?

琥珀

中には死ぬことがソイツにとって“生きる”という意味にもなり得ることがある。

琥珀

それにさっき私が言っただろう。各々の人生だ、生き方はそれぞれだと。

燐堂

でも...それに納得したら黒野は...

琥珀

小鹿、貴様は他のメンバーの生き方を尊重して、闇笯の生き方を尊重しない...ということか?

燐堂

それは...

琥珀

仲間なら尊重してやれ。それが闇笯にとっての“幸せ”なのだからな。

蘭丸

俺は尊重するっすよ。

私もだ。黒野、テメェは本当に変えるつもりはないんだな?

黒野

ああ。変える理由がないからな。

なら私達にテメェの生き様を見せつけろ。それがテメェが果たすべきことだ。

黒野

生き様...

黒野

分かった、それに応えよう。

よし、なら私は何も言わねーよ。

小鹿さん、もし嫌なら記憶を

燐堂

いや、いい。

燐堂

黒野がそう決めたんならもうアタシは文句は言わない。だけど...

燐堂

こんな俺なんて言ってないで、最期まで胸張りなさいよ、このバカッ‼︎

黒野

...いいのか?

燐堂

...アタシはアンタの“生き方”を尊重する。だってアンタは

燐堂

燐堂

最高の仲間だからねっ‼︎

黒野

ありがとう、燐堂。

蘭丸

それじゃあ区切りがよさそうなのでそろそろやるっすよ。

蘭丸

俺達の最後の作業を。

抗体人間シリーズ−現在編−

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

50

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚